Oakley(オークリー)がスポーツアイウェアを手掛けて45年間。それは、Oakleyがアスリートの視野とパフォーマンス、そしてスタイリングにイノベーションをもたらし続けてきた45年間だと言い換えることができる。1984年に登場したEyeshadeを皮切りに、陸上選手を始めアスリートに多くの愛用者を生み出したM-Frame®そしてRadarlock®、Jawbreaker™まで常に斬新なデザインとパフォーマンスで競技者の眼を護り続けてきた。
そんなOakleyの新作のウワサが流れ始めたのは、2020年の秋ごろ。マーク・カヴェンディッシュらヨーロッパのトップサイクリストが着用したプロトタイプは、その斬新なデザインによってバズを巻き起こした。長らく待望された全く新しいOakleyのパフォーマンスアイウェア。Oakley Kato(オークリー ケイトー)が2021年初夏、ついに登場した。



Oakleyの45年の集大成であり、同時にマイルストーンであるOakley Katoは、何よりもその特徴的なレンズ形状に目を奪われる。フレームレスでレンズの曲線が強調されたそのビジュアルは、アメコミのスーパーヒーローを想起させるものだ。実際に、ブランドが放つメッセージは、『秘められた力を解き放て』というもの。この斬新で先鋭的なアイウェアを着用して走ってもらうのは、佐藤悠基選手(SGホールディングス)。
2021年始のニューイヤー駅伝での快走と区間賞が記憶に新しい陸上界のスーパーヒーローは、アイウェアへの愛着とこだわりにおいても陸上界屈指。佐藤選手がどんなインプレッションをOakley Katoに抱いたのか、訊いてみよう。


佐藤悠基、Oakley Katoと出合う
佐藤選手がOakleyのアイウェアを愛用するのは、そのパフォーマンスもさることながら、ブランドの立ち位置に共感できることも理由の一つなのだという。
「Oakleyは世間一般の常識から一歩外れて、ワンランク上を行っているというイメージ。自分もそんな存在でありたいと、重ねているところがあります。度肝を抜かれるようなアイウェアを見たら、自分もそんなパフォーマンスをしたいと思うんです」

この日初めてOakley Katoに触れた佐藤選手。その印象は?
「この鼻のところのカーブは、他のブランドには真似できない技術でしょう。ひと目見た瞬間になんだこのデザインは! と思わされて、そして実際にかけてみればやっぱりOakleyらしいフィット感とクリアなレンズが味わえる。走ってみてのストレスは一切感じませんでした」
一見奇抜なデザインに見えるが、佐藤選手とOakley Katoは馴染んでいる。佐藤選手だから似合っている、ということはあるだろうが、日本人の顔にもマッチするデザインだというのは、一般アスリートにとっても朗報だ。さらに朗報なことに、Oakley Katoには3種類のノーズパッドが予め付属し、ステムの角度も上下3段階に変更が可能。あらゆる顔の形にフィットするアイウェアに仕上げられている。ステムに使用された素材は、Oakleyの他のアイウェアでもお馴染みの軽量で強度に優れるO-Matter™(オーマター)を採用。




「ノーズパッドは中間の高さのものが個人的にはちょうど良かったです。ステムの角度も好みはあると思いますが、風の強かった今日だと、僕は下からの巻き込みが少ないセッティング(3段階の一番上)が走りやすく感じました。汗をかくシーズンならレンズと顔の距離をとったりと時期やコンディションによって自分なりにカスタムできるのも嬉しいですね」
ランナーに高い支持を集めるOakleyのRadarlock®が28g。やはりアイコニックなデザインで人気のJawbreaker™は35g。このOakley Katoは30gと、重量面では両者の間に位置するモデルだ。実際にアイウェアの重さに関して、佐藤選手はどう感じたのだろう。

「かけた重さはフィット感がいいので重量感はないですね。逆に軽すぎるとランニングの場合、上下動で微妙に動いてしまう。マラソンを走ると何万歩もそれこそ上下動を繰り返すので、小さなストレスも大敵です。Oakley Katoはフィット感も調節できるし、ストレスは全く感じなかったですね」
Oakley Katoのヴィジュアルスケッチが描かれたのは2019年。しかし、「フリーフォームテクノロジー」を使用したこれまでの常識に囚われないレンズ形状を用いたアイウェアの構想はその数年前から始まっていたという。200以上の試作を経て生み出された新作は、Oakley史上最高の視野の広さを誇るレンズを搭載していた。

既存モデルで最もレンズ幅のある〈Radar® EV〉よりもさらに11mmワイドになり、プロテクションと視野の広さを実現。フレームレスのため、数値以上に開けた視野が体感できる。複雑な形状のレンズに均等にコーティングする技術も新たに開発されたという。スポーツアウェアの歴史において前例のない形状は、それだけに多くの技術的要件を必要とする。
PRIZMレンズの使い分け
レンズが全面的に主張するOakley Katoは、もちろんOakleyが誇るPRIZMテクノロジーを搭載している。佐藤選手はレンズの使い分けも意識して行っているというが、お気に入りはPRIZM ROADレンズだ。
「PRIZMレンズが出てからは、PRIZM ROADレンズを使うことが多くなりました。色彩が鮮明に見えて、マラソンで重要なロードコンディションも見やすいんです。曇りの日のカーブなどで窪みが見やすいというのは、走る上でのストレスを軽減してくれます。サングラス=日差しが強い日というイメージはあると思いますが、レンズの使い分けで実際より明るく見えることも。明るく見えると気分も乗ってきますし、陸上選手もレンズの使い分けに意識的でありたいですよね」



勝負のときはOakley Katoをかけて
性能が良いことは大前提として、佐藤選手はアイウェアのデザインにも強いこだわりがある。気持ちを昂らせてくれる優れたデザインは、彼にとってパフォーマンスにも直結する。2021年のニューイヤー駅伝では、24Kゴールドの〈Sutro Lite〉をかけて快走したが、インパクトのあるサングラスは彼のシグニチャーにもなりつつある。
「選手として競技力も重要ですが、スポーツをする上で速くてカッコいい選手になりたいんです。今年のニューイヤー駅伝では自分の走りはもちろん、それにプラスしてスタイルを見せたかった。結果も出て、周りの反響も大きかったので、少しは“速くてカッコいい選手”に近づけたかなと思っています。陸上の長距離種目には地味な印象がありますが、そんなイメージを壊していきたい」

常に陸上長距離の先頭を走り続ける第一人者のモチベーションは、その競技イメージまで変えんばかりに満ち溢れている。Oakley Katoの『秘められた力を解き放て』というメッセージは佐藤選手のそんな燃え続ける競技への想いの、さらに熱い部分を燃え上がらせそうだ。
「Oakley Katoをかけることで内側から沸き上がるものがありますし、それが競技にプラスになります。レースであっても練習であっても、Oakleyのサングラスをかけた瞬間はいつもスイッチが入る。その意味ではヒーローへの変身アイテムと言えるかもしれませんね。今シーズン、勝負のときはこのOakley Katoをかけて集中して臨みたい。自分のパフォーマンスとOakley Katoでニューイヤー駅伝のようなインパクトを与えたいなと思います」

1986年生まれ。SGホールディングス所属。佐久長聖高校時代から世界のトップ選手として活躍し、東海大学では1年生から箱根駅伝に出場。3年生まで3年連続で区間賞を獲得。2013年よりマラソンに転向。2021年のニューイヤー駅伝ではエース区間の4区で14人抜きの圧巻の走りを披露。区間賞を獲得した。自己ベスト 5000m 13分13秒60/10000m 27分38秒25/マラソン 2時間08分58秒