(写真 55 Co.,Ltd / 文 小泉咲子)
【名前】小俣 雄風太 YUFTA OMATA
【生年月日】1986年2月10日
【職業or所属】Rapha Japan プレス
【やっているスポーツ】サイクリング(11年)、登山(2年)
【HP or BLOG】http://yufta.tumblr.com
ロンドン発のサイクリングウェアブランド「Rapha」のプレスをしている小俣雄風太さん。日本支社はなんと標高1350mの八ヶ岳東稜の野辺山。今の仕事に出合うまで、そして、ロードバイクの根本的な魅力を語ってくれます。
自転車&登山に絶好の環境がベース
自宅は小淵沢で、職場は野辺山。直線距離にすると20㎞くらいなんですが、標高差が600mあるんです。上り下りがある道を走るのは楽しいですね。
自転車だけでなく、登山もやってるんですが、あのゆっくりさがいいですね。1回、GPSでログ取ったことがあって、獲得標高が自転車ではありえない数字が出たんです。それがすごく面白くて。登山って、ゆっくりだけどすごくエクストリーム。できる環境もあるので、トレランもやってみたいです。
「Rapha」との出合いとは
「Rapha」の日本法人が立ちあがったのが、12年の春。僕が、社員第1号でした。しばらくは、寒いオフィスの中で、社長と僕のふたりだけ(笑)。大阪と東京に直営店ができて、スタッフはだいぶ増えましたけど、今も日本支社にいるのは4人です。
「Rapha」との縁は、今、自転車のフォトグラファーとして第一線で活躍している辻啓君。彼は、学生時代から自転車を通じた仲間で、僕は、その頃から自転車系のライターと写真の仕事をしていて、Rapha Japan GMの矢野大介と繋げてくれたんです。大学の学部にいたとき、フランスに1年留学して、大学院も小学校教師の免許を取るプログラムのため時間がかかり、3年間行くことに。計8年学生をして、「Rapha」に新卒として入りました。
でも、そもそもの出合いを辿ると、仕事としてではなかったんです。「Rapha Continental」という各国で5、6人のライダーのライドをフィルム、写真、文章で構成するドキュメントプロジェクトがあるんですが、そのメンバーに選んでもらい、出演したことが始まりでした。フランスに行った、若くて自転車を好きなヤツがいるって面白がってもらえて。このときは基本的には、1日1ライド、どのルートを走ったか地図を公開していきました。クリアできるかできないかギリギリの激しいルートを引くんです。このプロジェクトに誘ってもらって、シリアスに自転車に乗るようになったところがありますね。
ロードバイクはもっと冒険的なスポーツだった
「Rapha Continental」は、1800年代後半~1900年初頭のロードレーサーが見た風景や感じたエモーションを広めていこうというのがコンセプト。もともと、ロードバイクって、冒険めいたスポーツだったんです。人が行ったことのない場所、旅してない道をどんどん切り開いていく喜びがあった。舗装がガタガタだったり、熊が出るようなところを走るから、命すら危ない。最近は、カーボンだ、細いタイヤだと、スピード効率を求めるあまり、システマチックになり過ぎてしまっているように思えます。
「Rapha」は、ウェアはオシャレだと思われているんですけど、やっていることはすごく泥臭いんです。ライドは、未舗装の道が必ずあって、グラベル(砂利道)が定番。オシャレな服を汚さないように走るんじゃなくて、ガンガン泥の中を突っ込んで行こうよ、と。
もっと、自転車に乗る本質的な喜び、人の手が走っていない場所を走ったり、仲間と支え合う絆で苦しい道を乗り切ることで、見える世界があるんじゃないか。そうしたことを、各国の特色を出しながら、ドキュメントして伝えているのが「Rapha Continental」、ひいてはRaphaのメッセージです。