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研究者たちは以前より、定期的なエクササイズによって筋肉中のミトコンドリアを増やすことを知っていました。そのミトコンドリアがエネルギーを生成するため、持久力や強度を上げるのだと考えられてきました。同様に、運動はメンタル面でもうつや記憶に良い効果をもたらします。ただ、それが何故なのかはこれまではっきりしていませんでした。
 
このたび、サウスカロライナ大の研究者たちがねずみを使った実験で、日常的なエクササイズは脳細胞のミトコンドリアを増やすことが判明し、これがメンタル面に効果に繋がるかもしれない、と発表され、注目を集めているそうです。
 
この記事によると、研究者たちは、ネズミを2つのグループに分けました。片方は、傾斜したトレッドミルを1週間に6日、毎日1時間走るグループ。もう一方はほぼ動かず、運動するほうと同じ音に晒され、同じように扱われるものの、カゴに残されたグループです。
8週間後、研究者たちはそれぞれのグループから数匹のネズミの脳と筋組織を調べ、ミトコンドリアが増えているか検証をしました。またそれぞれから数匹のネズミは持久力を査定するための走るテストも実施されました。
 
結果はそれまでの研究を裏付け、運動したグループのネズミは筋組織内のミトコンドリアが増えていました。そして、それらのネズミの脳内にもミトコンドリアの上昇のいくつかの明確な印――ペルオキシゾーム増殖因子が活性化させるレセプター-gの活性化補助因子1-アルファ、サーチュイン遺伝子T1、クエン酸シンターゼなどのミトコンドリアの生物発生のための調整遺伝子――とミトコンドリアDNAがあったのです。また持久力のテストでは、運動したグループのネズミは疲れが来る時間は74分程度から約126分に上昇したそうです。
 
今回の発見は、エクササイズは筋肉だけでなく、脳でもミトコンドリアの数を増加させることを示唆しています。研究者たちはこの脳内でのミトコンドリアの増加が、疲れへの抵抗をもたらし、持久力を上げる役割を果たしている可能性があるとし、同時にフィジカルのパフォーマンスへも影響を与えていると記したそうです。また、運動の精神性疾患や遺伝性疾患や神経変性疾患などへの治療としての可能性もここから示唆されています。
 
こうした医学的、科学的裏付けがされると、さらにワークアウトへのモチベーションが高まりませんか? また一つ、ワークアウトを続ける必然性が増えましたね。
 
 
Science Dailyより/リサーチ 坂野晴彦)