メディアと選手が一堂に会する特別な機会
今回のキャンプは、駅伝パックの紹介やNIKEがいかにしてアスリートの声を反映させ、プロダクトを進化させているかを伝えるために企画された。軽井沢の自然豊かでリラックスした雰囲気の中で、参加者たちがアスリートのトレーニングキャンプを追体験する貴重な場となった。
名城大学女子駅伝部からは米田勝朗監督、キャプテンの谷本七星選手と米澤奈々香選手がゲストとして招かれ、競技やトレーニング、シューズにまつわる具体的なエピソードを語ってくれた。
東洋大学陸上競技部(長距離部門)からは酒井俊幸監督、キャプテンの梅崎蓮選手と4年生の石田洸介選手が参加。
今年のEKIDEN PACKのテーマは松明
今年の〈EKIDEN PACK〉のデザインは大胆に炎があしらわれている。これは、第一回駅伝大会の際に松明の灯りで照らされた道を選手が走ったというエピソードにちなんだもの。ファイヤーパターンがあしらわれたデザインは、選手たちの士気を高めてくれるだろう。東洋大学の石田選手も「すごく新鮮ですし、何より目立つのが選手としては嬉しい」とコメントしていた。
ラインナップは、〈ナイキ アルファフライ 3〉、〈ナイキ ヴェイパーフライ 3〉、〈ナイキ ズームフライ 6〉、〈ナイキ ライバルフライ 4〉の4モデル。特に〈ナイキ ズームフライ 6〉は、ZoomX フォームの使用量を増やし、10%以上の軽量化を実現したという。
選手ごとに個性的なシューズの履き分け
今回のセッションでとりわけ興味深かったのが、選手のシューズの履き分けだ。シューズのバリエーションも増え、選手のシューズ選択にも個性が出てきていることが伺えた。
ランニングシューズの履き分けを考える場合、学生の場合は「ジョグ」「集団走・速いジョグ」「ペース走」「スピード練習」「(ロード)レース」「トラック」と大まかに分類できるという。ジョグ〜トラックまで段階的に強度が上がると考えてよさそうだ。
名城大学の谷本選手は安定感とクッション性を重視して、〈ナイキ ペガサス〉や〈ナイキ ペガサスプラス〉を履くことが多いという。リカバリーランでは6分/km〜4分/kmを切るくらいまで幅広いレンジで対応してくれるという。レースでは〈ナイキ アルファフライ〉を好んで履いているそうだ。
一方、米澤選手はペース走では、レースに近い感覚を得るためにレースシューズでもある〈ナイキ ヴェイパーフライ〉を履いている。名城大学の米田監督からは「30年前は大学男子のペース走のペースは4分/kmでした。でも今は、女子選手が3分45秒/kmで4000mから15,000m走るんです。シューズの進化と共にペースも上がってきているのが現状です」と興味深いコメントもあった。
東洋大学の梅崎選手の履き分けで面白いところはペース走やスピード練習に〈ナイキ ストリークフライ〉を入れているところ。「薄底なのでしっかり脚づくりができるという部分と、足裏の感覚を養えるので選んでいます」とのこと。酒井監督からも「梅崎の場合は速いピッチになった方が仕上がりが良いので、ストリークフライで作ってからアルファフライを履いた方が良いという面もあります」と面白い補足があった。
石田選手はジョグシューズとして〈ナイキ ボメロ〉を使用しているという。「ジョグはランナーの一番基礎となる練習です。ですから安定して走れる、故障を防げるということがシューズに求められます。ポイント練習やロング走といったきつい練習の後や翌日のジョグはすごくきついのですが、〈ナイキ ボメロ〉はクッション性が高いので身体的にも精神的にも助けになってくれます」
こうしてみると、選手が自分の身体と対話しつつ、怪我を防ぎながら最大のパフォーマンスを上げるためにシューズ選びにも真剣に取り組んでいることがよくわかる。
メディアが体感した「走る」魅力
一方、参加したメディア関係者は800m走とミニ駅伝に挑んだ。800m走では、名城大学と東洋大学の選手がペーサーを務めてくれるという贅沢な体験。自然と皆のペースもアップする。
ミニ駅伝は、800m走の結果を踏まえてチーム力がうまくバランスが取れるように6つのチームに分けられた。300mに設定されたトラックを周回するミニ駅伝は、大いに盛り上がり最後は東洋大学の梅崎選手が驚くようなラストスパートを見せてチーム〈プリフォンテーン〉が優勝した。
選手と参加者が一体となり、駅伝の楽しさを改めて味わえたメディアキャンプとなった。駅伝が盛り上がるこの年末年始、アスリートに刺激をもらいながら、ぜひ皆さんもランニングの喜びを味わってほしい。