洪水や山火事など、世界各地で起こる自然災害のニュースを頻繁に見聞きするようになった。日本に限っても、昨今は酷暑や豪雨に見舞われることが増えている。気候変動の深刻さを感じ、このままでは良くないのではないかと考え始めている人も多いのではないだろうか。
創業時から環境負荷を抑えたものづくりを続け、ビジネスの力で気候変動を逆転させることをミッションに掲げているAllbirds(オールバーズ)。Natural Run Collectionと名づけられたブランド初のパフォーマンスアパレルラインは、高い機能性を確保しながら、環境負荷を低減させることを追求したコレクションだ。

天然素材、リサイクル素材をベースにしたウェアを選ぶ、着ることはランナーにどんな恩恵があるのか。自然を愛し、走ることを楽しんでいる2人のランナーに、Allbirdsのパフォーマンスアパレルを纏って走り、考えてもらった。

Instagram: @a6ya._____
畠山彩さんは、オーストラリアやカナダで生活した経験があるアウトドアを愛するランナー。最近、神奈川県・稲村ヶ崎に住み始め、周辺の山や海岸を走るようになった。習慣にしているのが、走りながら山の中、ビーチのゴミを拾うこと。
「海洋学の研究をしている友人が、“それぞれが気づいたときにワンハンドでゴミを拾うようになれば、大きなイベントでゴミ拾いをしなくてもゴミは減る”という話をしてくれたことがあって。小さなことでも、一人一人の一つ一つの行動が自然を守ることにつながるんじゃないかと思ってゴミを拾うようになりました」
ロードよりもトレイルを走ることが多いという畠山さん。自然の中を走ることで、さまざまな発見があるのがトレイルランニングの醍醐味だと感じている。
「同じトレイルでも走る度に景色が違うんです。花が咲いた、草木の背が伸びたという発見をするのが楽しくて。その楽しい景色の中にゴミが落ちているとやっぱり悲しくなりますし、自然を壊したくないなという気持ちも強くなります」

2025年までに、すべての製品の75%に天然素材またはリサイクル素材を使用することを目標にしているAllbirds。そのウェア選ぶことはたとえ個人の小さな選択だったとしても、いずれ大きな波になるのではないかと考えている。そう、ゴミ拾いと同じように。
「一人だけだから意味がないなんてことはなくて、ランナーそれぞれが地球環境にやさしいものを選ぶことを意識して、それを周囲に伝えていけば、世の中が少しずつ変わっていくんじゃないかと思います」
この日着用したAllbirdsのNatural Runコレクションは、快適な着心地。日常的に着たいと思えるウェアだったようだ。
「メリノウールがブレンドされているからだと思うのですが、タンクトップもレギンスも肌触りがとても良かったです。私は冷え性で汗冷えもしやすいので、夏場でもウェアに気を遣うんですが、その点でも良かったです。今日も結構汗をかきましたけど、吸汗速乾性が高くメリノウール特有の暖かさもあって、汗冷えの不安がなかったですね。ポリエステル系のウェアだと汗冷えのリスクが高いんですけど、トレイルランニング中に冷えちゃうとパフォーマンスが落ちるだけじゃなくて、食べられなくなったりもするので……。レギンスはコンプレッションが適度で、着心地が良かったので普段着としても使いたいなと思いました」


畠山さんが、穿き心地を絶賛した〈Natural Legging〉と、下に着ている〈Natural Run Form Tank〉は、ユーカリの木の繊維とメリノウールをブレンドした軽量なジャージー素材を採用。天然素材特有のナチュラルな吸湿性、消臭性、体温調整機能を備えている。サポート力がありながら、体を締め付けることがないので、活用の範囲は広いはず。
上に着た〈Natural Run Tank〉はメリノウール、ユーカリの木の繊維をベースにしたメッシュ素材のタンクトップ。通気性、速乾性が高く、サラッと爽やかな着用感を実現している。

