(写真 KUNI TAKANAMI / 文 倉石綾子 / 協力 MOUNTAIN ATHLETICS)
夏はセルフビルドのツリーハウス「nozawa green field」の運営と畑仕事、北竜湖や千曲川でのSUPツアーのガイド。冬は雪山を滑りながらスキーの魅力を発信するナチュラリスト、河野健児さん。長野県の豪雪地帯として知られる野沢温泉村に生まれ育ったことから、幼少時から長野の自然に親しんできた。
「日本は四季がはっきりしているというけれど、長野の北信エリアはとりわけその傾向が強い。ひとつの季節はもちろん、その移ろいにさえもメリハリがあるんです。深い雪に閉ざされる冬、春先に地中から顔を覗かせる山菜や山の恵み、輝くような新緑に包まれる5月。暑い夏を経て11月に紅葉が始まり、初雪が舞い始めると一気に冬のスイッチが入る。こう考えてみると、長野の1年はあっという間ですね」
身の回りに息づく自然への愛着は、年を経るごとに強くなっている。実は河野さんは一流のスキーヤーだった。小学2年生から18歳までをアルペンスキーの選手として活躍した後、フリースキーに転向。雪上の格闘技とも呼ばれるスキークロスに魅了され、世界を舞台に戦ってきた。そうした生活にピリオドを打った時、河野さんが抱いたのは「長野をベースに、自然とつながる暮らしを長く続けていきたい」、そんな思いだった。
森から川へ、そして海へ。長野の自然を120%楽しむ。
昨年には日本最長を誇る信濃川の源流から日本海まで367kmを、キャンプ道具を携えてSUPで旅した。急峻な流れはやがて大らかなうねりとなり、そして日本海へと注ぎ込む。それぞれのポイントで異なる景色が広がっていて、その景色の連なりは、海も森も川も、すべてが一つにつながっているという視点を河野さんにもたらした。
「北アルプスや信越五岳を擁する長野には山のイメージがつきものですが、千曲川、木曽川、天竜川と、悠々たる水の流れに恵まれた地域でもあるんです。長らく故郷の雪山を滑ってきましたが、SUPをやるようになったいま、山に加えて川を知ることもできたんです」
「冬こそ本番」というスキーヤーとしての意識は、SUPのおかげで「夏もオンシーズン」というさらにポジティブなものに変わったという。現在、思い巡らせているのは、四万十川のSUPパッキングや利根川の源流から太平洋までの旅。森も川も海も一つにつながっていると考えたら、遊びのフィールドは無限に広がる。
山から川へ、スキー板からSUPへ。季節に合わせて道具もフィールドも自在に変えて、自然の遊びを追求し続ける河野さん。よく遊び、よく動き、よく生きるためには、「本質」こそが重要だと考える。
「例えばアウトドアの道具なんて、それでしかないですよね。道具をうまく使いこなすには、そのものの本質を捉えなくてはいけない。これはどういう道具で、この構造やディテールがどんな役割を果たしているのか。そこを理解しないままむやみやたらにいじっていても、使いこなすことはできません。逆に、ものの本質を見極められればそれとの付き合い方は格段にスマートになります。自然での遊びも、生活も、生き方も同じこと。本質を捉えていなかったら、楽しむことはできないんです」
トレーニングも道具選びも、本質的を求める。
河野さんにとっては、よく遊び、よく生きるために欠かせないというトレーニングも同様である。現役時代、パフォーマンスを上げるために行っていたトレーニングは、日々の生活の質を向上させるためのそれに変わった。現在のトレーニング内容といえば、例えば畑仕事だったりセルフビルドの小屋造りだったり、あるいはSUPのポンピングだったり。日常のあらゆるシーンが実践的なトレーニングになる。現役時代より身体は小さくなったというが、これが現在の生活スタイルに最もフィットする身体なのだ。
「トレーニングの本質は、この動きはどこを使うのか、どうしてこれが必要なのかという意識だと思うんです。身体へ常に意識を傾ける、それが成果に結びつく」
だから身の回りにも本質的なモノしかおきたくない。自らSUPブランドを立ち上げたのも、「デザインが良くて、ウォーターフィールドへの旅のシーンを想起させてくれて、遊びの可能性を広げてくれる」という、自分が求めるものを満たすSUPを見つけられなかったから。スキーのギアも、身につけるウエアもまた然りである。
「モノ選びに際して僕は見た目を重視するんですが、それは見た目には機能が宿るとわかっているから。機能とデザインのどちらをも備えていること、それが本質的だと思うんです。そしていいモノを選ぶには、自分の本質もわかっていなくてはなりません。そうすればいまの自分のスキルや経験値、目標、ゴールにぴったりフィットするモノを選べると思うんですよ」
河野さんにとっていいモノを選ぶという行為は、自らの本質を探るプロセスでもあるのだ。
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