発表からわずか1年あまり。世界のレースで数々の実績を残し、多くのアスリートからの賞賛を浴びた〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%〉。東京マラソン2018においても設楽悠太選手のマラソンタイム日本新記録(2時間6分11秒)に貢献した。あまりの人気のため、未だ幻のシューズとなっており、実際に足を入れたことのある読者もまだ少ないだろう。その〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%〉が、アッパーにフライニットを採用してアップデートされた。その名も〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット〉。
フライニットを採用した〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット〉
8月24日、この新作シューズのグローバルローンチが米国ポートランドにあるナイキのヘッドクォーターで行われた。舞台となったのはナイキ・オレゴン・プロジェクトの練習の本拠地でもある〈マイケル・ジョンソン・トラック〉。トップアスリート向けの最速シューズの発表にぴったりの場所だ。メディアに配られた〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット〉を手にしてまず気づくのは、その圧倒的な軽さ。厚いソールユニットからは想像もできない手応えは、〈ナイキ ズームXフォーム〉の軽さとフライニットによるものだろう。そして足を入れ、伝説の〈マイケル・ジョンソン・トラック〉のタータンを駆けてみる。スピードをあげるとグッと前へと押し出されるような推進力を感じる。跳ね返るというよりも、腰のあたりから前へと押し出されるような感覚だ。最大85%のエネルギーリターンを実現する〈ナイキ ズームXフォーム〉と、カーボンファイバープレートによるコンビネーションによって生まれる効果だろう。発表当時のナイキの最速レーシングシューズと比較してランニングエコノミーを平均で4%高めているという。これがアスリートを魅了する推進力かと納得した。
ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット ¥26,000+税
9月9日の発売に先駆け、9月5日より数量限定でNIKE.COMにて販売
ソールユニットの大幅アップデートを行った〈ナイキ ズームフライ フライニット〉
あわせて発表されたのが〈ナイキ ズームフライ〉のアップデート。こちらもアッパーにフライニットを採用して〈ナイキ ズームフライ フライニット〉となった。ただ、こちらで見逃せないのがソールユニットのアップデートだ。フォームには柔らかさと反発性を併せ持つナイキの最新フォーム〈リアクトフォーム〉が採用されている。さらにこれまでナイロンプラスチック製だったプレートも、4%と同じカーボンファイバーに変更されている。このソールユニットの組み合わせによって、これまでの〈ナイキ ズームフライ〉とは全く別物のシューズと言っても過言ではない仕上がりになっている。より、4%のフィーリングに近づいたモデルといえるだろう。多くのランナーが手にすることのできるであろう〈ナイキ ズームフライ フライニット〉のソールユニットがアップデートされたことの意味は大きい。
ナイキ ズームフライ フライニット ¥16,000+税
10月4日からNIKE.COMおよび一部の店舗にて発売
東洋大が〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4% フライニット〉を履いて
米国レースHOOD TO COASTで優勝
今回のローンチには2018年箱根駅伝で準優勝した東洋大学陸上部の精鋭14人も参加した。目を輝かせながら新シューズを受け取った選手たちは、〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4% フライニット〉がより軽くなったこと、〈ナイキ ズームフライ フライニット〉が、よりポイント練習に活かせること、本番シューズである4%にシームレスに繋いでいけるシューズであることなど、口々に感想を漏らしていた。
そして、彼らがポートランドを訪れた一番の目的は〈HOOD TO COAST〉というレースに参加することだった。日本では聞きなれないが、地元ポートランドではTV報道もされるほどポピュラーなこのレース、かなりユニークなのだ。
起点となるのはオレゴン州を象徴するフット山。ここから太平洋までの199マイル(約318キロ)を36の区間に分けてリレーする。チームは12名なのでひとり3区間をローテーションしながら走ることになる。速いチームでも役17時間以上、一般的には2日がかりのレースとなるが、チームメンバーは用意したバンに乗り込み先回りしながらレースを続けるのだ。新作の〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4% フライニット〉を履いて実際にレースを走るのはこの東洋大学の選手たちが最初となった。