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サステナブルなギアをつくるアウトドアブランド、Cotopaxi(コトパクシ)のバックパックを背負い、高尾に住む櫻井洋一郎さんとローカルトレイルをめぐった。トレイルを愛し、アパレルメーカーで働く櫻井さんの目に、カラフルでサステナブルなバックパックはどの様に映ったのだろうか。

他エリアにはない、高尾山陵の魅力を探しに

昨年、コロナ禍のただなかに川崎から八王子市高尾に越してきた櫻井洋一郎さん。思うように山へも出かけられない日々のなか、思い立ったらすぐにフィールドに向かえるような環境に身を置いておきたい。そう思うようになったことがきっかけだった。

山に近くて都心部へのアクセスも悪くない街といえば、選択肢は限られてくる。高尾山域の魅力はなんといっても縦横無尽にトレイルが張り巡らされていること。高尾山というと混雑必至の観光登山を想像するかもしれないが、実は高尾山陵には魅力的なルートがもりだくさん。自分の体力や走力、季節や時間に合わせて、さまざまなルートの組み合わせを楽しむことができる。特に今回紹介してもらう南高尾山陵は、高尾山陵のなかでもハイカーが少なく、静かなトレイルランニングを満喫できるとか。

まずは高尾山口駅近くのMt.TAKAO BASE CAMPを出発し、ウォーミングアップをかねて梅ノ木橋までロードを進む。梅ノ木橋からトレイルに入り、稜線上の草戸峠に至る。急勾配も出てくるが、道はよく整備されているので歩きやすい。草戸峠まで上がったら草戸山方面へ南下する。トレイルはやや広くなり、ハイカーとの行き違いもスムーズだ。草戸山は標高高330m強の低山だが、要所要所で眺望の開ける場所が出てくるのがうれしい。草戸山から先は城山湖をかすめる散策路と一緒になるので、ウォーキングや散歩を楽しむ地元民が増えてくる。

「南高尾山陵へと続くルートは、距離もそこそこ稼げるのでトレイルランナー向け。マイナールートではあるのでそこまでハイカーも多くありませんが、ハイカーや他のランナーと行き違うときはスピードを緩めて声をかけて。お互いに配慮しながらトレイルを楽しみたいものです」

草戸峠から草戸山までのアップダウンを抜けると高層ビル群まで景色が広がる。

草戸山から航空神社、龍籠山展望台を経て龍籠山金比羅宮へ。さらに県道までくだる。途中、評議原の先はそれまでのスギ、ヒノキの人工林から一転、コナラやホオノキなどの広葉樹林が広がっている。紅葉シーズンはさぞ見事だろう。県道まで出たところで、今度は法政大学のジョギングコースをたどり、榛名尾根ウォーキングコースへ。権現平、草戸峠を経由しMt.TAKAO BASE CAMPに戻る、トータル約18.6kmのルートだ。

龍籠山展望台からは180度都心を見下ろすことができる。

川崎に住んでいたころは、「帰宅ランなどでいやいやロードを走っていた」という櫻井さんも、高尾に越してきてからは山ばかりを走っているとか。いまでは毎週のように「水曜高尾練」に参加し平日の夜にナイトランを楽しむなど、ローカルトレイルのあるライフスタイルを満喫している。初めてこの山域を訪れる人へのアドバイスは?

「道はよく整備されていて歩きやすいのですが、分岐がたくさんあってルートがやや分かりづらい。山と高原地図には南高尾や東高尾のルートも紹介されているので地図を持っての行動をおすすめします」

ワンデイハイクにおすすめのギア

そんなワンデイハイクに櫻井さんがピックアップしたのは、アメリカ・ソルトレイクシティ発のアウトドアブランド、Cotopaxi。この春、日本に上陸したばかりのこのブランドのコンセプトは、“Gear for Good”だ。アウトドア製品を通じて貧困に苦しむ人々や地域を支援すべく、厳格な行動規範を示すサプライヤーと協働しよりよいサプライチェーンを実現すること、発展途上国の労働者の自立を促すこと、製造における無駄を最小限に抑え、環境に配慮したものづくりを実践することなどを掲げている。

草戸山から望む城山湖

こうしたビジネス哲学は、創業者のデイビス・スミスが中南米各国で暮らした経験から生まれたものだ。幼少のころからアンデス山脈を構成するエクアドルのコトパクシ山でアウトドアアクティビティに親しみ、その一方で貧困を目の当たりにもした。大人になってアメリカに移り住んだデイビスは、アメリカとブラジルでいくつかのビジネスを成功させた後、かねてから抱いていた、「世界により良い変化をもたらしたい」という思いを実現するビジネスをスタートさせる。それがCotopaxiである。

「世界にひとつだけ」のカラーパターン

Cotopaxiの製品の特徴は(Re)Purpose™素材だ。これは他社の生産過程で生じた高品質な残布・端材を再利用するというもので、製造にまつわる無駄を省き環境への負荷をできるだけ抑えるための取り組みの一つだ。手に取るだけでハッピーな気分にさせてくれるカラフルなバッグパックはいずれも、(Re)Purpose™素材で仕立てられている。シーズンごとに残材を仕入れてデザインやカラーパターンを決め、残材がなくなったら生産を終了する。だから限定パターン、限定カラーという特別感がある。

