(写真 飯坂大 / 文 礒村真介 / 協力 TomTom JAPAN)
東京中央区の馬喰町は洋服の問屋街として発展し、年月を経た雑居ビルが整然とならぶイーストタウン。その古いビル群の一画には個人経営の興味深いショップが点在しており、トレイルランニング&ランニングの専門店Run boys! Run girls!もそのひとつ。そしてオーナーの桑原慶さんのもとには、トレイルランを始めたい人から、コアなギア好きのランナーまでがひっきりなしに訪れる。トレイルランを楽しむためにはさまざまなギアが必要になる。そのギアの一つとして愛用しているのが「TomTom Adventurer」だ。山というフィールドを巡り、東京の下町に店を構える。そのスタイルは「TomTom」が持ち続けるアイデンティティと酷似している。
「BORN TO RUN」がトレイルランの世界を広げてくれた
元々はゲーム会社でTVゲームの開発に関わり、その後は独立してフットサル場を経営していたという桑原さん。2009年に東京マラソンを走るも、本格的にランニングに取り組み始めたのはそのしばらくあと。
「実は一番のきっかけはダイエットなんです。30代も後半にさしかかり、体重は増加、体調は悪化をたどり、今までと同じ生活スタイルではちょっとキツくなるぞ、と。それでまずはジョギングから始めました。ほどなくしてそれなりに走れるようになり、そのときに友人が『じゃあトレイルランをしよう』と。それがトレイルを走り始めたきっかけです。とはいえ、最初はそこまでのめり込んでいたわけではなく、ましてや自分がお店をやるようになるとは想像すらしていませんでした」
そんなこんなでトレイルランを続けているうちに、ある日一冊の本に出会う。『BORN TO RUN』。メキシコの僻地に暮らす“走る民族”と“アメリカ最強のウルトラランナー”とが競うレースを軸に、人はなぜ走るのか(走れるのか)に迫った壮大なノンフィクションで、世界中でスマッシュヒットを飛ばした。元々この本を読んだ仲間が騒いでいたこともあり、桑原さんは気になっていた。いざ読んでみると、その内容と、走るという行為の奥深さに心踊らされる。「では、どうして自分は走るのか」。その問いを探すべく、その半年後には自身初のウルトラトレイルレースに挑戦することになる。
東京にもワクワクできるショップが欲しい
さすがにこのままじゃ完走はできないと、トレーニングにギア選びにと本腰を入れていくうちに、東京には自分にとって“ちょうどいい”ショップが無いことに気がつく。東京だから専門店の品揃えに不足はないし、知識のあるスタッフもいるのに。かたや、神戸・芦屋にあるスカイハイマウンテンワークスのような、小さい個店だけれどオーナーの考えが貫かれたショップでは「このギアを山で試したい、もっと山に行きたい」とモチベーションを掻き立てられた。
「どうして東京にはこういう場所がないんだろう。誰もやってななら、自分がやろう!と。たかだかトレイルランニング歴1年そこらの初心者なのに(笑)」。
折しもそれまで手がけていたフットサルや飲食の仕事がひと段落しており、モチベーションを持って取り組める次の何かを探していたタイミングで、めぐり合わせもよかった。
「当時は震災直後で、漠然とですが次にするのは “ちゃんとした仕事”がいいと考えていました。それまでやっていたフットサルや飲食も十分ちゃんとした仕事なんですが、より明確に目に見える価値を提供して、その対価として報酬をもらえる仕事をしたい、と思ったんです。そう考えると、トレイルランニングって、走ることで体重が落ちて健康になったり、100kmのトレイルのようなこれまで走れなかったきつい環境を走れるようになったり、ランナーが手にする価値が目に見えてわかりやすく、お店を持ってランナーと関わることは自分が納得できる仕事でした。それだけじゃなくて、トレイルランナーは辛い環境も笑い飛ばして乗り越えちゃうような、独特のタフなメンタリティを持っている。ということは、トレイルランニングを広めていくことで、世の中にタフな人が増えたとしたら、世の中に多少なりとも貢献したってことになるんじゃないかな、って。そんな割と真面目な思いもありました」
トレイルランナーだから、ひとたび決意したらポジティブに前のめり。物件を契約したのは2012年の春。商品の仕入れや人脈つくり、イベント開催など一年間の準備期間をへて、2013年の4月にオープンを果たした。
走ることの垣根を取っぱらう、その機会を提供することが使命
