ボートというものを気軽に持ち運べるようにしたのが、パックラフトという乗り物。抜群に軽いとはいえ、歩き旅と組み合わせるためには数々のパッキングの工夫が必須だ。文字通りパックできるラフト(いかだ)を旅の一手段として取り入れているハイカーの根津貴央さんにTIPSの数々を聞いた。
いろいろ挟んでパッキング
根津さんが使っている挟むタイプのバックパック(背負子)は、様々なメーカーから出ている。通常のバックパックよりもパッキングの自由度が高いから、多少の荷物はみ出しもOK。ライフジャケットもドライバッグに着せるようにすれば内部に収納できるのだ。
エマージェンシー系は直接装着
川下りのエマージェンシーギアとして必携のナイフとスローロープ(水に浮く救助用ロープ)は、直接ライフジャケットに装着している。ナイフは水に巻かれたときに、体にロープなどが引っ掛かったときにすぐさま切断できるよう、サッと取り出せる位置に装着するのが重要。
他ギアとの兼ね合いも考慮する
バックラフトは空気を抜いてクルクルとロールすれば、かなりコンパクトになる。根津さんがバックパックの最下部に収納しているのは、他の荷物と組み合わせた時に一番収まりが良いから。持っていくギアや収納方法が変われば、位置も微妙に変化させる必要がある。
大きめドライバッグで小分けしすぎず
ギア類はキューベンファイバー製の大きめドライバッグにまとめて収納。通常のバックパックなら小分けしたほうがデッドスペースは減るが、サイドが開いている挟む系バックパックの場合は、小分けしすぎないよう注意。漕ぐときは、船体の前部に固定。
ブラブラするのは避けたいところ
ヘルメットやライフジャケットなどは、外付けにしている人も多いが、歩き旅を組み合わせたい根津さんの場合は、すべてをバックパック内に収納する。移動中にブラブラと揺れると、けっこうストレスだし、木の枝などに引っ掛かってしまう危険性も増えるからだ。
パドルは分割できるものを
もっとも収納しにくいのがパドル。使用時には背丈を超える長尺物だから、分割できるタイプを選ぶ。根津さんが使用する5ピースに分割できるタイプは珍しく、4ピースのパドルが主流。両サイドに差し込む形でパッキング。シャフトに巻いたタイベックシールはリペア用。
PACKING FOR THE FIELD
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