アメリカでシェアNo.1のランニングシューズといえば、BROOKS。そのアメリカンで無骨ながら、愛嬌があるようにも見えるシューズが気になっている方も多いのではないでしょうか。BROOKSランニングのマントラは『RUN HAPPY』。幸せに走る? それとも走ることで幸せになる? みなさんはそのどちらでしょうか。
まだ春の陽気に包まれている葉山のトレイルで、BROOKSの新作トレイルランニングシューズカタマウントをテスト。初めて履いたBROOKSのトレイルシューズのインプレッションをお届けします。
カタマウントはBROOKSがスピードタイプのトレイルシューズとして発表した一足。ミッドソールの「DNAFLASH」は、軽量かつクッション性に優れながら、高反発でもあるというBROOKSロードシューズでもお馴染みのいわばお家芸。これがトレイルでも威力を発揮しました。
外観はBROOKSらしい、少しぽってりとしたフォルム。しかし足入れをすると、爪先部にかけては比較的タイトな足型になっています。シューレースを締めた後に感動的なのは、結んだヒモの余りを固定できるバンドがシュータン表面に装備されていること。やはり激しい上下動を行うシューレース式のサイクリングシューズにはよくみられるフィーチャーですが、荒地をいくトレイルランこそこの気配りが嬉しいもの。
葉山のトレイル、というよりも海に近いトレイルは上りが急峻であることは珍しくなく、階段で山頂を目指します。ドライコンディションで木漏れ日の中トレイルを踏み締めていく感覚。まだ走り始めてもいないのに、HAPPYな気分です。
しかし本当のHAPPYは下り基調のトレイルを軽やかに、気分は飛ぶように駆け抜けた時にやってきました。着地の衝撃を和らげ、弾むように次の一方が宙に出ていくのはやはり、「DNAFLASH」が効いているのでしょう。完全ドライなコンディションのため、突き詰めた評価はできないものの、しっかり木の根などに食いついてくれるアウトソールの感覚は好印象。
Movie taken by GoPro Hero9
最後はちょっと飛ばしすぎたか、足の小指に当たりを感じたのでペースを落とします。シューレースをしっかり締めないまま楽しくなって飛ばしたツケです。後半はシューレースを再び締め直して、快適なトレイルランを楽しみました。
天気に恵まれ、ロケーションに恵まれ。『RUN HAPPY』を感じさせてくれたカタマウントなのでした。
この日初めて(!)トレイルランニングに挑戦した編集部の新人及川も、カタマウントでトレイルの1日を楽しんだ様子。初々しくもトレイルの本質を衝くような彼女のレビューで、本稿を閉じたいと思います。
トレイルランニング初挑戦、山を走るというイメージさえ付かないまま試走会へ。まずはロードを3キロほど走る。しっかりソールは反発してくれてシューズが前へと押し出してくれた。そしてトレイル。木の根や地面の凹凸があり不安定な道に戸惑いつつ、道の片側が崖のようになっているポイントもあり恐怖を感じる部分も(初心者の視点)。
下り道に差し掛かると慣れていないからか足が動き続け止まらなくなってしまった。ただカタマウントのグリップがしっかり効いていたので転ぶことなく、安定感もしっかりしていたので安心して走ることが出来た。階段を降りる際、高めの段差でもミッドソールのクッションがしっかり衝撃を吸収してくれて、難なくクリア。再びロードに戻ってきて、地上に降り立った安心感と、山の中の綺麗な景色、鳥の声が聞こえなくなってしまった悲しさが同時に込み上げてきた。
懸命に初トレイルを走った代償はその後筋肉痛となり襲ってきたが、トレイルランといういつもと違う楽しさを知ることができ、普段メインのジムトレーニングとは違う、山に入り自然を感じながら汗を流すことの良さを感じたのだった。