秋から冬にかけてが旬のりんごは、「食べれば医者いらず」と言われているほど優秀な果物。免疫力を高めるポリフェノールをはじめ、カリウム、鉄分、食物繊維などの栄養素がバランスよく含まれているほか、風邪で炎症を起こした鼻や喉の粘膜をいたわる働きもある。風邪かな?と思った時は、りんごのすりおろしにおろし生姜を加えて葛湯仕立てにして飲むといい。
毎年秋になるとたくさんの種類が出まわりはじめる。小ぶりで酸味が強く、皮の色が濃い紅玉は旬が意外と短く、10月の中旬頃からひと月ほど。焼き菓子に向く品種なので、アップルパイなどは今のタイミングで作るのがベスト。同じ頃に出回る柚子と一緒にコトコト煮詰めた柚子りんごジャムも、この時期にたっぷり仕込んでおきたい。部屋のなかに充満するりんごの芳醇な香りに、ついうっとりとしてしまう。
チーズやナッツとの相性もいいりんごは、カマンベールチーズやクルミ、トレビスと合わせてバルサミコとオリーブオイル、塩で和えてサラダにすしてもおいしい。ポークビーンズなどの煮込み料理に使うのもおすすめ。りんごを原料にした軽やかな発泡酒、シードルとともにいただきたい。