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鎌倉時代の武将・新田義貞が海に投げた太刀が前身……との伝説や、立ち泳ぎをして獲物に襲い掛かることから“立魚”と呼ばれるようになったなど諸説ある、「太刀魚」。運動量が少ないために脂肪分が多く、身に脂がのっており、夏の鮮魚の代表格でもある。

国産では供給量が追いつかず、近年東南アジアから輸入したものも増えているほど人気だ。体表の銀履くの色みはグアニンという成分によるもので、かつてガラス玉に塗って模造真珠を作る際に重宝したという。

骨が多いことが唯一のネックともいえる。身体の両側に骨がある構造なので、調理するときには切り身の段階で取り除いてしまおう。または、調理後、身体の両側に箸を入れれば、するりと身がほぐれるので、ぜひお試しを。皮にもうまみが詰まっているので、皮ごと塩焼きにしてシンプルに素材の旨味をいただきたい。または、ピリ辛煮にすればご飯が進む一品に。酒、醤油、豆板醤、水を鍋に合わせ、たちうおを入れたら火にかけて、煮汁が湧いて煮立ったら潰しにんにくを加えて、さらに5分ほど煮ればできあがり。