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2019年も残すところ両手で数えられるまでに。年が変わり2020年になれば、オリンピックへのムードは一気に加速するはず。そのムードを盛り上げるべく、今回新・国立競技場で行われた「ASICS FIRST RUN」。錚々たるメンバーが参加したイベントの内容はもちろん、出来立ての国立競技場のフレッシュな雰囲気をいち早くお届けします。

豪華ゲストと一般ランナーが一緒に
“オリンピックスタジアム”を体感

11月30日に完成したばかりの国立競技場。来年夏には世界中が熱狂するこの大舞台で、東京2020オリンピック・パラリンピックのゴールドパートナーであるアシックスが、世界初となるイベント〈ASICS FIRST RUN〉を開催。いち早く国立競技場内トラックを走れるこのイベントには、一般応募から抽選で選ばれた2020人と、豪華なアスリート、ゲスト陣が参加。「ぜんぶ、カラダなんだ。」のブランドメッセージのもと、競技場の雰囲気、トラックの感触を味わった。

(上)(中)イベントが始まるまでの間は思い思いに自由にラン。(下)参加者ゲートに立てられていた「ぜんぶ、カラダなんだ。」のメッセージボード。“走り終わった後のあの感覚は、ただの爽快感じゃない”。

ゲスト陣は室伏広治らの陸上競技メダリストのほか、女子レスリングで金メダリストを3度獲得した吉田沙保里の姿も。さらには国立競技場の設計に携わった隈研吾さん、本番での活躍が期待される桐生祥秀、井谷俊介、中村貴咲らのアスリートも参列。大きな拍手で迎えられた。

イベントはまずゲスト陣が先導しトラックを1周する“FIRST RUN”が行われ、その後にアスリート・ゲスト陣と、さらなる幸運を引き寄せた参加者数名が一緒にチームを組みリレー対決。最後には200mエキシビジョンマッチ“桐生祥秀vsフィッシャーズ”も行われ、見る側と走る側が近い距離でイベントを楽しんだ。「本当に本物なのかなと思ってドキドキしました」、「桐生さんのフォームを生で見れて刺激になりました」と、子どもたちは夢見心地。

(上)リレーの第一走者はゲスト陣。有森裕子、野口みずき、室伏広治と錚々たるメンバー。(下)参加者着用のリストテープ。金色のシールが貼られたリストテープに当たった人がリレーに参加。

現役アスリートが感じた新・国立競技場

陸上競技の現役アスリートとして参加した桐生は、今回走ってみた感想を「今日はイベントとして走ったので、特に記録が出るとかそういうフィーリングは意識して走りませんでした。ただ満員になった競技場で走るイメージ、“自分はここで走るんだ”というイメージはできました。そのイメージを味わえただけ、このイベントに参加できて良かったと思います。楽しかったですね」と述べた。期待を持って見守りたい。

リレーでアンカーを務めた桐生。本番でも最高のガッツポーツを見せてほしい。

“和の美”が表現された世界に誇れるスタジアム

参加者に話を聞くと、イベント同様に楽しみにしていたのが隈研吾さんが設計した競技場のデザイン。そしてその雰囲気だ。着工までのストーリーも興味をかき立てたわけだが、国産のカラマツを使った屋根、観客席は上段が緑の席を多めに、下段になるに従い、黄緑、白、グレー、下段の多くは茶色となる。木漏れ日、木から葉が落ちる様に見立てた、自然との調和が表現されたデザインはまさに隈さんならではだ。細かく組まれた屋根を見ていると寺社仏閣、宮大工も連想させる。“和”が感じられる競技場に、参加者からは「世界中の人がこのスタジアムを見ると思うと誇らしいね」の声も。

緻密な設計でありながら、無駄なくシンプル。美しいカーブ、フォルム、木の質感、自然を感じさせる優しい色合い。日本的な魅力がふんだんに見られるスタジアムといえよう。

トラックを軽く裸足で走ってみたところ、きめ細かなタータンは反発力が強く、シューズを履くとよりその感触を得られた。本番では予想以上に新記録が出るかもしれない。残念ながら今回芝生には立ち入り禁止で入れなかったが、絵に描いたような緑のフィールドで、コンディションはバッチリ、準備万端といった印象だ。

2012年ロンドン、2016年リオ両大会からさらに改良を加えられたイタリアのモンド社によるゴム製トラック。見ただけではわからないが、表面と裏面の二重構造。裏面は六角形が並ぶハニカム構造になっていて、推進力が得やすいとされる。東京2020も記録ラッシュとなる大会になりそうだ。

元旦のサッカー天皇杯・決勝を皮切りに、全国大学ラグビーの決勝、5月にはジャパンパラ陸上競技大会、セイコーゴールデングランプリといった陸上競技のイベントが行われる。これからどんなドラマがここで生まれるのか、オリンピックを待たずに、足を運んでみてはいかがでしょうか。