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(写真 坂本琢哉 / 文 荒川千絵 / 協力 ニューバランス

5月22日に開催された「ブルックリンハーフマラソン」にわたくし、編集部員荒川千絵が参戦しました。トータル3回に渡る連載となるこの企画。第一回目は、リサーチを兼ね、セントラルパークやブルックリンとマンハッタンをつなぐブルックリンブリッジ、そして、ローカルレースとして人気のエキスポの取材です。

フルマラソン人口19万人と世界一の競技人口を誇るアメリカ(次いで日本が10万人、フランス4万人)の中でもランニングコミュニティが成熟している都市、ニューヨークのランニングライフに迫ります。なぜ、ここまでランニングがライフスタイルに根付いたのか? 彼らが持つランニングへの意識を私なりに紐解きます。

ランニングの聖地、セントラルパークでグループランに参加

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ニューバランスがサポートしているランニングクラブ、「セントラルパークトラッククラブ」略して“CPTC”のグループランへ参加。1973年に設立された、老舗のランニングクラブは多くのランナーが登録しています。

この日集まったメンバーは30人くらい。毎週水曜にグループランをしているそうですが、一緒に走った女性の話を聞くと、メンバーはほぼ毎日と言ってもいいくらい毎朝セントラルパークで走り込んでいるそうです。彼女を始め、この週末に開催される「ブルックリンハーフ 2016」にも多くのメンバーがエントリーしているそう。
今回一緒に走ってくれた美女たちに、「ブルックリンハーフ 2016」への目標タイムを試しに聞いたところ、「“1:18”くらいかな」って軽く言うもんだから、腰が抜けるほど驚いてしまった次第です。そこで、みなさんのランニングキャリアをそれぞれ聞いてみました。

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左から:GLACE 職業:教頭先生 ランニング歴:10年 自己ベスト:3:09(フル)、ALEX 職業:アナリスト ランニング歴:20年 自己ベスト:2:44(フル)、VERONICA 職業:金融顧問弁護士 ランニング歴:20年 自己ベスト:2:54(フル)、荒川千絵(僭越ながら) 職業:onyourmark編集者 ランニング歴:12年 自己ベスト:3:39(フル)、ANDREA 職業:ソフトウェア開発 ランニング歴:17年 自己ベスト:1:20(ハーフ)、IBETTE 自己ベスト:1:19(ハーフ)
タイムもキャリアも(体型も)橋にも棒にもかからない歴然としたこの差。人生のキャリア(実年齢)はたいして私と変わらなそう。聞けば、いつからランニングを始めたとかじゃなく、10代の頃から日々ランニングが習慣だったそう。私はと言えば、10代の頃は”走る”ではなく、”走らせられていた”意識であり、捉え方は真逆です。いったい大人になってからの走るモチベーションはどこにあるのか? と問えば、「私の仕事は非常につまらない、モチベーションを維持できない仕事なの(笑)。ランニングは自分の気持ちを高めてくれるの」と、金融顧問弁護士のVERONICAが答えくれました。環境は違えど、大人になってランニングが与えてくれるものは一緒なのだと実感しました。

マンハッタンへとつなぐブルックリンブリッジは、観光名所に留まらず。

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マンハッタンや自由の女神など、パノラマなニューヨークの景色を楽しめるブルックリンブリッジは日中は観光客で賑わう観光名所。ですが、am8:00のこの橋は、ランナーやバイク通勤の人が行き交うアクティブコースです。

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ランニングをした日、マンハッタン側の橋の麓ではビタココのワークショップが開かれていて、自転車通勤をしている人たちに向けて無料で提供しているとのことでした。話を聞いてみると、どうやらこの日は自転車通勤推奨日だったそう。そして、自転車通勤とは一切関係ない、私たちにもサンプリング。頑張った人に、ココナッツウォーターをプレゼントとは、なんともシャレた計らいです。最初は車渋滞の緩和として啓蒙された運動も、こういう活動があることによって、身体を動かす側の意識も高くなり、拡散されていくような気がしました。

居心地のいい空間が演出されたエキスポ

さて、ニューヨークのコミュニティの意識を踏まえ、今回のメインイベントとなるレースのエキスポへと向かいます。世界で最もヒップな街、ブルックリンで行われるローカルレースはどれだけランナーに寄り添う大会なのでしょうか。

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ハーバーに設置された会場は、海沿いにフードやドリンクのブースが並び、大勢の人で溢れてます。

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寝そべり、地べたに座り、お酒を飲み、談笑したりとみんなリラックスムード。

エントリー会場の入口は人口芝が敷き詰められたフカフカの路面。ブランコ、モニュメント、投げ和、などなどが設置され、ティーンから、子連れと様々な世代の人たちが各々の時間を過ごせる空間が広がります。

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プラカードを持ったスタッフが数名スタンバイ。

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参加賞Tシャツに、好きな言葉をプリントしてくれるサービス。私は“onyourmark”とプリントし、たったひとつしかないTシャツをカスタマイズ。
エントリー会場屋内に入ると、様々なブースが並んでいました。単に商品を展示するのではなく、それぞれのブースが役割を果たしている感じが心を緩めてくれました。

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ブース内には無料のコーヒースタンドも。ブラック、ラテなど一通りのカフェメニューが揃います。

今回のエキスポで一番刺激的だったのは、ブルックリンハーフ限定の物販グッズのクオリティがとても高かったことです。そもそも大会ロゴなどを始めとするグラフィックがすごくかわいいのです。

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今回のスポンサーであるニューバランスのウェア類も、日本ではあまり見たことのないエクスクルーシブなアイテムばかり。

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ロゴが入ったバッグや、ステッカー、マグカップなどお土産にしたいものが揃います。そして、今回レース中にも多く見かけたニューヨークロードランナーズ(NYRR)が運営するコミュニティ“RUN FOR KID’S”のグッズも多く取り揃えていました。

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夕暮れになると、特設ステージでライブが始まりました。コーヒー飲んで、お買い物して、ビールを飲み、生演奏を聞く。その時間はレース前夜とは思えぬ開放感。明日への緊張も自然と和らぎ、寛いだ気持ちに満たされました。

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今回一緒にニューヨークへと向かったメンバーであるランナーズパルス編集長の南井さん、フイナムランニングクラブ♡の部長榎本さん、繊研新聞の記者杉江さんに、フリーカメラマンの南部さんとニューバランスチームで記念撮影。

いつの間にか、すっかり気持ちはローカルランナーになっていました。レース=結果(タイム)ではなく、ランニングライフの延長線上にレースがある、という意識が芽生えた旅となりました。