fbpx

夏バテにさよならする、kazuya流ストレッチ・メソッド

暑さ厳しい折り、冷房病や寝不足、冷たいものの摂り過ぎで夏バテ気味という方も少なくないでしょう。そんなときは軽い運動で心身ともにリフレッシュしたいもの。ストレッチ効果の高いヨガのポーズで、身体の緊張をほぐしていきましょう。

今回、kazuya先生に教えてもらったのは、さまざまなヨガのアーサナの前に行うと効果的なストレッチ的要素の高いポーズです。背骨をゆっくりとほぐしたり、土台たる足首を意識的に緩めたり……、これらを行うことで関節がスムーズに動き、種々のアーサナを快適に、安定的に行えるようになります。

一連のポーズはkazuya先生のオリジナル・メソッド。アーサナへ知的にアプローチすることで本来の正しいアーサナを自然に習得していくのだと言います。ここでとりあげた一連の動きは、そうしたアーサナのウォーミングアップとしても効果的ですし、もちろん、夏の朝に身体をすっきり目覚めさせ、だるさを解消する一助にもなってくれます。ストレッチにフォーカスしたポーズは、痛みからついつい腹筋に力が入ってしまいがちです。筋肉を緩めた状態で行うことで柔軟な身体が得られるのですから、腹筋の力を抜きリラックスした状態を保ちましょう。

アシュタンガヨガにおいては早朝、「静寂の時間」にこそヨガをしようという考えがあります。早朝、それはつまり空気が澄んだひとときのこと。アシュタンガヨガと同じく深い呼吸を意識的に行うストレッチのポーズは、少しでも涼しく空気の済んだ時間帯、場所を選びたいもの。ゆったりとした呼吸で身体の隅々にまで意識を巡らせながら、一連の動きにトライしてみましょう。

■事例1■ タイガーポーズ(ヴィヤガラーサナ)

「僕のクラスではタイガーポーズ(ヴィヤガラーサナ)を大切にします。このポーズは全てのアーサナに通じるといっても過言ではありません。背骨に働きかけることはもちろん、前屈、後屈、バランスなど実にさまざまな要素を含んでいますから」。とkazuya先生は言います。まさに、お気に入りのウォーミングアップ・ポーズです。タイガーポーズにトライするなら、まずは正しい四つん這いのポーズから。肩の真下に両手首が、脚の付け根の真下に両膝があることを確認しましょう。

息を深く吸いながら胸を開いて顔を上げます。このとき、耳と肩の距離が広がり、ぐんぐん首が伸びていくようなイメージで。次に息を吐きながら頭を下ろし、背中と肩甲骨を天に向かって引き上げます。このとき背骨が一つ一つ伸びるよう意識します。頭を両腕の間に収めますが、首はすくめず、肩をあげないよう注意しましょう。トラが眠りから覚めて全身に力をみなぎらす様を、ゆったりした呼吸と動きで表現してみましょう。

■事例2■ 下向きの犬ポーズ(アド・ムカ・シュヴァナーサナ)のバリエーション

ヨギー&ヨギーニにおなじみの下向きの犬のポーズを、kazuya先生がオリジナルにアレンジしました。背骨〜ハムストリングをストレッチしつつ、肩甲骨周りの柔軟性を養う下向きの犬のポーズに、もうひと工夫。足の裏ではなく足の甲で身体を支え、足の甲〜すね全体を強くストレッチ。膝から下も心地よく伸ばしていきます。甲〜すねが硬い人にとってはかなりの痛みを伴うポーズとなるので、足踏みをするなど様子を見ながら少しずつ荷重をかけ、片足ずつ交互に行いましょう。このとき、坐骨は常に空に向かって垂直位置をキープすること。坐骨が下を向くと腰椎に負担がかかるためです。また、腕は地面に軽く触れるだけにしましょう。強くプッシュしたり、荷重をかけすぎないように。できる人は両手を体幹に引き寄せて、より深い前屈のポーズに。

kazuya先生いわく、「足の甲〜すねをストレッチすると、ハムストリングを傷めずに前屈ができるようになります」すねが硬くなると足の疲れやむくむが出やすくなると言います。日頃、ハイヒールを履き慣れている人、立ちっぱなしの仕事に就いている人は意識的にすねのこわばりを緩めるようにしたいものです。しなやかな膝下を目指して、さっそく実践してみましょう。

