秋は新色の季節
例年、ランニングシューズにとって秋はニューカラー投入の時期。気温が下がる一方で、ランニングのモチベーションはグッと上がるこの季節に、今年も各社から続々と従来シューズの新色が発表されている。特にナイキはカラー戦略が鮮明だ。記憶に新しいのは昨年のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で鮮烈な印象を残したピンクの〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ ネクスト%〉。日本中が注目するレースのイメージカラーを足元で決定づけた。そのMGCからちょうど一年後にリリースしたのが今回のブライトマンゴーとなる。
実際のブライトマンゴーの色合いは?
最近のランニングシューズの色合いは微妙なトーンが多く、広告写真ではなかなかリアルな感触を得られないこともある。今回のブライトマンゴーは、名前のごとくトロピカルな明るいオレンジだが、実物を手にしてみるとピンクがかった印象。蛍光色でもあり、レースで履くことができれば、かなり目立つことは間違いないだろう。
カラーとモチベーションの関係
今回の新色発表では大迫傑選手と鈴木亜由子選手が登壇。カラーが気持ちに与える影響や、シューズの履きわけ、オリンピックへ向けてのモチベーションなどを語ってくれた。
まずはブライトマンゴーというカラーについて。
大迫選手:カラー的にはさわやかで、僕のウェアはいつもシンプルなんですけど、それに映えるので良いなと思っています。
鈴木選手:赤や暖色系のカラーが個人的には好きなので、非常にモチベーションが上がるカラーだと思っています。
コロナを受けてレースが中止になっている現状で、トップ選手のモチベーションは保たれているのだろうか。
大迫選手:休める時間があって良かったなと感じていて。実際のところ、MGCを走って、東京マラソンを走って、その前にもMGCに出るために選考レースを走らなくてはいけなくてというところで、ちょっと大会が続いていた。このまま8月に東京五輪でマラソンがあったら、ちょっときつかったな、というのが正直なところだったので、心身ともに余裕を持てる時間があったというのはぼくにとってはプラスだった。その上で、もう一年しっかり準備する期間があって、今以上に強くなれる可能性があると思う。来年の五輪に向けて、より強い自分を出したいという、そういうモチベーションで頑張っています。
鈴木選手:MGCは苦しい走りというか自分にとっては課題の残る走りだったので、それが来年へのモチベーションになっています。去年の自分を超えて、勝負できる状態で、来年しっかり走りたいと思っています。
モチベーションが全て
最後に両選手から、モチベーションの重要性に関する気持ちを聞く機会があった。メディアから「モチベーションがないときに勝つことはできますか」という質問があがったのだ。
大迫選手:モチベーションがないと何もできない、という話ですね。質問自体がナンセンスで、僕がアメリカにいくのにもケニアに行くのにも勝ちたいというモチベーションがあったから行ったのであって、そもそもモチベーションがない選手っていうのは同じ土台に上がれないと思います。
鈴木選手:全てはモチベーションから生まれると思っていますし、モチベーションがなくても勝たなきゃいけない状況なんていうものはなくて、モチベーションがなかったら勝てないし負けるよって、ただ単それだけだと思います。
当然のことだが、才能に加えて強いモチベーションを持つものだけが最高の舞台に挑むことができる、という事実を改めて目にする機会となった。