自転車競技は機材スポーツ。
自転車は最小減の限られたパーツで組み立てられています。
そんななかでカラダに直接触れるパーツはサイクリストとの相性が問われます。
そこで、一番神経が集中している手に触れる部分といえば、「ハンドル」であるわけですが。
そのハンドルに巻き付いているバーテープこそが最も手に触れる部分と言えるでしょう。
ときにはバーテープを巻いていないロードレーサーの自転車もあったりしますが。
あれはダメです。
バーテープは単なるお化粧や飾りではなく、安全上も機能的にも重要なパーツ。
実際、バーテープを巻いていなければレースに出走することはできないのです。
さて、このバーテープ。
種類を挙げればキリがないほどに多種多様。
すべての種類を完全網羅しているショップは世界じゅうどこにも無いでしょう。
それくらいに種類が豊富で、その違いは色だけではありません。
厚みや硬さにしなやかさ。
幅も違えば素材も違う。
その種類の多さたるや自転車の構成するパーツのなかで一番ではないかと思えるほどです。
タイヤの種類も多いのですが、バーテープの数にはかなわないはず。。。
まあ、そこでその膨大なレパートリーといいますか、ライブラリーといいますか、その中から悩んで決めて、相談してみたりして、ときには即決で選んでくることになるバーテープ。
ひとつに決めたら、イザ!ハンドルに巻こうというわけですが。
ここにも作法がございまして。
巻く方向はどうだ、重ねる量はこうだ、ハンドルのどの部分まで巻くのか、そうだ、レバーの回避の方法はああだ。
と、それは巻き手によって変わりますし、しかし、自転車に乗るヒトに合わせて変わるべきでありますし。
考えてみれば、ノイローゼになってしまうくらいに細かい世界、テープの世界で神経衰弱戦の様相です。
そういったある種の闘争を乗り越えて完成するのが自転車。
けれども、この段階では完成とは言えません。
最後にヒトが乗ることによってロードレーサーは完成体の完全体になるのですから。
そんな、モノとヒトをまさに密着関係にさせるのがバーテープ。
ですから、この部分を疎かにするなんてことは出来ません。
この部分はいつも神経が研ぎすまされた状態が理想なのです。
自転車乗りの自転車にたいする想いが反映されやすい部分と考えます。
言わばこゝろの鏡。
そこにリスペクトがある。