2022年4月6日、新国立競技場で初めてとなる一般ランナー向けのランニングイベントが開催された。オリンピック・パラリンピックのために建設された新国立競技場は、当初トラックを撤去して球技専門の競技場とする方針だったが、昨年政府がトラックを存続させる方針を示していた。これは陸上競技ファンやランナーにとっては歓迎するべき方針転換だろう。
そうしたこともあって、今回の一般ランナー向けイベントにつながった。主宰したのは伸縮テーピング(キネシオロジーテープ)の元祖〈New-HALE®️(ニューハレ)〉。といってもランナーにはテーピングのニューハレといえば通りがいいだろう。膝などの形状に合わせ独自にプレカットされた便利なテーピングはトレイルランナーを中心に愛用者が多いが、今後はロードランナーに向けても訴求していきたいと考える同社が目をつけたのが、新国立競技場でのランニングイベントだった。
New-HALE代表の芥田晃志さんは「ランナーが怪我なく走り続けられるように貢献したい」と語る
イベントの内容はというと、10km(トラック25周)のペース走で、参加者の走力によって4:00/km 、4:15/km、4:30/km、5:00/km 、5:30/kmのペースが選べるようになっており、初心者向けにはファンランのコースも用意された。
国立競技場でのペース走といえば、往年のランナーにはトレーニングジムの使用料を払えば参加することができた〈激走ランニング〉が懐かしく思い出されるかもしれない。今回も当時を思い出させるようなランナーの一体感が感じられるイベントとなった。
新国立競技場に実際に立ってみると、ここで生まれた数々のドラマが思い出される。スタンドを見渡すと、カラフルに色分けされているため、無人であっても観客がいる様が想像できる。トラックはやや固めという声も聞かれたが、まっさらな新しいレーンを走ることの喜びを存分に感じられた。
トラックの存続により、今後もランナー向けのイベントが開催されるであろう新国立競技場。新しいランニングの聖地としての役割に期待したい。