初冬から徐々に新海苔が出荷される。初冬といえば新米が糖度を増して、炊飯時の水温も下がり、つややかな米が炊ける時。そこにきて新海苔! おむすびがこの上なく美味しい季節の到来である。
当然のことながら、海苔は風味が命。海苔好きは新海苔の時期に海苔をまとめ買いするという。小分け保存して湿気さえ遮断すれば風味がすぐに落ちるものではないので、一番風味豊かな初摘み海苔が狙い目なのだ。
新海苔には多様な味わい方がある。まずは汁椀にちぎり入れ、醤油をぽつり。あつあつの湯を注げば新海苔の旨味たっぷり、出汁いらずの吸い物が完成する。白菜漬けを海苔でくるりと巻いて醤油をたらしたものや、ほうれんそうとたっぷりの海苔、ゆず皮を散らした雑煮も冬のたのしみ。