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悩めるランナーの駆け込み寺。
痛みの原因を根本から解決!

編集部女子チームが、カラダを張って話題のトレーニングをレポートする「あのトレーニングをやってみた」のスピンオフ的なノリで、先日、名古屋マラソンに出場し、42.195kmを走ってみた小矢島です。
その初マラソンの模様は、こちらのレポートをお読みいただきたいのですが、実はレース前、深刻な膝の痛みに悩まされ、整形外科に駆け込みで診察してもらったんです。
そのときのリハビリ体験が自分にとって本当にいいものだったので、ぜひonyourmarkでシェアしたいと思います。という訳で今回は「リハビリによるマラソンフォーム改善」をレポートします!

ことの発端は名古屋マラソンの2週間前。奇しくも世間は東京マラソンで盛り上がっている2月26日のことでした。本番前の最後のロング走(25km)を行うべく駒沢公園を走っていた私は、左膝裏の鈍痛に耐えきれず、8km付近で走ることを止めてしまったのです。
トレーニングを初めて3ヶ月弱。最初は気にならないくらいの痛みだったのですが、走る回数を重ねるごとに、いつしかどんどん悪化していて……。
よもやリタイアの危機と神妙な面持ちで診察してもらったのが、麻布十番にあるプライマリ整形外科でした。
レントゲンの結果は異常なし。「キレイな骨なので走ること自体は問題ありませんが、痛みを感じるということは、負担がかかる走り方をしているからだと思います。この後、リハビリを受けてみませんか」
その先生の一言で通されたのが、病院内にあるリハビリスペース。登場したのは理学療法士の狩谷肖美さんでした。

リハビリスペースはまるでスポーツジム

リハビリスペースとはいっても、自然光の入る開放的な空間には、バランスボールやピラティスに使われるような器具等、カラフルなアイテムが配置され、まるでスポーツジムの一角のよう。
狩谷さんは、この道10年、姿勢改善や身体の使い方を専門に学び、プライマリ整形外科の寺尾院長と連携しながら、機能の回復・改善を目指すリハビリ/リコンディショニングを指導してきた方です。
狩谷さん曰く、「レントゲンを撮って問題ないと言われると、油断してそのまま走り続けて、悪化させてしまう人が多いんです。ランニングは生涯スポーツと言われるのに、走るたびに痛みを感じて悪化させていては、元も子もないですよね」
確かにおっしゃる通りです。
私の場合は、フルマラソン本番まで10日足らずというタイミングだったので、まずは応急処置的に、この日の30分のカウンセリング+翌週の1時間のリハビリで対策をとることになりました。

身体のクセを探ることからスタート

最初のカウンセリングでは、どういう身体の使い方をしているのかクセを見ることからスタート。
まずは鏡の前に立って、片足立ちをして屈伸をするよう言われ、右足、次に左足と言われた通りに身体を動かします。
自分では左右同じようにやったつもりでしたが、3回目の左足の時に、「はい、そこで止まって」と言われて見てみると、膝が身体の内側に入っていることを指摘されます。
その後、歩いたりジャンプをしたりといった基本動作で、筋肉の使い方をさらにチェックし、痛みの強い膝裏のマッサージや、腹筋を使うことを身体に覚えさせるためのエクササイズをしてこの日は終了しました。

ランニングシューズに魔法をかける

翌週、マラソンの3日前に1時間の予約を取って再び狩谷さんの元へ。前回言われた通り、本番に履くランニングシューズを持参しました。
私のランニングシューズの履き方をチェックした後、左足のシューズの中敷を引っ張りだした狩谷さん。何やらぶつぶつ考えながら、2mm厚くらいのゴム製のシートを三角や四角にちょっとずつ切って、中敷の裏側、合計4カ所に貼付けます。
狩谷さんに促され、再びシューズを履くと、それまで少し空間に遊びのあったシューズがしっかり土踏まずにフィットして、安定感がぐっと増していました。
「土踏まずに対する中敷のフィット感はとても大事です。それだけで解決する訳じゃありませんが、フルマラソン等の長い運動の時、筋肉が疲れて走れなくなっても、土台がしっかりしていれば自然と足が前にでますよ」
ふーん、なるほど!

正しい動きを身体に覚え込ませる

続いて前回同様、左膝裏の痛いところを重点的にマッサージしてもらいます。
マッサージは、負荷がかかって疲労した筋肉を緩めるという意味で効果が高いそう。
「マッサージだけで走り方が改善される訳ではありませんが、筋肉のハリをとって、一度フラットな状態にすることが重要なんです。キャンパスを一度白くしてからその上に色を付けるのと同じように、一回、筋肉の疲労を減らしてあげて、そこからいい方向を身体に覚えさせるというイメージですね」
その後は、正しい動きを身体にクセづけるエクササイズを、狩谷さんのカウントに合わせて10セットずつ行います。
正しい動きとは、背筋がすっと頭のてっぺんまで伸び、腹筋とお尻の筋肉に力が入り、自然に足が前に出るような状態のこと。このように上体に力を入れることで、足の力はそんなに頑張らなくても、勝手に軽く動いてくれるようになるそうです。
もし上体の力が抜けた状態で走ると、身体の重みが全部足にのってしまい、バタバタ走る感じになるそうなんですが、私の今までの走り方がまさにそれ!
「上体の力を抜いて、足の力だけでドタドタ走っている人は、走っていても痩せないわ〜とか、足が太くなるわっていう人が多いのですが、それは身体の使い方が悪いんですよ」
実は私、左足が右足に比べて太いんですが、まさか長年の歩き方や走り方に原因があったとは!これには目から鱗が落ちる思いでした。もう絶対ドタドタ走りは止めてやると心に誓った瞬間でした。

もちろん走るフォームや痛みの原因は人それぞれですので、診察やリハビリ方法も人によって異なりますが、私の場合はこうして1時間半のセッションが終了しました。
さて肝心のフルマラソン当日ですが、この応急処置のおかげで、足の痛みは悪化することなく、無事に完走することができました!
ただ、無意識にランニングのフォームが変わるまでには少なくとも2ヶ月、できれば3ヶ月は週に1回通って欲しいそうです。
リハビリによるランニングフォーム改善、もし走ることで身体の痛みを感じている人は、選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。

今回のメニュー
リハビリ(ランニングフォーム指導)30分+60分
プライマリ整形外科 麻布十番クリニック
腰痛や肩こりなど、今現在感じている痛みを解決するだけでなく、痛みの原因の改善 / 再発予防といった、痛みの出にくい身体作りのサポートを行っているクリニック。ランニングフォーム改善もその1つ。
http://www.po-ac.jp/

(イラスト 鈴木仁/文 小矢島一江)

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