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(文 藤岡茜 / 写真 阿部健 / 動画 TOTAL TIME 01:04 記事最下段

ファッションモデルからヨギーニへ
サンフランシスコでのライフスタイル
 

高校生の時からファッションモデルをしていましたが、まるでブラックスワンのようにプレッシャーがすごいところだったので(笑)。私はあんまりファッション業界が合わなかったのだと思います。その頃、まだヨガブームになる前だったのですが、読んでいた本にハタヨガという言葉が出てきて、クラスに行ってみたらすごく気持ちよかったんです。「ああ、私はファッションモデルよりこっちの方が合ってるかな」と思ってのめり込んでいったんですね。仕事も大学を卒業したら辞めようと思っていたので、卒業して2002年からサンフランシスコに渡りました。向こうでは、自然療法やアーユルヴェーダというインドの伝統療法の勉強をしたり、漢方のクリニックで働いたりしながら、ヨガのティーチャーズトレーニングを受けました。そして、2005年からカリフォルニアでもヒッピーの聖地的な場所だったバークレーで3年くらいヨガを教えていました。サンフランシスコはアメリカの中でもヒッピームーブメントの中心だった地域。バークレーやオークランドはオーガニックやファーマーズマーケットに対する意識も高く、ヨガをライフスタイルとして取り入れている人達がすごく多かったんです。私自身も、スーパーでお野菜を買うことから、各地で週に何度も行われているファーマーズマーケットに行くようシフトしていきました。ベジタリアンやビーガンの方も、お肉やお魚を食べる方でも、地元の新鮮な食材を扱った様々なレストランがたくさんあったので、ハードコアなロハスというよりも楽しいライフスタイルを送っていました。多民族の地域でもあったので、色んな国の方々と触れ合えたのも良かったですね。

日常にコミットしたヨガ
less is moreと向き合える環境

ヨガに来る方の世代も幅広く、20代から50代の方からおばあちゃんや男性の方の割合も多く、インストラクターも何十年とヨガを教えている熟練者だったので、とても勉強になりました。バークレーは大学の城下町でもあったので、先生が海外出張の帰りなどに時差ぼけで眠れないとかで、着の身着のままの格好で来るんですよ、身だしなみなんか全く気にしない感じで。たしかにどんな格好でもヨガはできるんですよ。で、ヨガをして、「あー、すっきりした」と言って帰って行くような感じだったり、スニーカーのままでダウンドッグしたり(笑)。ほんとに普通の人が、体調が悪くなる前にヨガをしようという感じでしたね。当時、日本でヨガをされている方は、けっこう精神的な追求をされている方が多かったような気がしますが、アメリカではかなり生活に根付いている感じがしました。サプリメントとかヨガがアメリカでブレイクしたのは、保険制度の違いがあるんじゃないかという風に思っていて、まず、保険料が高いうえに保険を払っていても治療費が高いんですね。だから自分の身体は自分で守ろうとする予防医療の意識が浸透していて、普段食べるものとか、ハーブを採ることや、鍼治療とか、ヨガもそういうことを通じて自分の身体を整えることに意識的な人たちが多かったのだと思います。そんな環境だからこそ、自分にとって何が必要で何が不必要なのか、自分にとってのless is moreを当たり前に考えて見つけていく土壌があるのだと思います。

普段のライフスタイルの維持の仕方
ゼロになる時間を持つこと

今はヨガのインストラクターの他にも、通訳の仕事で海外や国内での出張が多く、忙しい日々を送らせて頂いています。ヨガで「サットヴァ」という言葉があって、ゆったりと穏やかで純粋な意識に触れるようなという意味で、まさにそのような生活がしたいんですけれども、なかなかそうはいかないですね。なるべく8時間は睡眠時間を取ったり、朝はヨガをしたり、アーユルヴェーダのマッサージをしたり、身体にいいものを食べたりと心がけていますが、それでも色んな人と会ってしゃべったりたりすると神経が疲れてします。そんな時は、何も刺激をいれない時間を作っていますね。私は体質的にもそんなに活性化する必要がないので、沈静化させるヨガのポーズや呼吸法をしたり、ポーズを長くホールドすることで神経を落ち着かせるレストラティブヨガをしたり、ヨガニードラという10分で1時間の睡眠の効果があるといわれているリラクゼーションの方法で、リラックスしています。あとはやっぱり、友達と飲みにいく時間も大好きです。バランスですね。