左:TARAK 20L BACKPACK – DEL DÍA 右:LUZON 24L BACKPACK – DEL DÍA
手前左から、TRAVEL CUBE 10L – DEL DÍATRAVEL CUBE 2L – DEL DÍATRAVEL CUBE 3L – DEL DÍA
衣類や化粧品などの小物を整理するのに役立つTravel Cubeシリーズ。ラウンドジッパーにトップハンドル、側面はメッシュ素材で通気性が良く機能性も抜群。

「ファッション業界に携わる人間としては、ブランドの哲学を製品のビジュアルにきちんと反映している点もすばらしいと思います。サステナビリティや倫理的な生産背景というメッセージを伝えたうえで、『これを選ぶことで消費者も豊かな気持ちになれる』ということを表現しています。これからのものづくりは作り手によるメッセージの伝え方や見せ方が重要になると考えているので、そこにも共感しました」

櫻井さんが実際にトレイルで背負ったのは、(Re)Purpose™素材を使った「DEL DÍA」コレクションから、ファストハイクにもぴったりのLUZON 24L BACKPACK – DEL DÍA。大容量のメインコンパートメントはドローストリングで開閉し、左右にメッシュ素材のポケットが備わっている。ハイドレーション用ポケットが設けられていて使い勝手も上々。メッシュ素材のショルダーストラップは安定感があるのに軽量で、背負心地もいい。


メッシュ素材の超軽量ショルダーストラップ、調節可能なチェストベルト、ウエストベルトも商品ごとにカラーが異なる。左右にはメッシュ素材のボトル用スリーブポケットが配置されている。


背面のジッパーポケットはシューズも入る大容量。ハイドレーション用のスリーブポケットもあり、アクティビティにも適した仕様となっている。

「『世界にたったひとつのカラーパターン』というだけあって、バックパックのベースやポケットの素材はもちろん、ハーネスのベルトに至るまで素材や色が異なっていて、人とかぶりたくないというランナー、ハイカーにうってつけ。ハーネスもしっかりとした造りになっているので、ハイクからトレイルランまで幅広い用途に対応しそう。特にこのモデルは容量も十分にあるので、着替えも持参するようなワンデイのアクティビティにおすすめします」

櫻井さんが感じたのは、製品そのもののポテンシャルだけではない。エシカルに配慮したブランドの製品を使うことで、自らの行動や意識を振り返ることもできたという。

「ことさら環境を意識した行動をしているわけではないけれど、何気ない日常のなかで社会問題に思いを馳せてみることが人の行動を変えることにつながると思っています。たとえば僕自身、ゴミの分別を細かく指定する八王子市に越してきたことで、あらためて自分が出すプラスチックゴミの多さを反省するようになりました。なるべくプラゴミを出さないような買い物の仕方を意識したり、必要じゃないものは買わない・使わないように心がけたり。僕たち消費者のちょっとした意識が大きく社会を動かすこともある」

そのためには普段から少しでも社会問題を意識すること、何かを変えるという気持ちを持つこと、それから政治に無関心でいないようにすること。櫻井さんはそんなことを心がけているそうだ。

いまあらためて、エシカルを考えるきっかけに

“エシカルなものづくり”という言葉がトレンドのようになってしまっているが、本来、製品を作る上で環境や一部の労働者に負荷をかけないということは特別なことではなかったはず。それがいつしか、速く、安く、たくさん製造できることがよしとされる方向にシフトしていったことでさまざまな無理が生じてしまった。

「Cotopaxiのようにサステナビリティやエシカルとクオリティを両立させるブランドがもっと出てきてほしいですが、消費者もそういう作り手をきちんと評価する、そういう流れにならないといけないですよね。製造側の意識はもちろん、消費者もブランドの価値観や世界観、アイデンティティを評価するよう、意識改革を進めないといけません」

かっこいい、かわいい、安いだけがモノ選びの基準になっていてはなにも変わらない。消費者のマインドセットのために、ファッションやものづくりの世界から、たくさんの人に強いメッセージを伝えていかなくては。Cotopaxiから、櫻井さんはそんなメッセージを受け止めたようだ。

遠征先への移動におすすめなのが、ALLPA 35L TRAVEL PACK – DEL DÍA。スーツケーススタイルでメインコンパートメントは大きく左右に開くことができる。ベルト類は取り外し可能、機内持ち込みにも対応するサイズだ。アウトドアフィールドへのお出かけから1週間ほどの中長期の旅行まで様々な用途で活躍するだろう。

櫻井さんとめぐった南高尾のローカルトレイルコース。ハイカーが少なく、自然を静かに楽しみたいハイキングにも、トレイルランニングにもおすすめのコースとなっている。

櫻井洋一郎(さくらい・よういちろう)

櫻井洋一郎(さくらい・よういちろう)

トレイルランナー。長距離レースを主戦場に、数多くのレースやトレイルイベントに参加する100マイラー。9年前、当時打ち込んでいたサッカーのクロストレーニングとしてトレイルランニングを始め、現在に至る。本業はアパレルメーカー勤務で、ギアやツール選びにも独自の審美眼を発揮する。
Instagram:@saku5324

LUZON 24L BACKPACK - DEL DÍA


オンリーワンのカラーパターンのDel Díaコレクション。背面のシューズ用ジッパーポケットや左右のボトル用のスリーブポケットなど機能性を備え、軽量で耐久性が高いため、様々なアクティビティに適した仕様となっている。
販売価格:¥10,450 (税込)
サイズ:24L、420g
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