(文 飯島由美子 / 写真 村松賢一 動画 TOTAL TIME 00:33 記事最下段 )
トレーニングといっても、ひとりで黙々と走ったり、ジムで筋トレしたり、みんなでクラスに参加したり、そのスタイルや目的はさまざま。自分が今しているトレーニングは、正しい?一体どのようなトレーニングが効率的?トレーニングは生活にどのように取り入れるといい?
NIKE WOMENによる無料iPhoneアプリ「ナイキトレーニングクラブ(NTC)」のトレーニングメソッドを全国のイベントやクラスで発信し、“キツイのに楽しい!”と参加者に大人気のナイキマスタートレーナー・加藤さやかさんに聞いてみました。
異なるトレーニングに取り組むと、新しい発見がある
昔から身体を動かすことが好きで、運動会のリレーで一番になりたい!というような負けず嫌いな子でした。最初にハマったのはダンスですが、走ったり泳いだりも大好き。ずっとダンスや運動を続けたくて、ディズニーリゾートのダンサーとして就職したほど。NTCのインストラクターとして活動している今も、ダンスをしたり、趣味でランニングをしていて時々大会に出たり、ヨガで体を伸ばしたり、腹筋などパワフルなトレーニングをしたり。そうしていろいろやってみて日々実感しているのが、トレーニングに最も大事なのは「バランス」だなということなんです。
スポーツによって使う筋肉というのはそれぞれ違うし、その練習で見えてくる部分も異なります。
だからこそ、異なるトレーニングを幅広く行うと、自分の身体に新しい発見がある。
今しているメインのトレーニングにプラスして、自分が今まであまりしたことのないものにもチャレンジしてみると、必ず新しい気付きがある。それが効率的なトレーニングにつながるはずです。
いろいろな動きをして、いろいろな筋肉を使いながら、自分の身体を探っていくことで、「あ、この筋肉を鍛えると姿勢が良くなる気がする」というように、自分の身体のことがだんだんわかってくるんです。すぐには感じなくても、長い目で見ると、この「バランス」のあるトレーニングをしているかしていないかで、身体の使い方が違ってきます。
意識とやる気で、絶対に、身体は変わる
トレーニングでは体幹が大事、とよく言いますが、「体幹を使って」とか「体幹を鍛えて」と言われても、普通に生活しているときはよくわかりませんよね。 でも、例えば、プッシュアップで腕立てという動きをするとき、おなかのあたりが緩んでいると腕に負担がかかってキツイ、それが、おなかを使ってひきあげると身体が軽く感じる。そんな風に、NTCのクラスの中でも、実際にトレーニングしながら、「今、体幹が使われているのがわかりますか?」「ここをこう使うとやりやすいでしょ?」というふうにリードしていくと、みんなだんだん理解していけます。
おしりの筋肉ひとつとっても、足の上げ方をちょっと変えるだけで、使う場所が違うし、そこを鍛えることによる効果も違う。自転車を漕ぐときに「今日は内股を意識してみよう」とか、そうした小さな自分の意識で、筋肉って変わっていくんです。大切なのは、身体を感じようという気持ち。
もう年だから…などと言う人もいるけれど、この仕事をしていると、年齢は全く関係ないんだなということを実感しますね。私の生徒さんにもご年配の方がたくさんいらっしゃるんですが、自分の意識とやる気だけで、みるみるうちに身体が変わっていくのを目の当たりにしています。やるたびに発見もあるし、日々身体は成長する。絶対、身体は変わります。
みんなで楽しく!スポーツの偉大な力を感じて
NTCの私のクラスでも、ハードなワークアウトをしますが、やっぱりそれだけでは続かない。汗をかくのが気持ちいい!スカっとする!みんなでやると楽しい!そんなことを身体で感じとってもらいたいと考えています。楽しみながら、自分がもっと強くなったり、身体がシェイプしていくのを感じる。そうして、スポーツの力ってすごいなと思ってほしい。
クラスではみんな汗だくでヒーヒー言っているけれど(笑)、みんながいるから自分も頑張れるというのは大きいと思います。みんなで楽しく、というのもトレーニングを続けるには必要な要素のひとつですよね。
私がマラソン大会に時々出ているのも、海外旅行を兼ねてレースに出たりするのが楽しいから。
ゴールドコースト、サンフランシスコ、モンゴルなど、国によって大会の雰囲気も全然違って面白い。モンゴルでは優勝商品が馬一頭で、それを目指して地元の方々が本気で走っていたりするんですよ(笑)。緑の平原と真っ青な空だけの舗装もされていないような道を黙々と走るのも初めての体験で、とても新鮮でした。
そして、みんながいるからがんばろうと思えるのも大会ならでは。スポーツってひとりでがんばる部分と、みんなで楽しむ部分と両方味わえるからいいんです。
心と身体はつながっている。トレーニングが生活をつくる。
身体を動かすと、エネルギッシュになれますよね。トレーニングをすることで元気になる。トレーニングをすることで、もっと自分はこうなりたいという気持ちが芽生える。いい汗をかいてスッキリすると、身体も心もリセットされて生き返る。心と身体はつながっているから、身体を動かすことで、心にも生活全体にもいい影響があります。
食事も、もっといいものを身体に入れたいとか、生活のいろいろな要素につながってきます。トレーニングが自分の生活をつくっていく。私は誰がどう見ても肉食っぽいと言われますが(笑)、こう見えてベジタリアンなんです。食べ物を変えたら、以前より身体が動かしやすくなってびっくりしました。食べ物だけでもこんなに変わる人間の身体ってすごいなと思いますよね。
週一回程度でもいい。家の近くを軽く走ってみるだけでもいい。生活の中に、その人なりのトレーニングが存在することで、新しい自分に出会える。身体と向き合う、身体を感じる、すると、心が気持ちよくなる。生活が楽しくなる。そのハッピーな循環をひとりでも多くの人に伝えていきたいですね。
ナイキトレーニングクラブから体幹と下半身を強化するワークアウト
加藤さやか流ポイント:
ー姿勢をしっかりひきあげて行う
ー太ももやハムストリングなど大きな動きを起こす大筋群を意識する
ーランジする時はひざを前に出しすぎない。ひざの真下に足首が来るようにする。
ー横に足を出したとき、ひざとつま先は同じ方向。内股を意識して。