その後今までの4年間で、Run boys! Run girls!はトレイル&ランニングの好きな人たちが集まる、欠かせない東京の場となっている。
「僕たちはとにかくコミュニケーションを大切にしています。初心者でも上級者でも、まずはその人が何をしたいのか、どんなフィールドに行きたいかを聞いて、それに合うギアをお薦めするようにしています。またモノを売るだけが仕事だとは思ってなくって、いろんな機会を提供する場でありたいとも思っています」
例えば、もう3年以上まるまる続けているのが“火曜の夜のグループラン”だ。閉店後に皆で集まってただ走るだけの、料金も事前予約も要らないイベント。
「そこにふらっと来たあるお客さんが、最初は10km走るのもやっとのレベルだったのに、気がついたら今度は100マイルに挑戦します!ということになっていたり、あるいはグループランで知り合って結婚することになったカップルがいたり。僕らはある意味、機会を提供するだけなんです。でもそこからのめり込んでいった結果、人生が面白くなったという声をいただくことがしばしばあって。それはすごく嬉しいことですね」。
Run boys! Run girls!のアイテム選びのこだわり
桑原さんが自身のショップのギア選びで重要視しているのは、まず自分が使って使いやすいかどうか。
「トレイルランニングってストレスを伴うアクティビティなんです。ずっと気持ちいいだけでなく、キツい局面もある。その中で使いやすいモノかどうかは意外と少しの工夫の差にあって、例えばパーツの位置が少しどちらかに寄っているかどうかで違うんですよ。なので必ずユーザー目線で選ぶようにしています。あとは、もっとランニングにカジュアルに触れて欲しいので、日常とアクティビティの壁をとっぱらう、帰宅したそのままの格好で走れてしまうようなウェアなどを多く扱うようにしていますね」
その意味では、TomTom Adventurerは親しみやすく実に好印象だという。
「トレイルランでは、GPSと運動強度のわかる心拍計の機能がついた時計が必要になってきます。でも自分は凄いガジェットおたくというわけでもないので、たとえ高機能でもそれを使いこなすための手間が増えたり動作が複雑化すると、面倒臭くなってしまうんです。例えば独立した胸に巻くタイプの心拍ベルト。レースであれば忘れることはないんですが、普段のランニングだとつい忘れてしまう、みたいな。自分にとってツール類は使いやすいことが大事。その点TomTomは操作性が抜群によくって、十字キーがシンプルで使いやすい。どこかを押していけば何かにたどり着きます。モニターの視認性もよく、着けていて軽いので、カジュアルに使っていけますよね。トレイルランに必要な機能も一通り揃ってますから。
距離の長いレースで長時間使う必要があって、しっかり獲得標高を計測してレースマネジメントして……というシチュエーションでは、バッテリー駆動時間の関係でより専門的なウォッチを使うかもしれませんが、それ以外の日常の山ではオールインワンで動作もシンプルなこれくらいの時計がちょうどいいですよね」
桑原さんが愛用している「TomTom Adventurer」
ランニングだけでなくハイキングやトレイルラン、バイク、スキーなどを楽しむ人のためのGPSアウトドアウォッチ。GPSに加え気圧計、コンパスを備え、高度や標高差、3次元距離、スピードなどのリアルライムデータを画面で把握できる。心拍センサーは手首から直接測定できる光学式のため、わずらわしい胸ストラップから解放される。そのほかワイヤレスでの音楽再生や、事前登録したGPSデータによるルートナビゲーション機能も。40m防水。iF Design Award 2017受賞モデル。
また、世界で初めてGPSランニングウォッチに光学式心拍センサーを搭載したブランドである事など、高い技術力を基に常にユーザー視点に立った製品開発を続けている。
TomTomでは現在、日本上陸1周年キャッシュバックキャンペーンを実施中!
詳しくはこちら→https://tomtompromojp.sales-promotions.com/
桑原 慶(くわばら けい)
東京のトレイルラン&ランショップ「Run boys! Run girls!」オーナー。2011年よりトレイルランを始め、今ではUTMBなどの100マイルレースを完走するまでに。2017年は信越五岳トレイルランニングレースに新設された100マイルの部にチャレンジする予定。