fbpx

(写真 谷口京 / 文 村岡俊也 / 協力 HOUDINI)

日本ではスリップストリームというランニングのラインで認識されている〈HOUDINI〉。その根幹にある思想は、自然と同調すること。では、そのためには何が必要なのか? 彼らが提案し続けているのは、心身の“気持ち良さ”だった。

“着心地”と環境意識を両立する〈HOUDINI〉のモノづくり

コア・コンフォート。スウェーデンのアウトドアブランド〈HOUDINI〉が掲げるモノづくりの根幹には、“着心地が良いこと”が常にある。いくら機能が優れていても、着心地が悪くてはベストなパフォーマンスを引き出すことはできないという考え方は、アウトドアの真髄を捉えているのではないだろうか。自己を解放することこそが、自然と同調することにつながる。創業者である女性クライマーのロッタは、そのことを深く知っていたのだろう。彼女はロッククライミングの最中、窮地に追い込まれると稀代の脱出マジシャンであったハリー・フーディニの名前を叫び、するとなぜか魔法のように岩を登ることができたという。その“魔法”をウェアに落とし込んだのが1993年、〈HOUDINI〉の始まりだった。

Vapor Tee ヴェイパー ティー
COLOR: Pale Blue/Spokes Blue    ¥10,800 (税込)
Trail Shorts トレイル ショーツ
COLOR: Ceylon Green/Pampa Green ¥12,960 (税込)

1枚の生地を作るのに、約70種類もの繊維を組み合わせているという代名詞的なフリース、パワーフーディーを始め、生地の厚みや伸縮性、カットなど、あらゆるディテールに至るまで、着心地の良さを追求している。女性デザイナーが多く在籍するブランドらしい、しなやかさを提案している。スリップストリームと呼ばれるランニングウェアのラインは、着ていることさえ忘れてしまうほどの感覚だ。

革新的な技術を用いるよりもむしろ、小さな積み重ねによって、普遍的な価値を生み出していく。すべてのウェアがリサイクル可能という高い環境意識と共に揺るがないスタイルを示すブランド。ただし、あくまで軽やかに。

ヤマケンを解放する〈HOUDINI〉の機能美。

ヤマケンことトレイルランナー山本健一が〈HOUDINI〉に出会ったのは、2012年。新しいウェアを纏って出場した100マイルレース、グラン・レイド・デ・ピレネーで優勝を果たす。「着心地の良さは、確実にパフォーマンスに影響する」とヤマケンが語るには、それだけの根拠がある。

「僕は追い込んでストイックにというタイプのランナーではなくて、気持ちいいことを追求しているんです。そのスタイルにぴったりと合っていることをピレネーで知りましたね」

そして、初めて着た時の着心地の良さに対する感動が、今も続いているという。さらに機能的であるだけでなく、デザイン性に優れたウェアを纏うことが、自分のモチベーションを上げる要因にもなると。「機能はもちろん、見た目も大事」と笑うヤマケンだが、精神の解放こそが、100マイルを走るためには必要なのだ。精神と肉体は常に同調していることを、〈HOUDINI〉は知っている。

【HOUDINI】
【HOUDINI ONLINE STORE】

  • Kenichi Yamamoto
    世界でもトップクラスのウルトラトレイルランナー。2008年に、日本で最も過酷な山岳耐久レース ⻑谷川恒夫カップ71.5kmにて優勝。2009年、ウルトラ トレイル デュ モンブランにて第8位入賞。2012年、100マイル耐久レース、グランド レイド デ ピレネーで勝利し、日本人として初めてヨーロッパのレースで1位を獲得したトレイルランナー。2013年、ヨーロッパで最も過酷な100マイル山岳耐久レースで2位入賞。2015年、フランスで行われたLʼechappee Belle(レシャップベル=華麗なる脱出)この壮絶なアルパインレースに参戦し、2位入賞。


  • トレイルランナー山本健一の活躍を支えるスウェーデン発のウェアブランド『HOUDINI』は、フリース素材のアンダーウェア開発のパイオニアであり、機能美を優先するデザイン哲学により、世界中のエクストリームスポーツアスリートの高度な要求に対応したスポーツウェアを開発し続けています。その経営方針は、自然環境に不可を与える生産を行わず、持続可能なビジネスを目指すというもの。全てのプロダクトは開発チームと、スポーツのスペシャリストであるHOUDINIフレンズによりテストが繰り返されています。トレイルランナー山本健一もそのHOUDINIフレンズの一員です。
    http://houdinisportswear.jp/