2016年夏に開催される4年に一度のスポーツの祭典。この世界大会での活躍を目指すトップアスリートを紹介したい。インタビューのテーマは、”リミッターが外れる瞬間とはー”。大舞台でこそ、最大限のパフォーマンスを要求されるトップアスリートならではの体験記をお届けしよう。
「常にコンディションを整えて強い気持ちで、一試合一試合を楽しむ。そうすることでミスを恐れず、積極的なプレーができるんです」と語るのは、スイス・スーパーリーグのBSCヤングボーイズで活躍するプロフットボーラーの久保裕也選手。
高い精度を誇るシュートとトラップ技術、圧倒的なスピードは、厳しいトレーニングの賜物。昔はトレーニングも遊び感覚だったというが、「厳しい環境でもまれて考え方がシビアになったし、いい意味で勝ちへのこだわりが強くなりました」。試合後は何ができて、何が足りなかったか、自分のプレーを冷静に振り返る。真摯に自分と向き合うことが、よりよいパフォーマンスにつながる。
「自分の状態はベストでもチームが勝てないこともあります。それは仕方がない。でも、チームの状態がいいのに自分らしいプレーができないという状況は歯がゆいですよね。だから試合には、メンタルもフィジカルも最高の状態で臨みたい、自分がチームを引っ張っていきたい。そのためのトレーニングです」
試合のない日は、チームとして行うゲーム形式の練習のほか、フィジカルトレーニングにも取り組んでいる。トレーニング時もオフの日も「ほとんど同じものを着ている」という久保選手に必要なのは、機能性と動きやすさを兼ね備え、なおかつ私服としても着られるようなファッション性の高いウエア。ぴったりと身体にフィットして筋肉をサポートし、かつどんな動きも妨げないタイツは、久保選手のお眼鏡にも適ったようだ。
シーズンの残り半分を最高の形で終えるため、そして、U-23日本代表として今年リオで開催される世界大会アジア予選を突破するため、自らの限界に挑む若きアスリート。最強のウエアに身を包み、久保選手の挑戦は続く。
久保裕也(くぼ ゆうや)
1993年、山口県出身。中学を卒業後、スカウトされ京都サンガF.C. U-18に入団。高校2年次にはJリーグユース選手権に出場しベスト4進出を果たす。翌年、プロリーグに初出場、初ゴールを記録。高校卒業後、京都サンガF.C.トップチームに昇格。2013年よりBSCヤングボーイズ所属。今シーズンは開幕からスタメンに定着している。昨年3月はU-23日本代表として2試合に出場。