ログをやめたら、走るのがまた楽しくなった
器にアスリートの美意識を取り入れた、“アスリート陶芸家”として活動している山田翔太さん。長くトライアスロンにストイックに取り組んできたが、最近はトレイルランニングを中心に、楽しむことに重点を置いて走るようになったそう。
「タイムや月間走行距離を競う世界に少し疲れてしまって。ペースや心拍数の計測をやめて、ログも取らないようにしたら、走るのがまた楽しくなりました。以前は誰かに負けたくないから走る、速くなりたいから走るという感じだったのですが、今は走りたいから走っているという感覚です」

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400年以上の歴史がある茶道の世界。現在でも400年前の茶碗が残存し、実際に大切な場面で使われていることもあるそう。お気に入りの作家の器を買い大切に使うことは、サステナブルなのではないかと考えている。
「僕は、大量生産の安価なものを買って、飽きたら捨てるっていうのは嫌で。ちょっと高いかもしれないけれど、自分が魅了された作家の器を買うと、自然と扱いも丁寧になるんですよね。割れないように気をつけながら洗ったり、運ぶときに両手で持ったり。陶器はたとえ割れても金継ぎなどをして、直して使うという文化もあります。一つのものを愛でて使い続け、子どもや孫の代に残していく。昔は当たり前だったことなのかもしれませんが、サステナブルですよね」
好きな陶器を一つ生活に加えること、Allbirdsのアイテムを一つ身につけてみること。それは、生活が豊かになったり、自分が変わるきっかけになるのではないかと山田さんは言う。

「これは実際によくあることなのですが、花器を買ってそこに花を生けるようになると、花器を置く棚を片付けよう、部屋を掃除しようっていう変化が起きるんです。お気に入りの食器を買うと、食事にこだわるようになったりもします。一つの陶器が生活を豊かなものにしてくれることがあるんですよね。おそらくAllbirdsのアイテムにもそういう効果があって。地球環境に配慮した素材を使ったウェアやシューズで走るようなったら、自分が日常生活で出すゴミを減らそうとか、普段着もできるだけサステナブルなものを選ぼうとか、そういう風に考えるようになると思うんです」

地球環境に配慮した素材を使いながら、ランナーたちが十分なパフォーマンスを発揮できるよう機能性を追求している。だからこそAllbirdsのNatural Runコレクションは取り入れやすい。
「Tシャツもショーツも肌触りが滑らかで、着心地は軽やか。汗をかいたときにベタつく感じもなく、体も動かしやすかったです。化学繊維のウェアに比べて、機能が劣っているという感じは一切しませんでした」

山田さんが着用している〈Natural Run Tee〉は通気性に優れたメッシュ構造を採用。メリノウールのナチュラルな体温調節機能により、快適が着心地を実現している。ショートパンツの素材としては珍しいものだが、〈Natural Run Short〉にもメリノウールが使われている。軽量なうえ、ストレッチ性があるので、脚の自然な動きを妨げない。

屋外のアクティビティを存分に楽しめるのは、クリーンな山や海があってこそ。だから、それを守っていきたいという気持ちが二人にはある。


「トレイルランニングは、豪雨でレース中止が増えている印象があって、自然を守っていくためにはこのままではいけないのかなと感じています。私ができることは多くないかもしれませんが、ゴミを拾う、なるべく環境負荷の少ないものを選んで大切に使うというのは続けていきたいです」(畠山さん)
「特に夏は昔より暑くなっているなと感じていて、このままだといつか夏場は屋外でスポーツができなくなる可能性もゼロではないですよね。トライアスロンのレースがプールとローラーとトレッドミルで競うなんてことにならず、いま楽しめていることが10年後も同じように楽しめるように、できることをしていきたいなと思います」(山田さん)
私たち一人一人の選択によって、未来は創られる。豊かな自然を守っていくために、何を着て走るのかにも意識的でありたい。
