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サステナビリティ(持続可能性)について多様な議論が繰り広げられるサステナブルブランド国際会議で、昨年は「WE ARE REGENERATION」という新たなテーマが掲げられたことをはじめ、環境問題を考える上で目にすることが多くなった「リジェネレーション(再生)」というキーワード。

サステナビリティを追求するだけでは限界があり、その先にある再生していく力にこそ危機的状況を打破する道筋があるのだということが様々な場面で論じられるようになってきました。

そんな中、4月17日、18日に開催される(re)generate!に注目。「地球と人の”再生”について考える二日間」と題し、トークショーや体験型アクティビティ、数々の物販マーケットが企画されている本イベントを主催するのはロゲイニング形式の山岳レースOMMや世界中のアウトドア用品を扱うショップMoonlightgearなどを手掛けるNOMADICS,incです。

これまでアウトドアアクティビティの分野で存在感を発揮してきた彼らが「リジェネレーション(再生)」をテーマにしながら、環境問題にアプローチするイベントを開催することになった経緯とは? 代表の千代田高史さんにその思いと意図を聞きました。


「自分ごと」になった環境問題

「また、アイツら何か始めたよって言われそうですよね(笑)」と自嘲気味に話す千代田氏。確かにOMMをはじめとする高品質でこだわりのあるアウトドアギアの取り扱いやレースとしてのOMMの開催、さらに、オンラインショップのみならず東京・岩本町と大阪・中津に実店舗も構えるMoonlightgearを運営する彼がFacebookでイベント告知をした時は筆者も少し意外な印象を持ちました。しかし、そこに至るまでに様々なピースが必然的に組み合った経緯があったようです。

「会社の仲間が体調を崩した時に、畑で土いじりをしたいって打診されて会社の皆で始めたんです。自分自身も海千山千會*の活動の中で再生可能なものづくりに携わり、UNHALFDRAWING*ではBRINGさんと再生ポリエステルで服を作るなど、持続可能性のあるプロダクトに触れることで、環境問題を考えることがどんどん増えてきて。そんな中で取り扱いを始めたvivobarefootはB-Corpのライセンスも取得して持続可能なものづくりをしている背景がありつつ、自分の足の力を再生していく経験を啓蒙するブランドで、彼らのシューズを履いて自分の身体が再生していくような経験もあった。畑、リサイクルプロダクト、身体の再生、あらゆることがどんどんリンクしてきたんです。さらにコロナ禍で生活様式が変わって、今までなかった疑問を抱くようになる中で、ようやく地球が危ないってことが、自分ごとの興味と激しく繋がり始めたような人はいっぱいいるんじゃないかなあと。そんなことを想像した時に、環境問題に関して色んなことに気づくことができるイベントは価値があると思い至りました」

* 千代田氏が手掛ける日本各地に散らばる同人による自分たちのための山道具、またはそれに付随する道具を作り出すブランド海千山千會。UNHALFDRAWINGも同ブランド内のプロジェクトのひとつ。
www.umisenyamasenkai.com

(re)generate!
筆者も2020年のベストバイに選んだvivobarefootのシューズ。環境、社会に配慮した事業活動を行う企業に認証されるB-Corpも取得した彼らが掲げているテーマも「REGENERATION」。

「変わることを楽しもう」

気候変動の問題やサステナビリティについて、ようやく興味が湧いてきた。まだ自分たちも討論できるほどの知識もないが、知りたい欲求はどんどん高まっていく。この初期衝動をどう捉えたらいいだろう? 自分のようにここ数年で多くの人が直面したであろう気持ちの変容に寄り添うようなことができないだろうか。千代田氏は(re)generate!において様々なコンテンツが並ぶことにより、ケミストリーが生まれることに期待を募らせます。

「自分たちにできるのは面白い人に出演してもらうことで全体を作っていくデザインというか調整みたいなこと。環境問題っていうと、意見と意見がぶつかり合うことが多い印象なんだけど、揚げ足取りの討論みたいなものをやるつもりはさらさらなくて。ただ、色んな考えを持っている人がいて、正解は自分もわからない。僕もあなたと一緒で環境問題を考え始めた一年生でこのイベントを開催するんだけど、自分たちも勉強して成長していきながら『自分ごと』にしていく機会になる。そんな場にしたいですね。自分が興味を持って好きでやっている結果が『再生』に結びつくようなものだったら、それに勝るものはないじゃないですか」

(re)generate!のステートメントの中にある「変わることを楽しもう」という印象的な一文。変化をどう受け止めるか悩むのではなく、変化の中で興味を持ったことを楽しんでいくという気概は千代田氏の発言からも読み取れます。

(re)generate!
(re)generate!
イベントで企画される様々なテーマのトークショー。最新号の表紙にも「re-generative」と記されているWIRED日本版編集長の松島倫明さんを千代田さんはこのイベントを俯瞰的に見てくれる水先案内人と称す。

このイベントによって問題意識を自分の中に具体的に落とし込むことができるかもしれないと期待する主催者の思惑は参加者や出展者にもシンクロしながら、ひとつの世界観を作り上げてくれるのではないでしょうか。

(re)generate! zero

開催日時 2021年4月17日 ~ 18日

開場9:30 -閉場17:00(最終入場16:00)

会場 泊まれる公園「INN THE PARK」
〒410-0001 静岡県沼津市⾜⾼2204

愛鷹運動公園
〒410-0001 静岡県沼津市⾜⾼202

内容 トークショー / 体験型アクティビティ/物販マーケット

入場料 500枚前売券のみ / 1day 1,500円 (⾼校⽣まで無料)

主催 NOMADICS,inc

re-generate.jp