『体脂肪計タニタの社員食堂』の大ヒットから火のついた、社員食堂レシピ本ブーム。ベストセラーに続けとばかりに、栄養士さん監修のレシピ本は、幼稚園・小学校給食、大学カフェテリアなど様々な場所に飛び火して、趣向を凝らした書籍が数多く出版されるようになりました。この秋の新刊の中に、onyourmarkユーザーにもピンと来そうな"体育会系レシピ集"を発見!さっそく読んでみました。
早稲田競走部の「一汁三菜の献立」は、
1、まず、メインのおかずとなる主菜を肉にするか魚にするかを決めます。
2、次に副菜(大)と副菜(小)を決めます。
3、汁物を決めます。
4、季節のフルーツを決めます。
5、牛乳は定番です。
第87回箱根駅伝総合優勝、2011年関東インカレ総合優勝など、活躍を続ける早稲田大学競走部(陸上競技チーム)。その強さを食事面から支えていると監督も太鼓判を押す栄養士、福本健一氏による「おいしい寮めし」140種を収録したレシピ本。「主菜+副菜・大+副菜・小+汁物」の一汁三菜の定食を作るため、とても分かりやすく整理されているというのが第一印象です。奇をてらった料理はほとんどなく、いつもの材料で作れるものばかり。和食が中心ですが、男子学生もガッツリ食べられるメインディッシュが多いのも好印象。
普通の定食レシピ本としてもかなり役に立つ内容なのですが、「アスリートの寮めし」をうたうだけあって、データや栄養素の表記を随所に配し、食事による体作りや疲労回復についての解説が豊富なのが面白いところ。箱根駅伝の前夜の夕飯、当日の朝食メニューを解説した「勝負めし」のページは、マラソン出場予定のあるランナーのみなさんにも参考になりそう。
特に興味深かったのは、寮で人気の定食を5つ取り上げ、その献立の「狙い」や「期待できる効果」などを、丁寧に解説した特集ページ。栄養士さんの理論と愛情に裏付けされ食事の数々には頭が下がるばかりです。
寮で暮らす学生たちからの率直な感想や、「寮めし」だけあって60人分の調理のコツ、駅伝豆知識など、読み物として面白いコラムも盛りだくさん。まさに1冊でお腹いっぱい楽しめること請け合い!食事と体作りの関係について考えてみる入門書としておすすめです。
(文 佐藤美加)