fbpx

アディダスが実施した「ランニング中の安全」に関する実態調査の結果は、興味深い。日本を含む世界9カ国、9,000人を対象に行われた調査によると、世界中の女性ランナーの92%が自分の安全に不安を感じていることが明らかになったといいます。

不安解消のためにゆったりしたウェアを着たり、自分を守ってくれる誰かと一緒に走ったりなど、安全にランニングを行うために具体的な対策をとっていると回答した女性ランナーは69%。また、「ランニング中に身体的な危害を受けることを恐れている」という回答は、男性ランナーは28%であったのに対し、 女性ランナーは約2倍の51%に上りました。

せっかくランニングの楽しさに気づいて続けようとしたところで、こうした不安に阻まれ、ハードルを感じてしまう人がいるという現実があるようです。

〈その他の調査内容〉

・身体もしくは言葉でのハラスメントを実際に経験したことがある女性ランナー 38%

上記女性ランナーのうち、
・望まない注視を受けたことがある 56%
・性差別発言または望まない性的注視を受けたことがある 55%
・クラクションによる囃し立てをされたことがある 53%
・つきまといをされたことがある 50%

ハラスメント被害の経験がある人のうち、
・強い不安を感じた 男性 38% / 女性53%
・ランニングへの関心を失った 男性 33% / 女性46%
・再び被害に合うのではないかという不安な気持ちが強まっている 男性 30% / 女性40%

男性と比べても女性ランナーの方が心身への影響が大きいことがわかります。

筆者(女性)も自身について振り返ってみると、ランニング中のイヤホンは片耳のみの着用にしたり、夜の時間帯を避けたりと、それほど「不安」を実感していなかったつもりが、無意識のうちに対策を立てていたことに気づきました。

お気に入りのランニングウェアを諦めたり、朝は忙しくて時間がないビジネスワーカーであっても、ナイトランを諦めなくてはならないのでしょうか。

安心してランニングできる環境が作れない、そんなおかしな現実を変えよう

adidasは、「走りたいだけ、あればいい。」のメッセージのもと展開している2023年春のブランドキャンペーンの一環として、女性ランナーが抱く“安全への懸念”の意識啓発に向けた取り組みをスタートさせました。

「The Ridiculous Run」というタイトルで制作されたフィルムは、公式HPで観ることができます。ここまでしなければ安心してランニングができる環境が作れないという「おかしな(Ridiculious)」現実をオーバーに表現しつつも、すべての人が認識を深めるきっかけとなりそうです。

ナイトランはみんなのもの

さらに調査結果から、不安を感じる理由として「暗い場所(56%)」が圧倒的に一番多く挙げられたといいます。(続いて、身体的なハラスメント(24%)、言葉でのハラスメント(15%))。

この日の集合時間は19時と、まさに平日の夜にランニングをしたい時間帯。場所の指定は、青山霊園の坂下でした。霊園入口をスタート地点に、渋谷方面へ約3kmのグループランセッション。その後、参加したランナー同士でトークセッションが行われ、以下のような気づきが挙げられました。

・暗闇に停められたワンボックスカー
・黒い服を着た男性二人組
・狭い道でのすれ違い(飲酒した歩行者)
・場所によっては人通りの少なさ
・死角となる交差点
・自身が着ていたウェアの暗いカラー

上から2つに関しては、ランセッションのための仕掛けだったということが明かされました。しかし、参加した男性の中にはその存在にまったく気づかなかったという意見もあり、調査結果と同じように男女の意識に差がありました。

sample alt

これからの季節、ナイトランはとても気持ちよく、多くの人が勤務後の楽しみにする日も増えることでしょう。誰かと一緒に走るグループランや、明るい色のウェアを着ることは重要であるものの、より本質的な意識や行動を変えることで、安心して走れるインクルーシブな環境が広がっていくといいなと感じました。

sample alt

「『走りたい』だけ、あればいい。」のメッセージに合わせ、新たな製品が発売されています。今回ランニングセッションで履いた新作の〈ウルトラブースト ライト〉は、心地よく自分のペースで走りたいランナーにおすすめです。快適な履き心地と、優れた反発性で足運びがスムーズに感じました。シリーズ最軽量を実現しながら、カーボンフットプリントを10%削減した環境への配慮も反映されています。ぜひ、ナイトランにて試してみてください。