根ものが旬を迎える季節、収穫までの2〜3年土の中でじっと育ったこんにゃく芋も旬を迎える。こんにゃく芋の主成分であるマンナンを粉にして、石灰水を加えて凝固させるとこんにゃくになる。こんにゃくはほとんどが食物繊維で、腸の有害な物質を排出し、血圧やコレステロールを下げる働きもあることからダイエット食品に使われることも多い。
その弾力のある食感は冬野菜とも相性もよく、煮炊きもののアクセントとして活用されることもしばしば。とくに芋煮や豚汁、けんちん汁といった根菜メインの汁物には欠かせない。こんにゃくを甘辛く炒り煮にして鰹節をまぶしただけの惣菜も、滋味あふれる味わいである。
白和えに加えるのもおすすめ。茹でた野菜ときめ細かい豆腐の白和え地の間をとりもつように、さっとゆがいた薄切りこんにゃくが入ると食感にリズムが生まれる。白和えにはちょっとえぐみのある野菜を入れるのがコツ。ふきのとうや春菊、せりなどが入れば、こんにゃくの食感と野菜のほろ苦さ、香り、白和えの濃厚なクリームが渾然一体となり、思わず頷く美味しさが口の中に広がる。