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昨年に引き続き、8/4開催の初島熱海間団体競泳大会に参戦、初島から熱海までの約12kmを泳いできました。この大会の趣旨は、「栄えある文部科学大臣杯をいただき、海国日本のシンボルとして伝統に輝き、本年で第66回を迎える本体会を通じ、熱海市の益々のズポーツ振興を目的として開催する。」という、伝統あるがちんこ遠泳大会。とても人気も高く、出場する為にはどれだけこの大会に出場したいかの熱い思いを作文に書き綴らなくてはいけません。

ルールも大変厳しくて、
1,泳者3名、指揮者(監督)1名による団体泳とする。
2,泳者3名のうち1名でも落伍者を出したチームは失格とする。
3,チーム泳者は10m以内を集団で泳ぐ事。
4,失格と判定されたチームの選手は続泳はできない。
5,競技時間は4時間とする。制限時間内にゴールできないチームは失格とする。
という競技。もちろん浮力がついて泳ぐのが早くなるウェットスーツは禁止。

12kmもの距離を泳ぐだけでも大変なのに、ウェットなしで、しかも3人一緒のペースで泳ぐ、ハードル高いです。各チームに1艘、地元の漁業組合の方が出してくれる船が着き、その船に、監督者と応援の方が乗船します。
競技の最中にその船に乗り込む事はもちろん失格になるので、泳いでいる途中の水分補給やエネルギー補給は、ヒモで結ばれたウォーターボトル、そのボトルの周りにはエナジージェルがべたべたと貼付けてあるスペシャルエイドボトルが、泳者に向かって船から投げ込まれて補給、補給後は船からヒモを引っ張って取り戻す、という方法で行なわれます。大体30分に1回の補給、でもこの補給も止まりすぎると潮の流れで初島に戻されてしまうのであまり休めず、すぐ出発、って感じなので、結局泳ぎ続けます。

前日に開会式、昨年優勝の伊東高校の選手宣誓があり、熱海市の方のご挨拶があり、チーム紹介があり。どうやら伊東高校、今年も優勝すれば4連覇!(結果は優勝!!おめでとうございます)

 

レース当日は熱海港で全員が集合。その後、参加者全員が遊覧船で約1時間かけて、初島に渡ります。海は波もなく、天気も良く絶好のコンディション、初島到着後は初島の小学校の体育館でスタートの12時まで待機です。

校庭。

食べなきゃ損する初島名物

そもそもこの大会、大正15年に始まり、その後しばらく途絶えたものの、昭和23年に復活、その年を第1回として毎年続いている大会だそうです。第25回から文部科学省(当時は文部省)の後援を得ることになり、それ以降は例えそれが何曜日であろうとも、 必ず毎年8/4に開催される(理由は熱海市役所の方も知らず)というこの大会。主催は熱海市で地元の漁師の方も大変サポーティブ、潮の流れを読みながら船を操縦して泳者を熱海までリードしてくれます。

今年はプロトライアスリートでウルトラマンフィニッシャーの宮崎康子選手とKatz Matsuo選手と僕の3人で出場!12時のスタートまでにスペシャルエイドボトルを作ったり、ストレッチをしたりして今か今かとその時を待ちます。
スタートの初島港。

スイマーの方は体がでかいです。

気合いがみなぎるKatz選手!

なんと最年少は地元の小学生チーム!小学生で12kmってすごい。

 

そして30チーム、90人が12時の小学校のチャイムと共に一斉に泳ぎだし、沖で待つ自分達のチームの船にめがけて泳ぎだします。自分達のチームの漁船を見つけたら、その船にリードされながら3人でひたすら熱海を目指して泳ぎます、

泳ぎます、

泳ぎます、

泳ぎ続けます。


途中で補給をしながら。


ちなみに、補給は先日のShotzセミナーをいかして、Gelと電解質を入れた水で。

 

また泳ぐ。

やっと熱海が近づいてきました!!街が見えてきても、まだ泳ぐ。

で、やーっと、3時間00分17秒で熱海港に到着!!!!

ゴールゲートをくぐると、、
いつも通り、熱海の海水浴の風景、そんな中満面の笑顔でゴーグルのあとくっきりで海から上がってくるスイマー。

色々なレースに出ていますが、この大会はすごく好き。伝統が残る雰囲気の中でチーム3人力を合わせて、でも基本的に会話はなく(泳いでいるから当たり前)熱海に向かって泳ぎ続けるのは、完全トランス状態です。

このトランス状態ですが、以前読んだ記事:
Want to be More Creative? Get Bored./もっとクリエイティブになりたい?それなら何もするな!
に面白いことが書いてあるのを思い出しました。

アメリカで大変著名なマーケッター/ライターである筆者のMartin Lindstrom 氏はアイディアに詰まるとプールに向かうそうです。

泳ぎ始めると今まで悶々と考えていた事がクリアになっていって頭の中の整理がついてくるそう。この理由として彼は、「プールで泳ぎ続ける事が自分1人で孤独になって物事を熟考する時間を与えるから」と書いています。彼の記事でも紹介されていますが、同じ様な内容をEdward de Bono 博士(医学薬学心理学にも精通した世界的に有名な発明家、思想家)も彼の著作“Seriuous Creativity”の中で “Some of the best results come when people stop to think about things that no one else has stopped think about”:「とても良いアイディアは他の人がじっくりと立ち止まって考えるような事をしないような事に対して熟考してみた時にうまれる」と書いているそうです。

長い時間動き続けるエンデュランススポーツは、 1人になって、身体を動かしながらも頭の中では色々な事を考える時間を与えてくれます。確かに今回も熱海に向かいながら、体は一生懸命泳ぎながらも、頭の中では色んな事がぐるぐるぐるぐる、3時間もの間黙々と泳ぎながら自分の頭の中を整理する事ができた気がします。

まあ、でも、そんな大した事は考えてないんですがね。。

とにかく、素晴らしい大会!また来年もぜひぜひ出たいと思っています。

水泳帽とゴーグルの日焼け後がくっきり、夏休みの小学生スタイル!

一緒に泳いだ2人とサポートしてくださった皆さんと。

ありがとうございました!