新たな高反発ソールで逆襲に出たミズノ。WAVE DUEL NEO開発に続き、ミズノエナジー搭載モデルとして発表されたのは長年愛されてきた定番モデル、WAVE RIDER。24代目の真価とは!? 編集部インプレッションとともにお届けします。
ブランドのアイコン的ランニングシューズとして世界的に愛され続けてきたWAVE RIDERシリーズも24代目。1997年のデビューから1年に1度アップデートを繰り返してきたことになります。長く愛されるモデルにはその理由が必ずあり、大きな変化を加えられることはあまりありませんが、今回のWAVE RIDER 24は「薄底・高反発」で話題を集めたWAVE DUEL NEOに採用された高反発素材、ミズノエナジーを搭載。従来のウエーブテクノロジーとのコンビネーションでどのような変化が見られたのでしょうか。
WAVE RIDER 24の構造、ミズノエナジー搭載による変化とは!?
ミズノのランニングシューズの基幹機能である*ウエーブテクノロジーに加え、高反発ソール素材、ミズノエナジーを追加搭載したWAVE RIDER 24。ミズノの発表によるとこの仕様変更により従来のモデルで使われてきたソール素材、U4ic(ユーフォリック)と比較し、柔らかさが17%、反発性が15%向上し、接地時のエネルギーロスを少なく反発させることに成功したとされています。
*ウエーブテクノロジー = ミズノが独自開発した陸上スパイクのテクノロジーにインスピレーションを得た跳ね上げ形状の高反発プレート。
3タイプのミズノエナジー、従来モデルとの比較値は?
ちなみにミズノエナジーには3種類あり、WAVE RIDER 24で使用されているものはEVAベースの「ミズノエナジー」。ほかWAVE DUEL NEOに採用されたナイロンベースで軽い「ミズノエナジーライト」と、ラバーベースで、柔らかさ、反発性ともにU4ic比しで飛躍した数値を出した「ミズノエナジーコア」があります。比較値は以下表の通り。
ソールをU4icからミズノエナジーへと変更したことで、ミズノ全体の底上げがなされたといえるでしょう。WAVE RIDERのようなブランドのアイデンティティを支えるモデルにはミズノエナジーを、ミズノエナジーライトはよりコンペティション向きなモデルに、ミズノエナジーコアは新感覚を味わうモデルに今後使われていく模様です。
ミズノ商品企画担当が語るWAVE RIDER
WAVE RIDER 24の商品企画を担当したグローバルフットウェアプロダクト本部の鷲見将成さんにWAVE RIDER 24の特徴について尋ねると以下のような回答が返ってきました。
「WAVE RIDERのコンセプトは初代から変わらず“スムーズな走り心地”の追求です。それはブランドの軸でもあります。走っているときに心地よく、余計なことを忘れ、走りに没頭できるようにとの考えから、クッション、反発力、推進力、履きごこち、それらのバランスを計り、アップデートを繰り返してきました。ミズノエナジーを加えた24作目の走行安定性をぜひ感じてほしいですね」。
編集部インプレッション
実際に履いてみてまず感じたのは軽さ。アッパーのフィット感も高く、実測275グラム以上に軽い印象です。また、見た目以上にソールが高く感じるため「足ブレするのでは」と予想しましたが、アウトソールのグリップ力と着地衝撃を吸収するクッション性のバランスが絶妙。ミズノエナジーとウエーブテクノロジーのユニットは柔らかさを感じますが、沈み込みすぎずに、早いタイミングで反発させ、推進力に変えてくれます。試しに1km/4’00を超えるペースまで上げてみましたが、力むことなく、安定感を感じながら走ることができました。長い距離を走ったわけではありませんが、反発による脚への疲労も特になし。クッションと反発、軽さ、グリップ力、総合的に「ベストバランス」を追求しているシューズであることがよく分かりました。
WAVE RIDER 24はフルマラソンに対しサブ4.5〜サブ6レベルを目安としていることもあり、初心者が選ぶ一足としてリコメンドできる一方で、サブ3を目標とするレベルにあるランナー、コンスタントにトレーニングを続けているランナーのトレーニングシューズとしても有効な印象です。ロングインターバルや、やや速めペースでのペース走、ビルドアップ走などでテンポ良い走りを促してくれるでしょう。ランナーのレベルに関わらず、また強度の差に関係なく、頻度高く活躍してくれるシューズとなるはずです。