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2020年3月は、東京オリンピックに向けた選考レースのピークとなった。それは、日本だけに限らない。東京マラソンに先駆けてアトランタで行われた一発選考の東京五輪マラソン全米選考会ではゲーレン・ラップが2時間9分20秒で優勝、2位のアマチュア選手ジェイク・ライリー、3位のアブディ・アブディラマンの3人が代表権を得た。

そしてご存知の通り、東京マラソンでは、大迫傑が2時間5分29秒の日本新記録でMGCファイナルチャレンジ第3枠を獲得。さらに、一山麻緒が名古屋ウィメンズマラソンでみせた国内レース最高タイム2時間20分29秒の快走によって、オリンピックの出場権を得ることとなった。

さて、ここに列挙したアスリートに共通することはなにか?おわかりだろう、それは全員が〈NIKE AIR ZOOM ALPHAFLY NEXT%〉を履いていたということだ。

クッショニングとエネルギーリターンを
高い次元で両立

ここで、〈NIKE AIR ZOOM ALPHAFLY NEXT%〉のアップデートを確認してみよう。注目ポイントは前足部に組み込まれた2つのナイキ・ズーム・エアポッドだろう。エアはNIKEを代表するテクノロジーであり、すでに成熟したものでもある。開発者はその特性をよく理解しており、その反発性を自在にコントロールできる。

NIKEのアドバンスト イノベーション チームのメンバーであり、自らもアスリートであるキャリー・ディモフ(下の写真でエリウド・キプチョゲ選手にシューズを手渡している人物だ)は、次のように語る。

「プレートとフォームをシステムとして理解し、このシステムをさらに効果的に使う方法を考えました。そこから、ランナーのエネルギーを蓄えて戻し、より多くのクッショニングを提供するためにナイキ ズーム エアを付け足すアイディアが浮かびました」

これらのテクノロジーを組み合わせるにあたって細心の注意が払われている。エアポッドを2つ並べるために、プレートの幅はやや広くなった。そのプレート自体もシューズサイズに合わせて硬さが微調整されているという。ズームXソールはクッショニングを高めるために厚さを増しているが、それによって安定性を失わないように、接地面に向けて裾広がりのデザインとなっている。一見、“全部盛り”に見える大胆なデザインも、実は細かなチューンアップを経て成り立ったものなのだ。

薄底から厚底に履き替えた時と同じくらい
足入れの感覚は違った−大迫傑

東京マラソンを終えて、大迫は〈NIKE AIR ZOOM ALPHAFLY NEXT%〉について次のように語ってくれた。

「クッション性はすごくあがりました。ズームが入ったので反発が今まで以上にあがっている。地面を叩いた分跳ね返る。ロスがいままでより少ないと思います」

やはり最初にあがるのは、エネルギーリターンに関することだった。

続けて「3週間前から履いていましたが、薄底から厚底に変えた時くらい、足を入れた感じは違いました。でも、慣れるまで時間はかかりませんでした」とその感覚の新しさを訴えた。

このシューズを履いて結果を出したのは、大迫や一山だけではない。東京マラソンの上位10人のうち実に4人が〈NIKE AIR ZOOM ALPHAFLY NEXT%〉を履き、残りの6人も〈NIKE ZOOMX VAPERFLY NEXT%〉を履いていた。

人類で初めて1マイル4分の壁を破ったロジャー・バニスターの後に多くの選手が続いたように、心の壁を越えることが記録更新に繋がる。シューズのテクノロジーが選手を助けたことは間違いない。だが、何よりも大きかったのは、これらのシューズを履けば、“自分自身の記録を破ることができる”、“心の壁を取り払うことができる”とアスリートが信じることができた、ということではないだろうか。