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ボストンマラソンに国際宇宙ステーションから参加した宇宙飛行士も Image Credit: NASA

10月は、マラソン絡みの珍事件が3つもニュースになっていましたが、みなさんご覧になりましたか?

 
10月9日、イギリス北部のマラソンレースで第3位に入った男性が、実は32kmを過ぎた地点で観客用のバスに乗り込んでキセルしていたことが判明し、メダルをはく奪。同じ日、米シカゴのシカゴマラソンでは妊婦ランナーがフルマラソン完走後、陣痛が来て数時間後に出産。そして10月16日、トロント・ウォーターフロント・マラソンでは、100歳のインド系英国人がフルマラソンを完走し最年長記録を樹立した、なんていうニュースも!
 
興味本位で調べてみたらマラソン珍事は過去にもいろいろありました。「痛い!」、「びっくり」、「にっこり」一挙にどうぞ。
 
○1904年 セントルイスオリンピック
近代オリンピックは珍事件の宝庫!
 
アメリカ代表のフレッド・ローツが高温と疲労のため20km過ぎで道に倒れ、たまたま通りかかった自動車に乗せてもらい競技場に戻ることに。しかし途中で車がエンストで止まったのをいいことに、車を降りて再び走り出し1位でゴール!しかしゴール直後、車の運転者の告発により即座に不正が発覚し優勝は取り消され、その後マラソン界から永久追放されたとか。
 
キューバ代表のカルバハルは極貧の中、街角でお金を集めて旅費を工面しなんとか会場へと向かったものの、途中でクラップス博打に引っかかって所持金がパーに。ヒッチハイクで旅を続け競技の当日ようやくセントルイスに到着。ベレー帽に長袖シャツと長ズボンという普段着と普通の靴のままのいでたちで登場し周囲に驚かれつつ、ズボンの裾とシャツの袖を切り落としてもらってマラソンに出場します。1位争いを続けていたものの、40時間以上何も食べていなかったため極度の空腹に。途中で青りんごを2つ木からもぎ取って食べ、腹痛を起こして結局4位でゴールしました。
 
 
○1973年 毎日マラソン(現琵琶湖マラソン)
すっきり優勝
 
ミュンヘンオリンピックの金メダリスト、アメリカのフランク・ショーター。毎日マラソンレース中に便意を催し、沿道の観客の持っていた小旗を数枚ちぎるとそれを手にしてコースを逸れて田んぼの中へ。すっきりした後はそのままコースに復帰してレースを継続。このアクシデントがあったにもかかわらず、ショーターは独走の大会新記録でまさかの優勝。しかも、この記録は1985年に阿部文明が更新するまで12年間大会記録だったとか。
 
 
○2006年 シカゴマラソン
感動の瞬間、記憶なし
ケニアのロバート・チェルイヨットが1位でゴールテープを切ろうとした感動の瞬間に、足を滑らせ転倒。後頭部を強打して、全く動けなくなってしまいました。しかし、大会役員が「胸がゴールラインを超えている」と認定してめでたく優勝が確定。救急搬送されたものの大事には至らず済みましたが、本人はゴール前後の記憶が全くない、と話しているとか。
 
○2007年 ボストンマラソン
宇宙で完走
女性宇宙飛行士スニータ・ウィリアムズが、ボストンマラソンに国際宇宙ステーションから参加。ランニングマシーンに乗って4時間24分で完走という偉業を成し遂げました。マラソン参加中、国際宇宙ステーションは地球を2周していたとか。地上では、ウィリアムズの妹のディナ・パンドヤと同僚の宇宙飛行士のカレン・L・ニーベリは地上でマラソンを「一緒に」走って応援していたそうです。また、地球に戻った翌2008年、ウィリアムズは再び、今度は地上でボストンマラソンに参加しています。

(文 佐藤美加)