ランニングを始める理由は様々だが、ダイエット目的という人は少なくないだろう。そのためにもまず、運動時にエネルギーが消費される仕組みについて知っておきたい。
運動時に必要なエネルギーは糖質(グリコーゲン)と脂肪から作り出される。低強度の運動では主に脂肪から、中強度を超える運動強度になると糖質からエネルギーが作られる。速く走る際に欠かせないのは糖質。消化吸収されやすく速やかにエネルギーに変換される。
だが体内の貯蔵量がそれほど多くなく、例えばフルマラソンを走ろうと思うと途中でエネルギーが枯渇し、パフォーマンスが落ち始める。糖質に比べて貯蔵量の多い脂肪をメインのエネルギー源として使えればいいのだが、脂肪は糖質ほど効率よくエネルギーに変換できないというのが問題点。脂質だけを燃料にすると速く走れなくなるというデメリットがある。
これを解決しようというのが、サッカーの長友佑都選手が実践していることで話題になった「ファットアダプテーション」。体内に蓄えた脂肪をエネルギー源として効率よく使える身体を作る食事法だ。なお、ウルトラマラソンやアイアンマンレースなどのエンデュランス系スポーツには脂質代謝が向いているが、2、3時間程度の運動や走速度の速いランナーには糖代謝が有効だといわれている。
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