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そのインスタグラムアカウント @arousal_cardiganangels を見つけたのは2021年2月のことだったと記憶している。ヨーロッパと思しき街の景色や、そこで暮らす人々が独特の視点で切り取られた写真の真ん中に〈AROUSAL〉というロゴが載っている。PERFECT DAYでもお世話になった編集者の沼野亮佑さんが関係しているようなのでフォローしてみると、時々思い出したように写真があがってくる。何かのプロジェクトのティーザーだろうなと思ったけれど、その期間が長かった!これがカーディガンブランドであると明かされたのは実に1年半後の今年8月のこと。

そして、話題のレストラン〈AC HOUSE〉で展示会を行うということで、出かけて行ってひと目で気に入って購入したのがオリーブのメランジカーディガンだった。90年代に青春を過ごした人になら、カート・コバーンが「UNPLUGGED」で着ていたあのカーディガンの雰囲気、或いは伝説的なスケーター、ジェイソン・ディルが着こなしているカーディガンの感じと言えば分かってもらえるだろうか。

深い色合いは、片畦編みをベースに表情を作りながら、ブラッシングで毛足を立たせることで生まれたもの。キッドモヘアの混紡率を最大限に引き上げながらナイロンを入れることで、風合いを維持したままニットの強度を上げることができたという。群馬の職人によって一枚一枚丁寧に作り上げられることで、この品質が維持されている。

ファウンダーのひとりである沼野さんにブランドについて伺うとこんな答えが返ってきた。

「僕と相方が思春期の頃からカーディガンをずっと愛用しているので、自分たちが着たいカーディガンを作ろうということでブランドをスタートさせました。また、僕自身が旅が好きだったり仕事で海外に行くことが多く、飛行機の機内で脱ぎ着が簡単、昼夜で寒暖差が激しいカリフォルニアなどでもカーディガン一枚あればわりと対応できる、といった理由でInstagramは旅のイメージを多く使っています」

アカウントの写真は沼野さんが撮り溜めた旅のイメージだったのだ。来年こそは、このカーディガンを羽織って軽やかに旅をする、そんな生活を取り戻したい。

メランジ・カーディガン(オリーブ) / arousal
53,000円(税込)
問い合わせ先:アローサル
arousal-cardiganangels.com