今回のメニューは夏の終わりにふさわしく…..「Jet Lag=時差ぼけ」です。
楽しい夏休みを過ごされた方も、ハードな海外出張を抱えた方も、このチューニングメニューで旅の疲れをリセットしてみてくださいね。
まず、“Jet Lag”がなぜ起こるのか?
高速度で時差があるところまで移動すると、体内時計と現地の生活時間が突然ずれてしまいます。体内時計がコントロールしている体温、ホルモン、睡眠、覚醒のリズムがばらばらになってしまうんですね。ということでこの体内時計をリセットすることが今回の一番のキーポイントとなります。
ちなみに、North-western University とサンフランシスコの Univercity of californiaの科学者がこんな発表をしています。食事をとり、さらにレジスタンス(抵抗)運動をした人の筋肉サンプルを生検して筋タンパク質の量を見てみると増加していることがわかったとか。
何を隠そうこの筋タンパク質は、私たちの中のサーカディアン・リズム(1日24時間の概日周期)を規則づけるもの!
ということで、やや負荷のある強めの運動が、現地の時間へのアジャストのヘルプになるらしいということが分かりました。
さらに、これを実践するおすすめの時間帯は夕方。私たちの体温は朝の5時くらいから上がり始めて、夜の8時くらいから下がるというのが理想的ですが、この夕方に一度ぐっと体温を上げると、より夜に向けて体温が下がって行くという動きをヘルプしてくれるそうですよ。
もう一つ、今回のメニューにはエコノミークラス症候群への対策という側面もあります。
長時間、足を動かさないでいると、ふくらはぎの筋肉の中に血栓ができて、それが肺に移動すると死に至ることもある……。飛行機に乗っている間だけでなく、2週間は注意したほうがいいとか。
ということで、今回は、まずはふくらはぎのストレッチを念入りに行います。
気になるむくみは、リンパ管から静脈へ筋肉に溜まった疲労物質を送り込むことができずに詰まった状態です。ふくらはぎの筋肉は、血管やリンパ管を収縮させ、循環させるポンプの役割もするので、ストレッチして動いて筋力アップさせることで、このシステムを良くすることが目的です。
そして最後に、ちょっとハードなポーズを。
どこを使用しているのかというとまさに全身です。ベルトのような役割をしているお腹のインナーマッスル・腹横筋を意識して壁を押します。その時、トルソー(胴)はテーブルのように床に平行なラインをキープ。壁にもたれかかるのではなく、しっかりと広背筋から押すのがポイントです。
筋力を使わず、ただもたれかかっている人はトルソーが反ってしまうし、広背筋やハムストリングの固い人は床に平行になりません(泣)。固い人にはストレッチに、筋力のない人には筋トレになるのです。息を吐きながら、腹横筋のベルトが閉まって頭頂と座骨がどんど離れていくことを意識する。ストレッチしながらも自重を負荷に筋肉を使う! 辛いですよ~。
ちなみに前回コメントをいただいた呼吸についてですが、基本的に力を入れるときにゆっくりと吐いてください。動きと動きの間、力が抜けたタイミングで吸う。ブレスする感覚です。
前回に引き続き、挑戦してくださったのは本田さん。
ハムストリングを伸ばすという動きは本田さんにとっては苦行だったかなと思います。ラストの壁押しエクササイズでは、膝を曲げていただきました。骨盤が丸くなって座骨が下を向いてしまうより、膝を曲げて座骨と頭のてっぺんを引っぱり合えたほうがベターです。ストレッチは形ではなく、その人の身体の中で引っぱり合いが行えていれば合格なのです!
今回のチューニングポイントは「反動をつけずゆっくり動く」こと。
「いっち、にっ、さ~~んっ」と反動をつけながらストレッチを行っている方、いらっしゃらないですよね?
伸ばされた筋肉は、柔らかいゴムのようなもので、引っ張る力がなくなったとたん、元の長さに戻ります。あまりにも急激にはずみをつけて伸ばすとこの伸張反射が起こり、逆に固くなってしまいます。
姿勢をどれくらいキープするかは、運動学の専門家によって意見が違いますが、だいたい90秒以上という意見が多いようです。ストレッチを繰り返していくことで、自分の感覚で「あ、のびてリラックスしたな……」という感覚がわかってくると思います。そこがベストの時間かな。
まさに、
Don' t push your self, just listen to your body……
では、また2週間後に。Keep on movin!
Red Top ¥11,340
Blue Top ¥10,500
Harlem Pants ¥16,800(Prancing Leopard Organics / Driving-Maul
問い合わせ:ドライビングモール Tel. 03-5768-6331
(文 内田あや/撮影 松田正臣/ヘアメイク 角田英明<HAIR DIMENTION2>/音楽 Mitcho)
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