パフォーマンススポーツから、シティライドまでを網羅するサイクリングブランドRapha(ラファ)が、世界的なパンデミックにより高まっている自転車利用の機運を、維持向上させるためのキャンペーンを開始した。自転車に乗る人すべてが対象で、数えきれないほどのストーリーがすでにポストされている。
なぜ、あなたは自転車に乗ることを選んだのか。健康のため? 競技をするため? 環境のため? あるいはすでに日常生活に溶け込みすぎていて、理由すら思い出せない人もいるかもしれない。
新型コロナウイルスの流行とロックダウン政策・自粛要請の期間を経て、いま世界的に自転車の利用率がかつてないほど高まっている。パリやニューヨークといった大都市で、自転車による移動を選ぶ人が増え、行政もバイクレーンの距離を伸ばしている。日本国内でも、移動のため自転車のニーズが高まっていることは、サークルズのAyaさんともんじゃさんとのポッドキャストでもお伝えした。
ニューヨークでは自転車と歩行者専用の橋をマンハッタンに作る計画が浮上するなど、コロナ以降の「新しい生活様式」においても自転車の果たす役割は大きくなるだろう。一方で、自粛解除によってこれまで通りの日常へと戻ってしまう可能性もある。この春に物置から掘り出されてきた自転車が、再び日の当たらないところで埃をかぶるのであれば、それは単純にもったいない。自転車は人との接触を避けられるということ以上に、適度な運動をもたらし、心身の健康に寄与し、環境に優しく、サスティナブルな街と生活に欠かせない乗り物なのだから。
サイクリングブランドのRapha(ラファ)がスタートした #choosecycling「自転車を選択すること」は、世界的な自転車への関心の高まりを一過性のものに終わらせないためのキャンペーン。もともとはイギリスの自転車連盟ブリティッシュサイクリングが国内で自転車に乗る人を増やすためのキャンペーンだったが、この趣旨に賛同したラファがグローバル規模のメッセージとして発信する。
キャンペーンは、Instagramでのハッシュタグ #choosecycling を利用する。自転車に乗る、あるいは乗った時の自らのポートレートとともに、『自分が自転車を選んだ理由』を記載してもらうというものだ。すでに多くの投稿がInstgram上でなされており、自転車がこれほどまでに各個人の心情やライフスタイルと関わっていることに改めて驚かされる。
「自転車に乗ることで世界を新しく見るようになった。モノからよりも、体験や冒険からの方がいつも大きな幸せを感じられる。経験こそが幸せの元だとイエール大学のオンラインクラスで学んだけど、その通り。自転車生活は私の心を真にハッピーにしてくれるから、同じフィーリングをもっと多くの人に感じてほしい #choosecycling」
「サイクリングは自分の人生に深く織り込まれている……仕事にも影響しているし、コミュニティや、競技、そしてアイデンティティまで。サイクリングがくれたものは親友たちと、数え切れないほどの思い出と、辛い時期に支え合える仲間たち・・。しかし自分の子どもたちと一緒にサイクリングを楽しんでいること、これに勝るものはない。『お父さん、今日は最高の1日だったよ』なんて言われた日には。この『スポーツ』はこれからも特別なものだよ。#choosecycling」
グローバルキャンペーンのため、英語での投稿が多く目につくが、投稿は日本語でもOKだ。Rapha Japanでは自転車活用推進研究会、サイクリング・エンバシー・オブ・ジャパン、バイシクル・エコロジー・ジャパンと共同でこのキャンペーンを推進しており、これから数多く日本からの投稿があることが期待される。また、日本からの投稿の数が多ければ多いだけ、日本が自転車を大事に考えている国であることを世界に伝えることにもなる。
この場で発信することは、日本国内の自転車事情に変革をもたらす可能性すらある。自転車の乗り方のマナー、ドライバーや歩行者との関係、走行場所の問題など、諸外国と比較して遅れていると評されがちな日本の自転車利用だが、サイクリストひとりひとりが自身の思いを発信し、いかに自転車が個人の人生や生活を支えているかが可視化されると、それは日本のサイクリストの声となる。クルマ主体の街づくりや、行政に市民の声を届けることにもなろう。
変わらず自転車に乗り続けてきた人はもちろん、この春に乗り始めたという人や、本格派ではないからと自分を「サイクリスト」と名乗ることに抵抗がある人こそ、「自転車を選択した」その理由を投稿してみてはいかがだろうか。
「わたしがサイクリングを選んだ(#choosecycling)のは、自転車が何もかもを与えてくれるから。一番の親友たち、健康、仕事、自然へのアクセス方法、お日様、エンドルフィン、澄んだ空気、モノを壊しては直し、そしてまた使えるようにする能力、いくつもの国と文化を旅する手段、自分の人生を愛すること、彼と過ごす手段。自転車は自由への乗り物。あなたがもし始めてみたいと思うなら、どんなことでも手伝います!」