自転車を見つめるときは、女性のことを見つめるときと脳が同じ反応をしているという。
そういうまことしやかなハナシが自転車界には存在しています。
ドーパミンが分泌されているということでしょうか?
そこにリスペクトがあります。
実際に、眺めてもうれしいのが自転車。
自転車が好きでモノをこよなく愛する男性たちは、自らの愛車や街で見かけたイカした自転車を見つけるとついついウットリしてしまうのです。
では、そんな美しさとはどこから来るものなのでしょうか?
数あるうちの答えから、わたしがコレはと思う答えのひとつに、自転車の持つシンプルさが挙げられると思います。
構成部品を極限まで限定したレース用の自転車であるロードレーサー。
足し算よりも引き算が似合います。
レースで使うからには軽量であることが大前提としてありますので、その影響から来る趣向なのかもしれません。
ですから装備品も最小にしておいたほうが良いでしょう。
塗装を保護するためのシールも見えないくらいで貼っておきたいものです。
保護するべき塗装のジャマになっては本末転倒ですからね。
こうした引き算だけれど、考えや思いは追加されて足し算のように。
引き算が積み上げられた自転車はやはり美しいものです。
それは鍛え上げられた肉体に例えられるのかもしれません。
さて、ここまで書いておいてナンですが。
自転車は自転車のみでは完成しません。
乗り物は乗る人が居て完成するものだからです。
自転車はとくに人間がエンジンとドライバーを兼ねるという点でも然り。
人車一体。
ここでトドメの足し算。
けれども、自転車は引き算で構成されている。
その思いを足しては引き、引いては足して。
完成度を追求していけたらと思います。
そこにリスペクトがある。