昨年のユニクロのグローバルアンバサダー就任でも話題をさらったロジャー・フェデラー。グランドスラム優勝回数20回。ツアー通算優勝回数111回。もはや説明不要のこのテニス界の生ける伝説から、また新たなサプライズニュースが到着。それはフェデラーと同じスイスで生まれたパフォーマンスブランド「On」のメンバーへ参画するというもの。これからどういった関わり方をしていくのか要注目です。
瞬く間に世界を駆け巡ったサプライズニュースの翌日、フェデラーはニューヨークのセントラルパークでランニングをしたあと、〈On〉シニアチームのメンバーとして初めて公の場に登場。すぐそばにある1Hotelで、記者発表会を行なった。
先に共同創業者オリヴィエ・ベルンハルドが挨拶。今回フェデラーを〈On〉のチームに迎え入れたことについて以下のように述べた。
「ロジャーが長年〈On〉を愛用していたことがきっかけで、私たちは出会いました。彼との友好が深まるにつれ、テニスコートを離れた競技以外の部分でも、彼は優れたリーダーであり、新たなことに挑戦する起業家精神をもっていることを知りました。デザインとイノベーションに情熱を注ぐ私たちと同じ価値観を共有しているロジャーが〈On〉のメンバーとなることで、とてつもない化学反応が起こると確信しています。機能性、アウトドア性、ファッション性はもちろん、耐久性にも優れたシューズを開発したい。現在ロジャーと開発している新商品は、来年の夏に発表できると思うので期待して欲しい」。
このコメント受けフェデラーも、
「私は〈On〉とそのプロダクトが好きで、ファンとして長年愛用してきました。〈On〉の創業者たちと話してOnを知れば知るほど、単にスイス出身ということ以外にも、私たちの間にはたくさんの共通点があると気づいたのです。〈On〉のチームメンバーに加わり、アスリートとしての経験を生かし、この若いパフォーマンスブランドのさらなる成功にどのように貢献できるのか。それを考えると今からとてもワクワクしています」と語った。
アスリート契約ではなくチームの一員として
今回の契約はスポーツブランドとアスリートとのスポンサー契約でもなければパートナーシップ契約とも違い、フェデラーが実際に大会で着用する契約ではない。投資家として、アドバイザーとして〈On〉の製品開発、スポーツマーケティング、そしてチームカルチャーの醸成などをサポートするのがミッション。様々なオペレーションに密接に関わり、ブランドの成長とそれに対する貢献度に応じて報酬が還元される形をとる。極めてフレンドリー、かつ、クリエイティブな契約。〈On〉の“ファミリー”、“チームメイト”となる。
テニスファンとしてはテニスシューズは開発するのか、またこの契約を機にその他のスポーツシューズにもいずれは着手するのか、気になるところだ。onyourmarkでもランニングシューズを中心に紹介をしてきたが、大きなイノベーションがない限り、新作を発表しないスタイルを取るブランドだけに、フェデラー参画以降で〈On〉のプロダクトがどのように変化するのか、そして世界で最も成功したアスリートの知見を活かし〈On〉がこれからどのような発展を見せるのか、ブランド誕生からここまでたった9年、その成長度合いも特筆すべきものだが、その勢いに拍車がかかるのは間違いないだけに、今後より注目して見ていきたい。
グローバルセールスを統括するキャスパー・コペッティはこう語る。「オリンピックイヤーは大切な年。現在〈On〉の売り上げシェア1位のアメリカ・ニューヨークに〈On〉初となる旗艦店を出店する計画があります。ロジャーの加入によって、ブランドの認知は高まりました。今後〈On〉がどう発展していくのか、我々も楽しみなのです」。
まずは来年、フェデラー参画後初のローンチを楽しみに待とう。