「日本人を速くするシューズ」として、アディダスから本日発売された「adizero TAKUMI」。靴作りの名工・三村仁司氏とアディダスが専属アドバイザー契約を結んで開発した初めての市販モデルとあって、発売前に紹介したonyourmarkのニュースにも、ランナーから多くの関心が寄せられました。
そして発売日である昨日から2週間の期間限定で、三村氏のモノ作りの真髄を体感できるコンセプトショップ、「ミムラボ 東京」がオープンしました。
シューズの発売を記念して、三村氏を招いて行われた記者会見の模様と「ミムラボ 東京」の内覧会をダイジェストでレポートします。
記者会見には、三村氏のほか、共同開発を担当したアディダス ジャパンの萩尾孝平氏が登場しました。両氏によると、「adizero TAKUMI」は、日本人特有のリズミカルで小刻みな走りを考慮した反発性のあるソールにこだわり、また本来は反発性に相反する安定性との両立をも実現したランニングシューズ。その開発には、42年に渡って靴作りの視点から、世界で活躍する日本人ランナーを支えてきた三村氏のこだわりが、徹底的に反映されています。
例えば優れたフィット感と通気性、軽量性を実現したアッパー部分の素材(ミムライト)は、三村氏から15回ものやり直しを要求されて、ようやく開発にこぎつけたものだそう。
開発話の後は、日本を代表するランナーとのトークセッションへ。
1980年代のマラソン界をリードし、現在は旭化成 陸上部監督を務める宗猛氏、バルセロナ五輪で4位に入賞した第一生命 女子陸上部監督、山下佐知子さん、中学時代に三村氏にオリジナルシューズを作ってもらったこともあり、世界大会のマラソン種目で史上最年少メダリストになったアディダス ランニングアドバイザー、市橋有里さんという錚々たるメンバーが三村氏を囲み、その功績を語りました。
山下さんによると、三村氏は、世界各地までマラソンコースの下見にでかけてコンディションを確認し、そのコースにふさわしいシューズを選手のために作ってくれたそうです。
会見の最後に三村氏は「ロンドン五輪ではこのシューズを履いて、日本人選手に金メダルを獲ってほしい」と語りました。「adizero TAKUMI」は、市販シューズとして一般ユーザー向けであることはもちろんですが、三村氏の言葉にある通り、プロ選手の足を支えるにも十分なクオリティのランニングシューズなのです。
ソールの薄さが特長でもあることから、まだ十分に足腰が鍛えられていない初心者ランナーには不向きかもしれませんが、フルマラソンを体験してきたシリアスランナーにとっては、さらなる記録に挑戦するための大切なパートナーとなる一足でしょう。
記者会見が行われた「ミムラボ 東京」は、この「adizero TAKUMI」を誰でも試し履きできるほか、兵庫にある三村氏の工房を再現し、シューズ作りに欠かせない匠の道具を展示。
また2Fのアラインメントルームでは、足の測定(アラインメント)を実際に行う様子やシューズ作りの行程なども見ることができます。
このショップは2月13日までの期間限定ですが、さらに2月5日までに、アディダス ランニング共和国に会員登録すると、抽選で三村氏による勉強会に参加でき、アラインメント(足の測定)を受けて、自分の足に合った世界でたった一足のオリジナルシューズを制作してもらうことができます。
詳しくはアディダスランニング共和国ウェブサイトまで。
匠の真髄を一般ランナーが体感できるまたとないチャンス、こちらの機会もぜひお見逃しなく。
ミムラボ 東京
期間:1月31日(火)〜2月13日(月)
時間:[平日]11:00〜20:00、[土日祝]10:00〜19:00
住所:渋谷区神宮前6-23-6 ティスモ原宿2
アディダスグループお客様窓口 TEL:0120-810-654(土日祝除く、9:30〜18:00)
(文 小矢島一江)