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シーズン前にパタゴニアのショップを訪れる理由は新作を求めるばかりではありません。お気に入りのアイテムを買い替えたり、もう一枚買い足したり、あるいは着続けるためにリペアサービスを利用したり。パタゴニアユーザーには愛着を持ってギアを揃える志向があるでしょう。

そしてパタゴニアといえば定番アイテム。ロングセラーの製品が多いから、ユーザーの安心感につながっています。パタゴニアでは、定番といっても実は少しずつ改良され完成度を増しています。この春アップデートされて快適さが増したのが〈ストライダー・プロ・ショーツ〉。既存モデルの愛用者はもちろん、あらゆる体型の人に向けて設計された最もテクニカルなランニングショーツとなっています。

さまざまな体型にフィットする

目指したのは「自由な可動域をすべての身体に」。そのため、パターンの細部が改良されています。股上のサイズが変更され、ウィメンズモデルにおいてはウエスト幅が太くなりました。体型や身体のサイズの対応力に納得です。また、裾の開口部を広げ、サドル形状をアップデート。あらゆる条件でのフィードバックから最適なフィットを導き出したもの。トレイルでの大きな足捌きをサポートしてくれます。

インナーには、速乾性に優れた新素材のブリーフライナーが施されています。汗をかいても走っているうちに乾いてしまうので肌へのストレスが一切なく、長時間快適な着用感をキープしてくれます。

伸縮性に富んだ新素材はサステナブル

手に持てばわかる軽さと伸縮性のある生地は、OceanCycle認定の再生ポリエステルを使用しています。この新素材は、リサイクル・ポリエステルを先駆的に取り入れ、環境負荷低減の取り組みを継続してきたパタゴニアにとって、新たな一歩となっています。

従来の再生ポリエステルとの違いは、資材の調達ルート。十分なインフラが整備された土地においては徐々にスタンダードになってきた再生ポリエステルの生産ですが、適切な廃棄やリサイクルシステムが行き届かない地域におけるプラスチック公害は一層深刻です。行き場のないプラスチック廃棄物はやがて海へ流れ込み、海洋汚染の原因となっているのです。

OceanCycle認定は、地方自治体などのリサイクル制度や施設が十分にない、海から50km以内の地域から資材を調達していることを示しています。

パタゴニアはインドネシアのジャワ島とスマトラ島の北海岸から調達したPrevented Ocean Plastic™️再生ポリエステルを、〈ストライダー・プロ・ショーツ〉を含む複数の新製品から使用を開始しました。今後もOcean Plastic認定を受けたサプライヤーとの協力を強めていくということです。

大島でのフィールドインプレッション

1月某日、まだ春の気候を想定するには少し早い時期でしたが、最新版〈ストライダー・プロ・ショーツ〉のフィールドインプレッションに参加してきました。

訪れたのは、伊豆大島。都心から120km南に位置する伊豆諸島最大の島です。竹芝港からジェット船が運行し、最短1時間45分でアクセスできるとても身近な離島。

目指したのは島のシンボル、標高758mの三原山のトレイルコース。三原山は現在も火山活動が続いている活火山です。カルデラに広がる砂漠や頂上でのお鉢巡りなど、東京の山であることを忘れてしまうほど特別な景観を楽しめます。

時間や体力に合わせて複数のコースからルートを選ぶことができるのも魅力。火口から砂漠を横目に、最後は海岸へ抜ける〈テキサスコース〉は、大島の自然を堪能できるロングコースになっています。広大な砂漠エリアは迷いやすいため事前準備をしっかりしておくことが重要です。

この日は温泉で汗を流し、帰路は大島の元町港から熱海港までジェット船で45分。熱海で美味しいものを食べて新幹線に乗れば、その日のうちに都内に戻ることができます。週末であれば宿をとり、気軽な島旅としても楽しめるので、次の行き先を検討しているトレイルランナーにはおすすめのプランです。

ランニングをリードしてくれる

実際に着用してみると、とろみのある生地は伸びがよく、脚を大きく開いてみても引っかかりがありません。最も感動したのはさりげなくもフィット感のあるインナーブリーフ。汗をかくシーズンに効果を発揮してくれそうです。

また、〈ストライダー・プロ・ショーツ〉といえば優秀なポケットシステムは健在。ウィメンズモデルはサイドにひとつずつとセンターバックのジップポケットの計3つの大型ポケットが付いて、できる限り身軽に出かけたいトレイルランナーにはこの収納力が嬉しいポイントです。


メンズモデルは、サイドに2つずつとセンターバックのジップポケットの計5つのポケットを装備。

この日、ナビゲーターとして参加されていたパタゴニア・サポートアスリートの木村大志さんと上野朋子さんも数ヶ月前から着用し、アイテムのアップデートを実感していました。

〈木村大志さんコメント〉
僕はトレイルランニングをはじめて5年くらいずっと〈ストライダー・プロ・ショーツ〉を履いています。今回のアップデートで、生地の変化を感じました。先に試させてもらう中で、実験的な部分も含めて、35時間履いて動き続けたことがありました。それだけ長く履いていても、脚を上げたときの突っ張りや引っ掛かりを全く感じることはありませんでした。また、インナーはホールド感が高まり、張り付くことはなく快適でした。レースでは5inchのモデルを着用していますが、今後も〈ストライダー・プロ・ショーツ〉一筋ですね。

〈上野朋子さんコメント〉
以前はカサカサとした印象でしたが、今回の生地は柔らかさが脚に馴染みやすくて気に入っています。ウエストの幅が変更されて、楽な太さになっています。レースの時は〈ストライダー・プロ・ショーツ〉、それ以外の時は〈マルチ・トレイルズ・ショーツ〉と履き分けています。〈マルチ・トレイルズ・ショーツ〉は、(女性モデルでは)5.5inchと比較的長いので、短すぎる丈が気になって代わりにバギーショーツを履いていた方にもおすすめしたいと思います。


用途やスタイルに応じて選べる、3型のトレイルランニングショーツがラインナップ。右から〈ストライダー・プロ・ショーツ〉、〈マルチ・トレイルズ・ショーツ〉、〈トレイルフェアラー・ショーツ〉。

軽快な足取りをリードしてくれるショーツのおかげでいいトレーニングとなりました。春の山に向けてぜひチェックしてみてください。

パタゴニア公式サイト
https://www.patagonia.jp/