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50mmレンズが好きで、出来るだけこのレンズだけで表現できるように努めていた時期があった。10年前に参加したメキシコのトレランレース〈ウルトラマラソン・カバーヨ・ブランコ〉のレポート『sports travelling メキシコ コッパーキャニオン』も、NOKTON 25mm f0.9(マイクロフォーサーズのボディに付ければフルサイズ換算で50mmになる)という変わったレンズ1本勝負で済ませてしまった。

50mmは、いわゆる標準レンズと呼ばれ、肉眼で見た世界に近い写真が撮れるといわれている。だけどそれは本当だろうか?個人的にはまだ対象を切り取る“意図のある画角”に感じるようになっていた。そんな時に見つけたのがコンパクトカメラの名機〈GR DIGITAL〉 に40mm相当のレンズが配された〈GR IIIx〉だった(APS-Cセンサーサイズのため、レンズ焦点距離自体は26.1mm)。GRといえば広角単焦点28mm画角が伝統で、あらゆるものが映ってしまうこの画角を使いこなすのがこのカメラの醍醐味。けれど敢えて40mmを選ぶことで、50mmより少しだけ広角に、つまり“意図のある画角”より一歩だけ“客観的”になれるという今の気分にピッタリと合致した。

実際に使ってみると、40mmは日常を切り取るのにピッタリだった。自分の目にしたものをすんなりと画像に移し替えることが出来る感覚。しかもそれが〈GR DIGITAL〉らしいしっとりとした画作りで瞬時に捉えられる贅沢。

手に馴染むサイズで毎日持ち歩くことにストレスはないし、wifi接続もスムーズでスマートフォンにいつでも転送できるから、スマホカメラを使う機会がグッと減ったことに気づいた。

実は最近のmarkの記事『作品をレンズとして自然を見てほしい KIKI〈MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館〉』の写真のほとんどは〈GR IIIx〉で撮ったものだ。今後、このカメラで撮った写真がmarkの記事として皆さんの目に触れる機会が増えるかもしれない。

GR IIIx / RICOH
オープンプライス
参考価格:129,800円(税込)リコーイメージングストア https://ricohimagingstore.com/gr.html
問い合わせ先:リコーイメージングお客様相談センター
TEL:0570-001313