DAY2は、約94kmで獲得標高1600m。グラベル区間がおよそ20km、登りも下りもあるという設定で、前日以上のハードなコースになっているとのこと。やはり美味しい朝食に舌鼓を打ち、準備を整え出発。

福島の秋の訪れは関東より早いようで、朝日に黄金色の稲穂が照らされている脇を走るだけでも、ここまできた甲斐があったと思えるもの。交通量も少なく、またオンロードといっても道の走り方に変化があって飽きることはない。

とはいえ、やはりグラベルに入ってからの楽しさは格別だ。この日の未舗装路区間は全体の1/5程度だが、印象としてはずっとグラベルを走っていたような気がする。それだけ濃厚な時間だということだ。山の登り始めはマイルドで、林間を気持ちよく快速で飛ばせるグラベルも、少しづつ勾配が上がってくると厳しい登り坂に。

バイクパッキングの重い荷物を搭載したバイクで、ラインどりやトラクションのかけ方が難しいグラベルの登りなのにも関わらず、みんな楽しそうにハーハー言っている。完全にオフロードにやられている。

そして登りきった後はグラベルのダウンヒル。一通り気持ちよく下ってくると、「最高だったね」とみんな口角を緩めて語り合う。このあたりは、オフロードライドならではの光景。

イベント名称にもあるYAMIZO、八溝林道のポテンシャルにも驚かされた。グラベルロードでもなんとか登れる勾配と、適度な砂利の大きさ。このあたりのチョイスは、地元那須を知り尽くしたRide Experienceならでは。外国からのライド参加者も多いということで、鋭敏に世界のトレンドを汲み取り、日本のライド環境にローカライズしているコース設定だ。


それにしても、秋というのはなんてライドに適した季節なんだろう。半袖で気持ちよく走れる一年でも短いわずかな時間。太陽が雲に隠れると肌寒さを感じるが、その時にはバッグからジャケットを取り出せば良い。バイクパッキングライドの良いところは、言うまでもなく荷物を多く詰めること。サイクリングにおけるウェア選びは、時に難しく悩ましいが、バイクパッキングならどんな天候や状況に対応できるギアを持っていける。もちろんその中でも、上級者は厳選して荷物をなるべく少なくしているのだが。

グラベルを走ったかと思えば、今度は土が締まったダート区間。気づけばこういった路面の変化に一喜一憂するようになっている。グラベルバイク+バイクパッキングの懐の深さは、今まで知らない世界まで連れて行ってくれるということか。


足かけ2日間、およそ200kmの旅の終わりは晴れやかだ。キャンプだったからこそ那須のフィールドを十二分に味わうことができた。自転車だからこそ体感できるこの地の風土がある。良きフィールドがあり、良き仲間がいればサイクリングは面白くならないはずはない。そんな仲間が旅の途中でどんどんと増えていく〈キャンポンド〉。バイクパッキングに興味のある人、あるいはグラベルロードを手にした人にぜひオススメしたいイベントだ。


実際にバイクに積んでいった荷物
今回はテントなど宿泊関係のセットアップはすべて〈キャンポンド〉側がしてくれるということで、実際に運んだ荷物は1泊にしては少なめ。左側のフレームバッグは〈Porcelain Rocket〉のBasic Universal Partial Frame Pack Lサイズ。釣り竿、ヘッドライト、携帯ポンプ、替えチューブ、マルチツール、モバイルバッテリーなど電子機器、ロック、ジャケット、グローブを入れた。
右側は〈Rapha + Apidura〉のサドルバッグ。DAY1で着たTシャツ、アームウォーマー、ニーウォーマー、防寒用タイツ、釣り道具(リールとルアー)、タオル、ソックス、アンダーウェアを収納。


今回のツアーを主催したRide Experienceでは、那須高原を中心に全国でライドツアーを主催している。あらゆるレベルのサイクリストに向けたツアーがあるので、webでチェックを。
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