■事例3■ 足首のストレッチ

足首の柔軟性はスポーツ時にはもちろんのこと、日常生活でも大切です。特に畳ではなく椅子での生活スタイルが一般的になった現代では「しゃがむ」という行為が少なくなり、一昔前よりも足首の柔軟性が維持しにくいと言われています。なのに、股関節や膝裏は伸ばしても足首や足裏のケアは忘れがち。立位のポーズの土台となるパーツですから、じっくりと伸ばしていきましょう。

こちらは立て膝になって徐々に体重をかけ、足首〜足裏をストレッチするポーズ。下向きの犬のポーズでどうしてもかかとが地面に着かないという方にぜひ、試していただきたいストレッチです。足首が柔軟になれば、完全な下向きの犬のポーズだって夢ではありません。まず、立てた膝が足首と垂直になるように。そして地面に膝をつけた方の足は、足首をしっかり立てます。背筋をまっすぐ立てたまま坐骨を落とし、立てた足首の上に座るような気持ちで体重をかけていきましょう。足首の伸びを感じながら合掌、ゆっくりと呼吸を行ってください。左右の足を入れ替えて、もう片方も同様に行います。左右差もありますから、様子を見ながら荷重をかけていってください。

自分のペースで行う、ゆったりと深い呼吸

kazuya先生のクラスではアーサナへ知的にアプローチすることで本来の正しいアーサナを自然に習得していくのだと言います。ここでとりあげたポーズは、そうしたアーサナのウォーミングアップとしても効果的ですし、もちろん、夏の朝に身体をすっきり目覚めさせる一助にもなってくれます。

いずれにせよ、ストレッチにフォーカスしたポーズは、痛みからついつい腹筋に力が入ってしまいがち。筋肉を緩めた状態で行うことで柔軟な身体が得られるのですから、腹筋の力を抜きリラックスした状態を保ちましょう。

普段より呼吸を早めてアーサナを行うことでエクササイズ性を高めるヨガもありますが、本来のヨガとは「1分間あたりの呼吸はアーサナを行うごとに少なくなるもの」というのがkazuya先生の考え方。

「呼吸は筋肉や関節の緊張を緩め、身体の動きをスムーズにしてくれるものです。以前は『意識を向けたい部分に呼吸を向けて』とお話しましたが、今はゆっくりと深く呼吸を行えば、どんな呼吸でもいいと考えています。ウジャイ呼吸とか腹式呼吸とか、頭で難しいことを考える必要はありません」。

その考え方も、kazuya先生の進化のひとつかもしれません。

さあ、心と身体と呼吸の準備はできましたか? それではkazuya先生と一緒に、身体の隅々までを目覚めさせるポーズにトライしてみましょう。

【onyourmarkアーカイヴ Kazuya Yogaをもっと知れる!】
ヨガをはじめよう
正しいヨガポーズ

柳本和也(やなぎもと かずや)
1994年頃サーフィンを始め、日々のライフワークとなる。サーフトリップで何度も訪れているバリ島でヨガに出会い、悩みであった腰の冷えや怪我の多さから解消され、ヨガの素晴らしさに目覚める。帰国後、アシュタンガヨガの権威であるケン ハラクマ氏に師事。IYCティーチャーズトレーニング修了。2010年インドゴアにて、Rolf & marciに師事。2010年チャック&マティ ティーチャーズトレーニング終了。2012年RYT200修了。

2009~2012年 日本最大級のヨガイベント、ヨガフェスタ横浜にて講師を務める。2008~2012年 関西最大級のヨガイベント、ヨガスマイル(春・秋)にて講師を務める。2012年 日本最大級のチャリティイベント、ヨガエイドにで講師を務める。また、2013年2月にジャマイカで行われる、カリビアンヨガカンファレンスでは日本から唯一ヨガ指導講師として参加。

ヨガ指導の他、日本各地で様々なイベント・ワークショップ等にも積極的に参加し活動中。また、日本各地、海外でkazuya yanagimotoによるリトリートも開催。都内某スタジオでのインストラクターの方への講師も務める。

Udaya yoga studio主宰 http://udaya.jp
http://ameblo.jp/kazuyayoga
suria アンバサダー

(動画 上原源太 /写真 渡辺英守 /文 倉石綾子)