2021年、PUMA(プーマ)が世界規模でランニングマーケットにおける「RE:START」を表明しました。サッカーのイメージが強い同ブランドが、新開発の厚底ランニングシューズとともに、本格的な市場参入を果たします。
ウサイン・ボルトを筆頭に数々のレジェンドランナーをサポートしてきたPUMA。それまでに培ってきたブランドのテクノロジーを活かし、2021年にはランニングを最注力カテゴリーに位置づけ、ブランディングを行うことが発表されました。
PUMAランニング商品担当の大藤真一さんによると、グローバルブランドが世界規模でランニングを展開していく中での、「最重要マーケットは日本」とのこと。そしてその2021年の目標は「販売数よりも、多くのランナーにPUMAランニングを知ってもらうこと」とされています。
このPUMAの「RE:START」を担うのが、「誰でも履けるみんなの厚底」を標榜するシューズ DEVIATE NITROです。厚底シューズ戦線に、PUMAも加わる形になりました。
「誰でも履けるみんなの厚底」
新作シューズDEVIATE NITROにつけられたコピーは、「誰でも履けるみんなの厚底」。一般的にレース用厚底シューズは、履きこなすのに走力やそれに見合ったフォームが必要とされますが、それをあらゆるレベルのランナーが履けるものにするところに、PUMAの新しいアプローチがうかがえます。
厚底シューズの中核をなすのが、ミッドソールに採用される〈NITROフォーム〉。もともとPUMAは各種目のシューズ開発においてミッドソールに強みをもつブランドです。その知見を活かし今回発表されたNITROフォームは、高反発・超ソフト・超軽量が特徴の「やわらかく、しっかり沈み込むのに、高反発する」とのこと。
そしてこのNITROフォームを爪先からかかとまで、フルレングスで使用したことで、「みんなの厚底」を実現。フォアフットの上級者から、ミッドフットの中級者、ヒールストライクの初級者まで、足のどこで着地しても、どんなスピードでも高反発の恩恵を受けられるシューズに仕上がりました。
また、厚底シューズとセットのカーボンプレート〈INNO PLATE〉も、全ランナー向けのチューニングが施されています。3分/km〜3分30秒/kmペースでは、スプーン形状のしなりが推進力を最大限に生み出す設計でありながら、全体的な湾曲を抑えていることで、ミッドフットやヒール着地の走法でも推進力を得られるようになっています。
日本は最重要マーケット
PUMAランニングの再スタートにあたり、最重要マーケットとして位置付けられる日本。DEVIATE NITROのラスト(足型)も、グローバルシューズながら日本人が履きやすい幅広を意識して作られたとのこと。NITROフォーム自体は50万回の着地をこなす耐久性があると発表されていますが、これはフルマラソンで10回に相当する距離。
また同時に、2021年4月から、立教大学の陸上部長距離駅伝部門をサポート予定であることも発表されました。製品開発のフィードバックのほか、注目の高い学生駅伝での露出が見込まれています。
サブ3ランナーから、おそらくはサブ5ランナーまでを対象とする厚底シューズDEVIATE NITROは、価格も¥19,800(税込)と、多くのランナーの選択肢となる設定です。また、NITROフォームを使用した兄弟シューズも各種同時に発表され、用途や好みに応じたチョイスが可能になっています。
DEVIATE NITROは、我が国における厚底シューズの民主化とPUMAランニングの認知拡大の立役者となるか。2021年注目の一足となりそうです。