2011年にイタリアのアルコで行われたフリークライミングの世界選手権。そこに参加し、見事優勝を果たした日本人、小林幸一郎さんは、後天的に視力を失った視覚障害クライマーです。
渋谷のuplinkでは、小林さんを追ったドキュメンタリー映画「CLIMB HIGH ~視覚障害クライマーの見てきたもの~」の上映会を開催。トークイベントのほか、ご本人を囲んだ立食の交流会も行われます。
小林さんは、NPO法人モンキーマジックの代表として、視覚障害の人も一緒に楽しむことのできるフリークライミングスクールを主宰しています。
「対戦相手や飛んでくるボールなどもなく、自らの動けるスピードで課題に対峙できる」フリークライミングは、視覚障害者に適したスポーツととらえられ、欧米では早くから各地の障害者支援・訓練施設・学校などでプログラムに取り入れられてきたそうです。(NPO法人モンキーマジックホームページより)
しかし日本においては、障害者とクライミングの結びつきは、なかなか知られる機会が少なく、この映画は普及への足がかりとしても、大切な意味を持つものになるでしょう。
今回の上映会は、見えない・見えにくい人も映像を分かりやすく楽しめる「音声解説」を、「虹とねいろプロジェクト」の協力の下に製作しています。
小林さんが世界一になるまでに“見てきた"ものとは何だったのでしょうか。
人間の本来持っているさまざまな能力、可能性を感じることのできるドキュメンタリー、上映会は3月6日です。
「CLIMB HIGH ~視覚障害クライマーの見てきたもの~」上映会
日時:3月6日(火) 19:00開場 / 19:30開演
料金:予約3,000円 当日3,500円 小学生以下2,000円 (各1Drink&軽食付き)
予約方法:このイベントへの参加予約をご希望の方は、 (1)お名前 (2)人数 [一度のご予約で3名様まで] (3)電話番号 以上の要項を明記の上、件名を「予約/CLIMB HIGH」として、 factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。
※視覚障害者の方で、駅からの誘導をご希望の方はその旨をご記載下さい。
小林幸一郎(こばやし こういちろう)
フリークライマー / NPO法人モンキーマジック代表理事
■略歴
1968年東京都生まれ。16歳でフリークライミングと出会う。
大学卒業後、旅行会社、アウトドア用品販売会社を経て33歳で独立。
28歳のとき、「網膜色素変性症の類縁疾患、錐体桿体(すいたいかんたい)機能不全」という目の難病が発覚。「将来失明する」という診断に失意の日々を送るが、その後様々な出会いから、現在の活動まで至る。
2005年 NPO法人モンキーマジックを設立(同年、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ登頂)
2006年 「パラクライミング選手権」視覚障害者男子部門優勝
2011年 イタリアで開催された「ワールドチャンピオンシップ」視覚障害者B2クラスで優勝
現在、視覚障害者と健常者を対象に、フリークライミングの普及活動を行っている。
(文 小矢島一江)