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冬のはじまり。
いつもTシャツのおじさんもダウンを着るようになってきた。

すれ違う人と“Happy Holiday”と言い合う感じがとても温かい。お正月よりもクリスマスがメインのアメリカは、1月になってもツリーやリースが飾られたままになっている。この分だともう少しホリデー気分は続きそうだ。

家族や友達と過ごせる楽しいこの季節。1年の疲れがどっと出て体調を崩す人が多くなる時期でもある。そこで、今回は身体の自然治癒力について話してみようと思う。

日本では風邪をひけばすぐに病院に行き、即効性を求め薬や栄養ドリンクに頼ってしまうことがほとんどだった。予防といえば手洗いうがいくらい。

けれど、サンフランシスコでは少し違う。医療費が高いせいか、多くの人が病院ではなくまず薬局を利用する。そして病気になる前の予防に力を入れることが習慣づいているように思う。

日頃からサプリメントで身体の中の足りないものを補っていたり、歯に関しても子どもの頃から予防検診を定期的に受ける習慣がある。

私たち日本人にとってはアメリカの薬は常用するのには少し強過ぎる。できるだけ薬に頼らない生活をしたい。良い予防、自然に近い治療はないかと考えるようになった。

よく旬の物を食べるのが良いというが、それも体調を整えるコツ。食べ物と自分の身体のリズムを合わせてあげることはとても大切なことなのだ。

こんなに発展している現代ですべてこれに切換えるのは難しいかもしれない。

でも知っているのと知らないのとではだいぶ違う。薬がない場合も対処できるし、日頃の食生活で、どの時期にどういった食材を使えば良いかがわかってくる。それが病気予防になるし、体調を安定させてあげることにつながる。

ここで、我が家が取り入れている自然治癒力を引き出してくれる万能薬を一つ紹介しようと思う。

それは“梅醤番茶”。

風邪のひきはじめや胃痛にすごく良い。
体がおかしいと感じた時には1日これを飲む。
梅やショウガは体を整えるのにとても大事な食材。

【材料】
三年番茶(ハト麦茶orほうじ茶でも代用可)コップ1杯
ショウガのすりおろし 少々
梅干し 大1つ or 中2つ
醤油  スプーン大1.5〜2杯

【作り方】
梅干しの種をとってコップに入れてお箸でつぶす。
ショウガのすりおろしと醤油を入れて、最後に熱い番茶をそそぐ。

今多くの人が生活習慣病に悩まされているが、その大きな原因の一つが自然から離れたこと。

自分がいつまでも元気でいるため、大切な家族、子孫の体を守って上げるためには、日頃の身体への気遣いがとても大事。自然を活用し、自らの治癒力を引き出す、それが丈夫な体づくりになるのだ。

慣れ親しんだ日本を離れサンフランシスコで暮らすことは、日本に居たときよりも簡単に手にできない物、不便な事がたくさんある。でもこの暮らしが、日々の生活で工夫をしたり、知恵を使ったりすることを思い出させてくれた。

たくさんの選択があるからこそ、ときに不便を選ぶことで気づくことがきっとまだまだあるのではないだろうか。

Cumi Honda
1983年生まれ、千葉県出身。幼少時代をインドネシアで過ごす。
アパレルPRを経て、2011年9月からサンフランシスコに在住。

【SF LIFEアーカイヴ】
#01 自分らしさを知れる街
#02 未来を整えるということ