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先月25日に行われたベルリン・マラソンで男子の世界新記録が生まれました。パトリック・マカウ(ケニア)が2時間3分38秒で優勝したのです。2008年の同マラソンでハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)がマークした2時間3分59秒を21秒上回っての記録でした。
 
onyourmarkではこの機会に、これまで次々に塗り替えられてきたマラソンの世界記録を振り返ってみました。

まずは1986年、アテネで開かれた第一回オリンピックで行われたのがマラソン競技の始まり。このときの距離、実は42.195kmに満たない40km。記録は地元ギリシアのスピリドン・ルイスによる2時間58分50秒でした。ちなみにこの時3位に入ったスピリドン・ベロカスは後に馬車に乗ってコースの一部を通過したことが発覚し、失格になったとのこと。なんとも牧歌的なエピソードですね。


最初のマラソン金メダリスト スピリドン・ルイス

42.195kmという距離が最初に採用されたのは1908年の第四回ロンドン・オリンピック。金メダルを獲得したジョニー・ヘイズ(米)による記録は2時間55分18秒。タレントの猫ひろしさんが2時間37分43秒の記録をお持ちですから、当時ならダントツの金メダルですね(もちろんコースや気象条件に左右されるのがマラソンのタイムですが)。


ロンドン・オリンピック マラソン金メダリスト ジョニー・ヘイズ

以後、1924年の第8回のパリ・オリンピックから42.195kmがマラソンの正式な距離として固定され、塗り替えられていく記録とともに多くのドラマが生み出されてきたのです。
 
また、女子が正式にマラソン参加を認められたのはずっと最近で、1972年のボストンマラソンから。記録としてはニーナ・クシック(米)による3時間10分26秒が最初の公式記録とされています。これは、奇しくも高橋尚子選手が生まれる一ヶ月ほど前のこと。女子のマラソン正式参加までの道のりにはまた様々なエピソードがあるのですが、それはまた別に機会に。
 
こうして比較してみるとロンドン・オリンピックのタイムから51分40秒も縮められたマラソンの世界記録。人間の能力に限界はないのではないかとさえ感じさせる驚くべき進歩ですね。