意識の面で気をつけていること=less is more
見栄を捨てることの大切さ

モデル時代はマネージメントなどをうまくコントロール出来てなかったのですが、今となっては、「来る話は自分が出来るから来るのだろう、与えられた時間の中でベストを尽くせば良いのだろう」という感じになってきて、完璧主義じゃなくなってきましたね。心配したり、過度に思いすぎない、何にもする必要がないときはダラーっとするようにしたり、気を遣わない仲間達とすごしたり、お化粧も撮影でしてもらう時は大事ですけど、そうじゃない時はあんまりしない。頑張る時は頑張るし、緩める時は緩めるみたいに、うまく分配が出来るような気がします。「頑張れ」って言葉は、日本人のマントラみたいになっているなと思っていて、頑張って他の人より努力することが一番優先とされているわけじゃないですか。受験に奮闘し、夜遅くまで塾に通う小学生とかね。私自身もすごく良いと言われている学校に行っていたのですが、今思うとどうなんだろうと思ったりもします。現在、ヨガジェネレーションというウェブサイトで講座のコーディネイトや通訳をやらせて頂いてるのですが、海外のヨガカンファレンスで活躍されている先生達と勉強していると、本当に良い先生方は、ポーズを教えるというよりも、本当のことしか言わないんですね。それはどういうことかというと、普通に生活していると人を喜ばせようとして言葉を出しちゃったり、本当は思っていなくても何となく適切かなと思って発言をしてしまうことがあるじゃないですか。日本語でも言霊という考えがありますけど、ヨガでは言葉はエネルギーそのものだと言われていて、「サッティア」という言葉があって、本当のことを、見栄を張らずに真っすぐに話すというのが、自分のエネルギーを漏らさないひとつの方法だと言われています。そういうこともあって、うちは10年くらいテレビが無いんですよね。今は情報過多なのでネットでも新聞でも情報が入ってきますし、自らコントロールしなくてはいけない時代だと思っています。でも出張とかでホテルに泊まると、テレビって面白いなぁと思いますけどね(笑)。

(TOTAL TIME 01:04 |動画 撮影 斉藤正隆)

 

サントーシマ香(さんとーしま・かおり)
ニューヨーク生まれ。ヨガに出会う以前は慢性的な悲観的傾向の持ち主だった、どちらかというと文科系女子。ヨガの楽しさを知り、心身の健康を取り戻した経験をもとに2005年よりカリフォルニア州バークレー市のヨガマンダラスタジオで教え始める。自分の中にある「あるがままのカンペキさ」を感じられなくなっている詰まりを、ヨガのポーズ、呼吸法、瞑想、アーユルヴェーダ等によって取り除き、その人の自然な笑顔が輝きだすのを手伝うガイドの役目をしたいと活動している。現在も一人の生徒である彼女は、継続的にヨガやアーユルヴェーダの研修のために海外へ渡航しており、オーガニック・ヨガウェアのプロデュース、ヨガ書籍・記事の執筆/監修、通訳、ヨガを通じての社会貢献などのプロジェクトにも積極的に参加している。
www.santosima.com

MINIMUS MT00
シューズ自体の機能を最小限に削ぎ落とし、はだしに近い履き心地を実現したフットウエア「NB minimus(ミニマス)」。本来人間の足に備わっている力を最大限に引き出した、less is moreを体現したNB minimusの新シリーズの「minimus00(ミニマスゼロ)」が今年の3月より発売されます。そのモデルのひとつである「MT00」は、徹底的にミニマルに仕上げたアッパーと、薄く軽量ながらハードユースに耐えるビブラムアウトソールを兼ね備え、効率的な走りへと導くオフロードタイプモデルです。

MT00(男性用) 価格:¥12,600(税込)
サイズ: D7-11,12(25.0-29.0,30.0cm) EE7-11,12(25.0-29.0,30.0cm)
カラー:ブラック&ライム、オレンジ、ブラック 重量:約130g
WT00(女性用) 価格:¥12,600(税込)
サイズ: B5-8.5(22.0-25.5cm) D5-8.5(22.0-25.5cm)
カラー:ライム、コーラル、ブラック 重量:約105g
2012年3月発売

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