2021年最初に紹介するギアはHOUDINI(フーディニ)のBag Itです。2020年の春すぎにリリースされたギアなのですが、改めてじっくり紐解いてみようと思います。
実はこのBag It、意外にもHOUDINIが作るはじめてのバックパックだったりします。
その構造ですが、開口部を丸めることで様々なサイズの荷物を収めることができるロールトップ型で外側にポケットなどはありません。サイドにループベルトがあるくらい。内側もメインの気室が一つと小物を入れられる2つの小さなポケット、そして、ノートPCが収納できるスリーブがあるのみで、結構ミニマルな作りになっています。
チェストストラップやウェストストラップもありませんので、通勤ランなどにはちょっと向かないかもしれません。
でもこのBag It、シンプルながらHOUDINIらしさが沢山つまっていてすごく愛着の湧くアイテムなんです。その証拠にRun boys! Run girls!スタッフも気に入っていますし、ユーザーの評判も良くて最近追加の入荷をしたところです。
それでは、もう少しこのバックパックのことを紹介しながらその魅力を探っていこうと思います。
メインで使われている生地はBedrock Stretch 3L Hardshell™で、実際にHOUDINIのハードシェルジャケットで使われているもの。防水性・耐久性が高いだけでなく(Bag It 自体はシーム処理はされていません)、伸縮性に優れているのが特徴です。
この生地が生み出すマットでしなやかな質感とHOUDINI独自の落ち着いたカラーリングの組み合わせが魅力のひとつだと思います。また、ミニマルな作りによってその魅力が際立っていることに気づきます。
容量は20Lで通勤をはじめとした日常での使用に丁度いいサイズです。また、超軽量とまではいかないものの薄くて軽量(300g)なので、旅行カバンにサブバッグとして忍ばせたりと使い勝手は良さそう。防水生地なので、ジムやトレイルの帰りに汗で濡れたウェアを収納する際にも活躍すると思います。
内側もシンプルな作りではあるものの、A4サイズの書類や15インチのノートPCが入るスリーブと小さなポケットが2つあります。超ミニマルな1気室のザックだと小物などの収納場所に困ることもありますが、Bag Itではそのようなことはなくて、絶妙に気が利いているなと思います。ただ、ミニマルな構造ゆえ、スリーブには緩衝材はありませんので、気になる方はPCケースなどを併用してください。
気室へのアクセスはロールトップの開口部のみ。ロールトップってジップに比べると開閉にひと手間かかるので、個人的には日常使いで少しストレスがあるんじゃないかと思っていたのですが、Bag Itのトップ部分は長過ぎないためロールせずにサイドバックルで止めておくことができます。こうすると、開閉の手間がなく中に容易にアクセスすることができてストレスがありません。天気がいい日なんかはサイドバックルだけで止めておいて、雨が降ったらしっかりとトップをロールして中身を守る事ができます。
HOUDINIのサイトにはBag Itに関して
Bag It is not a backpack for long hikes or demanding adventures. The super light fabric and minimalist construction makes it the perfect weatherproof everyday companion.
Bag Itはタフな冒険やロングハイク向けのバックパックではありません。超軽量生地とミニマルな作りで、全天候型デイリーユースにぴったりのアイテムに仕上がっています。(編集部訳)
と書かれていますから、このロールトップも”日々の相棒”として使いやすいように意図された設計なのではないかと推測しています。
また、Bag Itに関して一番の肝は、この製品がウェアの生産過程で余ってしまった生地をリユースしてできているということ。実はBag Itは廃棄物とみなされるものを価値ある資源に変えるという、HOUDINIのリサイクルプロジェクトの一環として生まれた製品なのです。
しかも、ベース生地のBedrock Stretch 3L Hardshell™自体が既に70%リサイクルポリエステルであるだけでなく、Bag It自体も使い切ったらその生地をリサイクルに回すことができます。
それを知ると、このBag ItにHOUDINIのメッセージや姿勢が詰まっていることがすごくわかります。また、だからこそミニマルな構造になっていることに納得がいきます。パーツを減らすことは資源の消費を減らすことにもつながるし、ミニマルであれば壊れる箇所を減らすことができ、結果的にアイテムの耐用年数が向上するからです。
ちなみに、HOUDINIはサステナビリティにとても重きをおいている会社で、そのことはwebサイトのトップページからすぐ「Sustainability」の項目にすぐにアクセスできることからもわかります。
また、その中ではHOUDINIが100%循環型の製品生産を目指して設定した2066年までのロードマップを見ることもできます。
こうやって、Bag Itの設計や背景にある考え、HOUDINIの目指すものなどを見ていくと、このプロダクトにより興味や愛着が湧いてきませんか?
自分は、記事を書いていてよりBag Itに愛着が湧いてきましたよ(笑)。
あと、こうやってプロダクトの仕様や機能だけでなく文脈も紹介していくのが、Run boys! Run girls!のMARK GEARらしさだなあと改めて思いました。
挨拶が遅くなりましたが、2021年もよろしくお願いします。
HOUDINI / Bag It ¥14,000+tax
bit.ly/houdini_bagit