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(文 小泉咲子)

今はスポーツをライフスタイルとして楽しんでいるみなさんの中には、学生時代、部活やクラブ活動に熱中していた人も多いはず。でも、引退を機に、スポーツをする時間が一気にゼロになったり、新社会人となって仕事との両立に苦慮した経験を持っている人も少なくないのでは。日々の暮らしの中に、当たり前のようにスポーツがあるライフスタイルをブランクなく続けてほしい。そんな思いから、onyourmarkでは、大学生や新社会人、そして、仕事との両立に悩んでいる読者にむけてランニングを始めてもらう新規プロジェクトを立ち上げました。メンバーを集めたり、場所を確保したりする手間なく、自分の好きなときに、好きな場所でできるランニングは、社会人が生活に取り入れるにはもってこいのスポーツ。

まずは今年で卒業を迎える現役大学生3人による、フルマラソンの挑戦です。3月8日に開催される「名古屋ウィメンズマラソン」に向けて走り出した3人を追いかけます!

「名古屋ウィメンズマラソン2015」に挑むのは3人の女子大学生

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岡本怜(22)OKAMOTO REI
芝浦工業大学 システム理工学部4年
 

小学校からバスケットを始め、高校3年生までやり続ける。部活引退時に、チームのメンバーが写真をコラージュし、メッセージを寄せてくれたアルバムは宝物。大学では、「これまでと違うことを」とヨット部に所属。毎週、江の島のヨットハーバーで練習してきた。全日本学生ヨット連盟の女子委員長を務め、大会運営にも携わる。14年、10月に部を引退。今春、北海道大学大学院に入学予定。両親がホノルルマラソン経験者。

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丹治紗里(23)TANJI SARI
慶応義塾大学 文学部4年

小学校ではサッカークラブ、中学校ではバスケットボール部に所属。慶応義塾ニューヨーク学院(高等部)時代にサッカー部とバスケット部に所属し、秋と冬はバスケットボール、春と夏はサッカーと、年間を通じてスポーツをしていた。3年生のときには、キャプテンも経験。大学入学後は、チアガールサークルへ。定期的に東京ディズニーシーでパフォーマンスを行っている。

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丸山芹奈(22)MARUYAMA SERINA
慶応義塾大学 環境情報学部4年

慶応義塾ニューヨーク学院(高等部)で、バスケット部と女子サッカー部に所属。小学校から、水泳を習っていて、今でもジムのプールで泳いでいる。これまでもっとも長く走ったのは、高校でのマラソン大会で1マイル(1.6㎞)。秋入学のため、卒業予定は今年の9月。学校の寮に住んで同じ高校に通い、部活生活を送っていた丹治さんとは、帰国した今でも大親友。

入り混じるワクワクと不安の初顔合わせ

2014年、12月末。「名古屋ウィメンズマラソン」完走をゴールに掲げる3人が、初めて顔を合わせた。この日から、42.195㎞という未知の世界への挑戦が始まるわけだが、楽しみと不安が交錯しているようだ。

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――フルマラソンに挑戦してみようと思った理由は?
丹治 「42kmを走るなんて、なかなかできない経験ですよね。ひとりだと踏み切れなかったかもしれないけど、同年代の仲間といっしょに走れば、励まし合えるし絶対に楽しいと思って」

岡本 「運動は元々大好きで、親がホノルルマラソンを走ったこともあって、フルマラソンには興味がありました。走るからには、私も結果を残したいです」

丸山 「ネガティブな性格で、新しいことに挑戦すること自体に緊張してしまうんです。だから、これまでの人生で、大きな目標を決めて達成した経験がなくって。今回のフルマラソンでは、ちゃんと結果を出して、自信につなげたいですね

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――挑戦するにあたり、不安は?
丸山 「ランニングというと、ダイエットというイメージしかなくて。実際、痩せようと思って朝5時に起きて走ってみたんですけど、1日で終わってしまいました(笑)。それなのに、フルマラソンなんて、完走できるのか不安は大きいです。でも、無理せず、自分らしく頑張ります!

丹治 「家族にフルマラソンを走ると伝えたら『嘘でしょ!? 大丈夫なの?』って心配されました。私自身、6時間もずっと走り続けられるのか、怖さもあるけれど、準備さえしっかりやれば楽しめるんじゃないかなって思っています。自分がどこまでやれるのか、楽しみでもあります

岡本 「部活時代、大変だったことを乗り越えてきたので、難しいことに挑戦することに躊躇しなくなりました。『完走できるのかな』とは思うけど、ワクワクのほうが強いです。完走して、自分に驚きたい!

準備期間は2カ月半。12月中には全員が10kmを走破

準備期間はおよそ2カ月半。初フルマラソン挑戦としては短いが、部活をやっていたことで基礎体力があるおかげか、12月中には全員が10kmを走破。ポテンシャルの高さを見せた。

「人生で初めて10km走れたときは、最後の2 kmはしんどかったけど、本当に嬉しかった!2度目の10kmは7分もタイムを縮めることができて、モチベーションがどんどん上がっています。それに、走るようになってポジティブになってきたんですよ。翻訳のバイトを自宅にこもってやっているので、外を走ると気持ちがいいですね」と丸山さん。初顔合わせで、もっとも不安を吐露していた彼女だが、走れる距離が伸びるにつれて自信を深め、内面に起った変化に嬉しそう。

丹治さんも「走り終わったときはとにかく爽快!今ならまだいろいろペースを試せるので、NIKE+Runningアプリでペースを確認しながら、『次の1kmはもう少し速く走ってみよう』と調整しています」と手応えを感じている。高校時代の部活で、腰を疲労骨折してしまった岡本さんは、様子を見ながら練習を続けてきた。

学生とは言え、学校生活に加えバイトもあり、岡本さんと丹治さんは卒業論文の仕上げも抱えている。走る時間は、どうやって作り出しているのだろう。「週2回、平日と週末に1回ずつ走るのを基本にして、1週間単位でこの日は朝起きて走ろうとあらかじめ決めています。週2回なら早起きも無理なく続けられますね
と岡本さん。ほかのふたりも、朝走る派。目標が朝スタートの大会なので、身体も慣れていいという判断もある。

グループ練習で刺激し合いモチベーションをアップ!

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(写真 川越まどか)

そして、1月中旬、グループ練習を開催することに。自分たちなりに手探りながらも練習法を調べ、着実に走れる距離を伸ばし、ペースを上げてきた3人。この日は、軽く2kmのジョギングを行った後、ダッシュ走を試してみることにした。

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100mダッシュを4本。大股で腕を全力で振って走り抜けるスピード走は、タイムアップを目指すランナー向けと思われがちだが、もちろんビギナーランナーの走力アップにもいい練習法。短時間で効率的にトレーニングができるので、長い時間をかけられないときに取り入れるのもいい。とくに、ジョグ後のダッシュは、固まった身体をリリースするのにも有効だ。

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シューズはお揃いのNIKE LUNARGLIDE 6。「クッション性が高い!」(丸山)「シューズ、かわいいでしょ?見て見て!って思っちゃう」(丹治)と、機能性にも見た目にも大満足。「ふだん着では難しいけど、ランウェアだと元気がでるカラーリングを選べるから不思議(岡本)
この日、3人が口を揃えて言っていたのは、「みんながいるから頑張れる!」ということ。ひとりで好きなときに、心地いいペースでランの自由さだが、集まって練習するのも、モチベーションが刺激されていいもの。自分だけでは甘えが出てしまうキツい練習も、みんなだとこなせる。フルマラソン完走の思いを新たにしつつ、「また、集まっていっしょに練習しよう」と約束をしてフィールドを後にした。