(文 倉石綾子 / 写真 DYSK / 動画 TOTAL TIME 00:34 記事最下段 )
以前、愛車のバイクとともに<MARK PEOPLE>に登場してくれたアーティストの石渡誠さん。個性的なアフロヘアを覚えていらっしゃる方も少なくないことでしょう。毎日の生活に欠かせないモノは「小学生の時からハマり続けているスケートボードと、他にはないスリルを味わえるバイクのダウンヒル」と話す石渡さんは、撮影当日も集合場所の逗子駅にスケートボードを担いで登場。「家から駅までスケボーで来ました」と楽しそうに語る姿が印象的でした。スケートボードにバイク、大好きな遊び道具に囲まれてスピード感あふれる毎日を送る石渡さんの、リアルライフをのぞいてみましょう。
スケートボードとは四半世紀の付き合い
スケートボードやピストやロードバイクで遊んでいます、というと運動神経のいい人を想像されがちなんですが、実はスポーツは昔から苦手で。運動音痴と言ってもらってもいいくらい(笑)。特にエンデュランス系やチームワークを要するスポーツ、つまり球技やランニングは子どもの時から避けて通ってきました。唯一ハマったスポーツらしいスポーツといえば、スキーくらいかな。どうやら「滑る」ものは昔から得意だったようです。 小学校高学年でスケートボードを始めてからは、とにかくスケボー一本やり。大人になった今でも大事な遊び道具兼移動手段として、スケートボードに乗ることは僕の日々の営みの一部になっています。
現在、僕が取り組んでいるプロジェクト「core」では、使えなくなったスケートボードの、デッキの芯などコアとなるパーツをまったく異なるものに蘇らせるという創作活動を行っています。 スケートボード本来の役割を終えてしまったパーツを再構築することで、新たに別の価値観を表すことはできないだろうか。
そんな考えから生まれたこのプロジェクトでは、小学生の時からスケートボードで遊んでいた僕なりの視点を自分らしいモノ作りと融合させることができる。スケーター、そしてアーティストという二つの側面でアプローチを行う、自分らしい表現方法なんじゃないかと考えています。
スタイル重視の遊び道具に魅せられて
そんな風に僕の人生と密接に関わり合うスケートボードとは別に、ここ7年ほど夢中になっているのがピストバイク、それとロードバイクです。ランニングにはないスピード感や、全てを自分の脚でコントロールする操作性に惹かれ、バイクでのダウンヒルを楽しんでいます。オーダーで作ってもらったフレームに3年越しでパーツを組んだ愛車を車に積んで、富士山や箱根まで遠出することもあるんですよ。 そうして山道を一気に下るんですが、あのスリル、スピード感は病みつきになること請け合い。「スポーツは苦手」と言いましたが、ダウンヒルを攻める時の緊張感や自分のイメージする走りを叶えるために鍛える精神力は、もしかしたら「スポーツ」で求められる部分と近いのかもしれませんね。
「競技」じゃないから続けられた
スケートボードにしろバイクにしろ、スピード感や自分の脚で全てを操作するというシンプルさがたまらない。
どちらもファッションやカルチャーから派生した遊び道具だから、人それぞれのスタイルが確立されている。そうした自由さや懐の深さも、僕が惹かれる理由なのかもしれません。 ここまで長くハマっていられるのも、自転車もスケートボードも僕が「スポーツ」として捉えていないからかもしれませんね。もし競技として取り組んで人と競い合うことを常としていたら、いくら好きでも長く続けることはできなかったんじゃないかな。
戦略性に富んだトレイルランニングの魅力
ここまで「スボーツが苦手」と言っておきながら、僕が唯一、興味を持ったのがエンデュランス系スポーツの代表格、トレイルランニングでした。マウンテンバイクでのダウンヒルに少し似ているな、と思ったからです。 マウンテンバイクって、ラインどりとか乗っているときの姿勢が重要なんです。バイクのダウンヒルが度胸や精神力重視とすれば、トレイルでのダウンヒルにはテクニックが要求される。
あちこちの足がかりを求めて瞬時にラインをとるトレイルランニングにも、それと同様のリズム感や戦略性を感じて、もうちょっと走ってみたいという気持ちになれました。
そうそう、今日走っていて「あれ、この感覚、どこかで経験しているぞ」って思ったんですが、そういえば中学生の時の剣道部の活動で、学校の裏山にあるハイキングコースをさんざん走らされていたんです。当時はとにかくつらくてつまらなくて、でも今考えるとあれは確かにトレランでした。こうやって遊び感覚で走っている分には楽しいんですけどねえ…。
日々進化する機能性ウエアの醍醐味を体感
いつもは普段着で自転車やスケートボードに乗っているので、いわゆる「スポーツウェア」に袖を通すのは新鮮な体験でした(笑)。トレラン時に着用したODLOのアウターは風を通さず水を弾く軽い素材でできていて、海岸線の風の強いトレイルを走った際に「素材も仕立ても進化しているんだ」って実感しました。
そして何よりも驚いたのが、機能性アンダーウェアの効果!締め付け感は無いのに適度に身体にフィットして、着用していて実に快適。自転車に乗る時、厚みのあるパッド付きのパンツを着用するほかはとりたててアンダーウェアを意識したことはなかったんです。が、汗を素早く発散するメッシュ素材の高機能インナーならトレランはもちろん、春先から秋口まで快適にライドが楽しめそうです。
何よりも、自分が素敵だと思うものを身につけることって大切だと思うんです。格好悪!って思いながら着ていても、やっぱりモチベーションがあがりませんから。機能性に優れていて見た目もいい、そんなアンダーウェアだったら、「スポーツ時の」というより「生活の一部」としていい相棒になれそうです。